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アジフライ

あの惣菜屋さんを通る時、
一瞬ではあるがパッと探してしまうシロモノがある。

あーっ!!!

急ブレーキ!足を止めた。

今日はアジフライがある!
サーモンフライにメンチカツ、コロッケ、唐揚げ、スコッチエッグ……
いつも売り切れて空席だったアジフライのスペースに!!アジフライが!!ある!!!!

いそいそと列に並ぶ。前には4人ほど。

えーっ、こんな昼ど真ん中の時間帯にアジフライにお目にかかれるなんて……ツイてる…今日星座占い一位だったんじゃないかしら……?
なんてことを思いながら、順番を待つ。

1人、2人と前の人が会計を終えて散っていく。

来た、私の番が。

「アジフライ一つください!」
「はいよ」

わー!!やったやった!!
思わず顔が綻んでしまう。
わくわく。
おじいさんが慣れた手つきで袋にアジフライを入れていくのを、目が追ってしまう。

「はい、アジフライね。」
「ありがとうございます!」

あったかい。あったかいアジフライが嬉しくて、冷めないうちに食べたくて、小走りになる。
まだあたたかい魚を大事にふんわり抱きしめて商店街を駆け抜けていった。

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