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宇宙戦争

前方に敵機を発見。
バキューンバキューンバキューン

ったく、何年経っても敵は現れるものだ。
これじゃあ地球に帰還するのはまだ先になりそうだな…。
地球の平和は俺が守る。
そう、俺は選ばれし宇宙戦闘員なのだ。
地球は青く、美しい。あそこで生き物が生活している。生きとし生けるものすべての平和と暮らしを俺が支えていると思うと、背筋が伸びる。

しっかし、数年前までは、撃つか撃たれるかの
一瞬で生死を分ける状態であったのに、
最近は俺の反応速度についてこれなくなったのか、
相手は手も足も出ないようだ。
いつだって俺の圧勝。蹴散らしてしまう。

…あれ、なんだ?あのどぎついピンクの派手な宇宙船、とんでもない速さで移動してるぞ!久々に強そうなやつがきた!

バキューン

「ゔぇっ」
いっっ……え……撃たれた…?俺が…?

どさっ

…一撃とは…なかなかやるな。こんな敵が残っていたなんて………

いや、生まれたのか…?
俺が宇宙での責務に追われている間にもう一体どれほどの時間が経ったのだろう。地球で俺のことを

コツコツコツ


何を弱気に!敵が乗り込んできたな。
すべて捧げてきたんだ、最期にみてやろう、俺を殺したまだ見ぬ宇宙人を!!

「はぁ…あ、こいつっすね。こういうやつがいるから、地球の電波が乱れるんすよ。昔宇宙に行ったやつが、宇宙戦争が終わったのに気づかなくて人工衛星壊しまくるから、位置情報バグるんすよねぇ」
「まあでも、皮肉なもんだな。昔は宇宙に敵を倒しに行くのが憧れの仕事だったのに、そいつらを片付ける仕事が、今の宇宙の汚れ仕事なんだもんな。」

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