みりんみりんみりん

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最近の記事

五十嵐唯織に医師免許は必要か

ラジエーションハウスは病院の放射線科に所属する放射線技師たちにスポットを当てたドラマである。医師が主人公になりがちな医療系ドラマとは差異が明らかであり、2期目と劇場版が制作されるほどの人気ドラマ作品と言って差支えないように思う。 放射線技師が一体どのようにドラマを動かしていくのだろうと、同じコメディカルである薬剤師として、ドラマが始まるまでは楽しみにしていた。 主人公の五十嵐唯織は、豊富な医療知識をもっており、撮影写真やデータをみているだけでなく、実際の患者にも直接アプロ

    • 沈むリシアと家を買った転勤族

      私の職場は定期的に転勤があり、身軽な生活が基本なので、ずっと賃貸暮らしを続けていくと思っていた。しかし、家を買ったほうがいい状況に徐々になっていき、買うしかなかった。矛盾もあるが、生活を考えると、全く矛盾しているわけではない。何が幸せか、何を大切か考えるかによって結果は異なる。 今まで賃貸住まいで躊躇していたが、家を買ったのでこれを機にアクアリウムを再開したいと思うようになった。 実家を出て以来、水槽を家に置いたことはなかったので、20年以上アクアリウムから離れていた。水

      • 「イリギミさん」のイチゴのムース

        *「イリギミさん」は仮名ではなく、本当に「イリギミさん」なので、あなたが「イリギミさん」で、わたしのことかも、と思い当たる節があれば、それはおそらくあなたのことだと思う。 およそ20年前の1月。まだ男子高校の1年生だった私は、中学校の同級生の女の子から頼まれて、3対3の「合コン」をすることになった。 その同級生はいわゆる美人。ということはその友達なら美人に違いないと思い(男子高校生の思考なんてその程度)、「合コン」の前から期待感と同時にとても緊張したのを覚えている。 当日、

        • 認知の歪みが共有される -「認知症にかかわる専門職の多職種協働研修」に参加して-

          ビルの屋上の、しかもあと一歩進んだら踏み外してしまうようなギリギリの場所に私は立っていた。 大学の講義室で指示通りヘッドマウントディスプレイをセットした後、その場で起立するように指示があった次の瞬間、視界が変わり、私はビルの屋上に立っていたのだった。 「こわ!」と意図せず言葉が出た。 *** 身体に何らかの障害を持つ患者が生活の中でどのような悩みや問題や課題を感じているか、医療従事者が少しでも理解したいと考えるとき、その手段のひとつとして疑似体験が用いられることが多い。

          オリジナルの強さ -映画評 新幹線大爆破-

          まだ小学生だった頃は、約2時間の映画を飽きずに視聴するのは苦手だった。 そんな私でも、1994年公開の「スピード」は寝ないで最後まで視聴できた初めての映画だった。 映画館で観たわけではなく、テレビ(おそらく金曜ロードショー)で、家族が観ていたので自分も一緒に観ようかな、その程度の動機だったと思う。 しかし映画が始まってからは一気に引き込まれた。時速80㎞を下回ると爆発するバスに乗り合わせてしまった乗客=人質をどうやって救出するのか想像がつかなかった。そして次から次へと難題が

          オリジナルの強さ -映画評 新幹線大爆破-

          薬剤師として薬剤師を超える

          インタビュー :栞アマルフィさん(〇〇病院薬剤部勤務 心療内科病棟担当) 心療内科で扱う病気は薬物治療がメインとならない事が多い。薬物治療がメインでないということは、薬や薬剤師の役割は相対的に低いと言わざるを得ない。しかし、当院には心療内科病棟担当にもかかわらず、誰よりも精力的に活動している薬剤師がいる。彼女が何を考えて薬剤師として働いているのか、どのような問題を抱えているのか伺った。 ――まずは薬剤師を目指したきっかけについて教えて下さい もともと成績は良くて、理系のク

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          第4次スーパーロボット大戦によって、オーラロードは開かれた!

          一番強いロボットは何だと思うかと聞かれれば、そんな難しい質問には答えられないと返すが、一番好きなロボットは何かと聞かれれば、聖戦士ダンバインに登場するオーラバトラーと答えるだろう。ちなみにどちらの質問も聞かれたことは、ない。 聖戦士ダンバインは80年代に放映された少し昔のロボットアニメで、異世界に召喚された青年が、その世界のゲリラ戦などの紛争に巻き込まれる形でロボットに乗り、活躍していく物語である。オーラバトラーとは、人間の「オーラ力」(オーラちから、と読む)を増幅したエネ

          第4次スーパーロボット大戦によって、オーラロードは開かれた!

          広く、深入りせず、赤魔道士のように

          十数年ぶりにファイナルファンタジーV(以下FF5)をプレイしている。 念のため説明すると、FF5はRPGのファイナルファンタジーシリーズの5作目であり、1992年に発売されたものなので約30年前のゲームである。 実家の掃除を手伝っているときにゲームボーイアドバンスを発見し、FF5がささったままであったのがきっかけだ。電池を入れなおして、数年ぶりの起動であるにもかかわらず軽快に動くためそのままプレイすることにした。携帯ゲームは何時間でも続けてしまうのが恐ろしい。 FF5を初めて

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          ネコを見に行く

          妻は現在、最近産まれた子どものために仕事をしていないため基本的には一日中家にいる。 あまり外に出ないのも身体に良くないので、買い物だったり、近所の散歩を一緒にしようと、まめに誘っていた。 ある日、少しだけ遠い場所まで散歩したとき、3匹のネコと出会った。 もしかしたら4匹だったかもしれないし、あまり正確には覚えていないけれど、複数匹のネコが一緒にいる現場に遭遇した経験が今まで無かったので、まるでリアルな「ねこあつめ」のようだと興奮した。 いつも代わり映えのない散歩コースにも飽き

          情報のおいしさとコーヒー 珈琲の世界史を読んで

          本書の目的はコーヒーをよりおいしく飲ませることです。 味覚研究の分野では「情報のおいしさ」として、知識や情報などがおいしさの構成要素として確立されています。 コーヒーに関する情報、知識は様々ありますが、本書はコーヒーの歴史に関する情報、知識について扱っています。 化学物質名に苦手意識がある人、歴史が好きな人、文系の人が対象と言っていいかもしれません。 理系の人にはブルーバックスから発刊されている「コーヒーの科学」がとっつきやすいのですが、丁寧に解説されているため世界史の基礎知

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          寒くない自転車通勤

          2020年1月、千葉県のM市からN市に引っ越した。引っ越す前は5キロの通勤に自転車を使用していたが、新居から勤務先まで13キロもあるため電車とバスを使うようになった。約1時間の通勤時間で、電車もバスも混んではいたが、移動中は動画視聴や読書をしたりする時間に使用できた。今まで自転車通勤であったため、移動時間にコンテンツを消費できることが新鮮で、通勤時間を楽しんでいた。 ところが、新型コロナウィルスの流行である。当初はあまり危険性が把握出来ていなかったため、マスクをしたり、外の

          寒くない自転車通勤