顔が好き、な男の子と結婚する。
あと何ヶ月か後に入籍する予定。
正直、本当にこのまま結婚しちゃうんだ…という気の迷いというか、気分が揺れることとか不安もある。
なんで彼と結婚するのか、今の気持ちを言葉に残しておきたいと思って書きます。
彼氏の顔が好きだ。
眉毛が濃くてはっきりしてる。
目は大きくてきれいな二重。
最近、髪が短めなのも相まって、ちょっとドラマ99.9%のときの松潤に似てる。
(恋は盲目と言うから、私の目には、ということですよ)
もちろん顔だけじゃなくて内面だっていい。
真っ当な気遣いができる。優しい。
食べ方がきれい。
愛情表現をしてくれる。
いっしょにいて楽しい。
それでもわたしが彼に恋したのは、その顔だった。
彼に出会った頃、わたしは彼氏が欲しい、結婚したい、という願望でいっぱいだった。
彼氏がいなきゃ、結婚しなきゃ、という観念に苛まれていたとも言える。
彼氏が欲しいのも結婚したいと思うのも、所詮、寂しい人と思われたくないっていう一心からだった。
人付き合いが苦手なわたしは、既婚者っていうラベルを手に入れたいって思っていた。
既婚者、であれば会話が成り立つというか、人付き合いが苦手でも「結婚してるから私普通の人ですよ」という主張が成り立つような気がしていた。(今でもそう思っている)
好きではないけど、私に興味を示した男の子とデートをした。
いつかは好きになれるんじゃないかと期待を込めてデートを重ねた。
でも何度デートしても、全然好きになれなかった。
夢の国でさえも、つまらなかった。
好きな人じゃなかったのだ。
恋に落ちる条件ってなんだろう、と思いながら、男の子を、そして私自身を観察していた。
付き合っていた男の子に、次に会う日をどうやって延ばそうか言い訳を考えて、面倒くさいな、と思いながらLINEを返す日々。
彼が悪い人だったわけではない。
私には合わなかっただけだ。
当たり前のことだけど、言い換えれば彼にも私は合っていなかった。
早く別れたほうがいいのは明白だった。
そんなときに出会ったのが彼だった。
はじめて会ったときの印象は、ひょろっと背の高い、眼鏡の男の子だった。
次に思ったのは、食事のマナーがいい人という印象だった。
箸袋で箸置きをつくる男の人をはじめて見て、それはとても好印象だった。
逆に言えばそれだけの印象だった。
別に恋に落ちる予感もなにもなかった。
でも、わたしは身についていた媚を自然に売った。
彼氏をつくるため、結婚するため、に身に付けたテクニックをつかった。
(テクニックって言っても大それたものじゃない。すごいね、っていうとか。にこにこするとか。そんな程度だけど)
その効果があったのかは分からないけど、後日LINEで甘いものを食べに行こうという話になった。
駅で待ち合わせた彼は、その日は眼鏡をかけずにコンタクトをしていた。
気合入れてきてくれたのかな、と思った。
おいしいケーキを食べた。
不思議と会話が弾んだ。
会うのは二回目なのに、楽しかった。
私は人と喋るとき壁を作ってしまいがちなのだけど(もしくは感じのいい人を演じる)、自然体でいれた。
ケーキ屋さんに長居したあと、突発的に水族館にいった。
ひとつひとつの水槽を丁寧に見て回った。
二人してひとつの水槽に顔を寄せた。顔と顔が結構近かった。
ふと、隣を見て、はっとした。
彼の横顔が青い照明に照らされて、光っていた。
すごくきれいな横顔だった。
はじめて会った時も、ケーキを食べたときも、わたしは彼の顔について、あまり意識していなかった。
でも、横顔を見たとき、急に胸がどきどきしだした。
恋に落ちた瞬間だった。
心理テストで、
「異性に求める条件を3つ挙げて、そのあとで4つ目の条件を挙げてください。
実は4つ目の条件が、あなたの本当に一番譲れない条件です」っていうものがある。
まさにそれだ。
その当時の私が異性に求めていた条件って
①仕事内容(=収入)
②家柄(=財産)
③学歴
みたいな感じだった。(結局は全部お金…)
でも本当の一番の条件は違ったんだと思う。
顔が私にとって重要なファクターだったんだ。
(もののたとえとして、)彼の鼻がもう少し低かったら…恋に落ちていたか?
わからない。
いっしょにいて楽しくって、自然体でいれる。それだけで恋に落ちるには十分だったかもしれない。
でも、恋の始まりは確かに彼の顔だった。
彼と結婚する。
こんなはずじゃなかったと思うこともある。
住み慣れた街を離れる。
職場が遠くなる。
結婚したら瀟洒なマンションに住むものだと思っていたけど、彼の社宅に住むことになる。
あわよくば寿退社、と思っていたけど、そんなわけにはいかない。
こんなはずじゃなかった、と思うことはこの先もあるかもしれない。
でも、もっといっしょにいたい、と思うようになって、彼も同じ気持ちでいてくれて、そして結婚する。
私は今、他の誰でもなく彼と結婚したいのだ。
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