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省エネモード小学生
ぼくの夏休みというゲームをご存知だろうか。
私はあのゲームが大好きだった。海に潜って、キラキラの瓶の蓋を見つけ、居間にあるおにぎりを食べ、ラジオ体操に参加し、カブトムシを取ったり。
私は自分の夏休みが現実にあるというのに、ぼくの夏休みの中で遊んでいた。それくらい省エネな小学生だった。
毎日朝決まった時間に…
起きず
毎朝近所の公園で行われるラジオ体操に参加…
せず
スタンプカードは6年間で…
一つも埋まったことはなく
いつも寝坊助の私。
起きた時には母が出勤するギリギリの時間。
「もー!!あんたいつまで寝とるとね!起きなさい。洗濯物干しとってよ?出かける時はちゃんと鍵閉めなさいよ!」
ボールマシーンのように、次々に飛んでくる。
「うーん。ふぁ。」
夏休みだぁ。よだれ。
頭はまだ半分寝ており、もう半分の脳で言われたことをしっかり記憶する。
さて省エネ小学生の夏休みが始まる。
まず、夏休みが始まる前の一番好きな時間がある。
それはクーラーがしっかり効いている静かな図書館で、読書感想文を書くための本を選ぶ授業だ。ハンモックに揺られているような気分。
尚且つ一番最後の時間割りだと最っっっっっっっっ高。
もはや授業じゃない。感想文を書くための本選びって、順序逆じゃないかと思うくらいだが。
いつも騒がしいクラスが静かになるのも嬉しい。
そしてなんといっても図書館の古い匂いがたまらない。
誰も選ばないコーナーは、通路が自分一人で秘密基地のようだ。
あえて隅っこを選び、コソコソ読んだり探したりしていた。
私が元祖すみっコぐらしかもしれない。
大抵選ぶのは、ファンタジー系。
夏の大冒険、ひと夏の子供達の不思議な体験、そして成長物語、変なおじさんとの会話など。内弁慶の自分ができないような、ちょっと冒険している子たちの旅である。
省エネモードの私には到底できない。
外でるのめんどくせぇと自宅警備員を自ら率先して行なっていた。
だからそこ不思議な体験を本で行うのだ。
あらすじを読むだけで、あとは妄想で自分が冒険をした気になれる。
低燃費小学生。
夏休みの過ごし方、理想vs現実
夏休み前の1日のスケジュールを決める授業では、
まさに教科書のような、模範解答のような理想の優等生小学生のスケジュールだけはきっちり作り上げる私!!
それはそれはもう、素晴らしい、前半には宿題を終わらせる遊びに、家事に、宿題に、全て網羅するスケジューリングでした。
そんなこんなで
案の定、お察しの通り初日からスケジュール通りにはいかず。(毎年)
8:00前に起床し、母の出勤を見送る。(大人は大変だなあと思うと同時に、優越感に浸る。)
〜ここからはテレビっ子の1日をお読みください。〜
まず最初に朝ドラを見る。西遊記の再放送が毎年あった。
香取慎吾の方じゃなくて堺正章の方。
昭和のドラマは普段見ているのと違い、不気味なところも多く、怖いながらも観ていたのを思い出す。
何度もリビングで筋斗雲を呼んだのは、私だけではないと思う。
息を吹きすぎて酸欠気味だったことも付け加えておく。
夏目雅子のお釈迦さまがとてつもなく美人だったのは、小学生の私でもわかった。
それからお次はNHK。今でいうEテレ。
ガンコちゃんに始まり、つくってあそぼ、みてハッスル⭐︎きいてハッスル(忍者の子達と一緒に学ぶ漢字学習)、ストレッチマン、など。
ワクワクさんと一緒に工作も行っていた。図工はいつも5。
あのワクワクさんのオープニングを観て、聴くだけで、ワクワクがマジで止まらなかった。感謝。カムバック。
ストレッチマンだけは好きになれなかった。おじさん怖い。
でもNHKありがとう。今でも私の心にはEテレ番組がある。
そうこうしていると、あっという間にキューピー3分クッキングだ。
ながら見しながら、一緒にお料理。
といっても、冷凍チャーハン、ピラフ、グラタン、おにぎりバーガー、パスタが主体。たまに母が作ってくれたオムライスや、夜ご飯の余りなども食べていた。今思うとすごい添加物だけど、育つことには育った!
今でも冷凍ピラフの匂いを嗅ぐと、小学生時代の夏休みを思い出す。
「母が仕事で忙しかったので、自分で作るようになりました」
なんて言う美談はなく、ないなら冷凍でいいや〜、お弁当代頂戴!タイプの子だった。
そして平成のお昼の番組といえば、「笑っていいとも!」
対して好きでも嫌いでもなかった。
そっくりさんが出てきたり、芸能人がゲームしたり、テレフォンショッキングで、1人だけになるようなゲームを出したり、曜日ごとに飽きないよう変えていたと思う。テレフォンショッキングは、ああ番宣かあと、小学生ながらに思っていた。にしてもタモリさんはいつもなぜこんなに声が小さいのだろうかと、少しイライラしていた。今にして思えば自然なトークのように思えた。
私もタモリさんストラップ欲しかったなあ。
ヒルナンデスには悪いけど、笑っていいとも!の方が好きだったなあ。平成っぽくて。ロケもないし、番組内だけでお客さんと一緒に作る番組って漢字だった。
そうこうしていると、最後のエンディングのトークになり、
いいとも!!で締まる。ライオンのごきげんようの時間の始まりだ。
何が出る!何が出る!ララララン ラン ララララン♩
私もっと上手にサイコロ投げれる! 幼い私は思ってました。
ここからは昼ドラの時間である。大好き五つ子、虹のかなた、ぼくの夏休み
印象的なドラマはこの3作である。ぼくの夏休みを見たときは、自分も戦時中にタイムスリップしたらどうしようと毎日怖かったのを覚えている。可愛い。母親に相談した記憶もある。
さすがにうとうとしてきて、西陽が窓から差し込んでくる。
電気を消して西陽だけの部屋で、少しだけうたた寝。
目が覚めると15:00台の地元のテレビが流れている。
ロケで滝に行ってかき氷を食べているお兄さん。かっこいいなあ。いいなー私も滝に行きたいな〜。かき氷食べたい。
そんなふうにしてゆっくり見ていると、母が帰ってくる16:30が迫っているではないか!!!
慌てて皿洗い、お風呂の掃除、水を溜めておくここまで済ませる。
余裕があれば洗濯物を取り込む。
もう怒涛の速さで行う。必死。
しかし省エネ小学生は一日中クーラーの中で過ごすため体力がなく、思うように進まず、
下手したら洗濯物だけ取り入れた状態で、「ガチャっ」鍵を開ける音がする。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜GAME OVER〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
胸がキュッとなり、怒られるための精神を整える。精神統一(違う)
「ただいま〜〜…
あんたまた1日家におったと?!ちょっとは外に出なさい!お風呂掃除も
しとらん!!!1日何しよったとね!! はぁ…。」
今からやります…
そんなこんなで結局優しい母は一緒にやってくれる。
夕ご飯の買い出しに一緒について行き、(もちろん車で、クーラーは切らさない)涼しいスーパーの中を上機嫌に歩き、本屋へ行ったり、100均へ行ったり、食べたいお菓子をさらっとスマートに入れたり、どさくさに紛れてクレープを買ってもらったり、夕方になるとエンジンがかかってくるのでした。
エンジンがかかってきた頃には1日が終わるのです。
こんな1日✖️約1ヶ月半。
これで大体の説明は終わります。
もちろん半月くらいは夏休みらしいこと、小学生らしい遊びもしていました。
しかし、残りの日は省エネです。
暑さには弱いです。
体力ないです。
居留守使ったこともあります。
ごめん友達。
電話も敢えて出なかったこともあります。
ごめん友達。
友達と遊ぶ時は車がないので、親と出かける楽な方を優先させたことがあります。
ごめん友達。
今も汗かきにくいです。
困ってます。
でもいい思い出です。
お付き合いありがとうございました。
省エネ小学生の夏休み、いかがでしたでしょうか?
今の小学生は何をして過ごしているんでしょう?
大人も子どもも、自分らしい夏休みを。