神様時計と俺
ああ、俺は死んだ。
わしは神だ。
お前は天国へ行くがやり残したことはないか?
あの家の家猫になりたいです。羨ましかったんです。
よし、わしの神様時計で命を延ばしてやる。
わしが出雲に行く神無月の一ヶ月だけだぞ。
よっしゃー。
あら玄関に猫が。うちの子になるの?三匹目の猫ちゃんだわ。
そうね、名前はぎんね。
みかん、まりも、今日からうちの子になるぎんよ。仲良くしてね。うちは、三食昼寝付きにおやつと夜食よ。
みかんは茶トラの長毛種、お高く気取った中年の雌だ。まりもは若いキジで、血気盛んな雄だ。
早朝、おばさんの枕元に三匹並ぶ。モーニングニャーニャー。
次に、おばさんの顔にねこパンチ。
おばさんがコラーッと怒るまで。
朝飯後はベッド、昼飯後は、窓辺で、ごろごろ。
晩飯を食べたら、みかん、まりも、俺の順番で襖を細く開けて覗く。
勿論、顔半分で。
家政猫は見たかもだ。
やれやれ、それが終わると夜食を食べて夜寝だ。
隣の芝生は青かった。
でもこの家が大好きだ。