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パリ旅行記 08 - 第5日、ミレー meets ミレー

50歳にして人生初の海外、しかもパリに現地6泊(10日間)の日程で旅行してきたので、自分の記録・記念として旅行記を綴ろうと思う。今回は前日のルーヴルに続いてオルセーに行ってきた話など。

ミレーがミレーに会いに行った

僕の名前のmireiというのは、画家のミレーから取られている。僕としては特別な思い入れがあるとか絵を描いているとかではないのだけど、若い頃に油彩をやっていた母が好きな画家がミレーということで、それにちなんで名付けられた名前を、そのままネットでも名乗っている。まぁ、ミレーは本当は名字(ジャン・フランソワ・ミレー)なんだけど。

せっかくフランスに来たのだから、ミレーの家があるバルビゾンに行ってみたいとも思ったけれど、パリから結構離れているようだ。時間的な都合や、不慣れな海外で無理な行程を組むリスク、パリ以外でどれだけ言葉が通じるか……等を鑑みて諦めたのだけど、せめて作品は観ておきたい。そう思って今日はオルセー美術館に行くことになっていた。

RERは二階建て車両が走っていた

ホテルからはいつものメトロ4号線でSaint-Michel Notre-Dame駅に向かい、そこから初めて乗るRERに乗り換えた。RERは「イル=ド=フランス地域圏急行鉄道網」と言う路線で、要はパリとパリ以外の都市を結ぶ鉄道ということだ。実は渡仏当日だったかに郊外のRERにおいて数ヶ所で放火?破壊?事件が起きていて少し心配していたのだけど、トラブルは幸いにもそれだけで済んだようで、この日も定刻通りに列車は到着した。Saint-Michel Notre-Dame駅での乗り換えは、路線が変わるので少し歩くかと思っていたのだけど、ほとんど目の前で迷うこともなかった。RERに乗って1駅でオルセー美術館の最寄り駅であるMusée d'Orsay駅(そのまんまな名前!)に到着だ。

実は最近まで知らなかったオルセー美術館

恥ずかしながら、パリの美術館といえばルーヴル美術館しか知らず、オルセー美術館は知らなかった……いや何処かで聞いたことあるかも……という感じだった。今回旅行するに当たって、パリミュージアムパスで行けるところを眺めていた時にオルセー美術館あるじゃん、しかもミレーの絵があるし、と気がついた次第である。

オルセー美術館はルーヴルほどではないにしても、立派な建物だ。元は駅舎だったそうで、中央部が吹き抜けになっているのはそのためなのだろうか。

ルーヴルとは違い、入館予約は必要なかった
一旦降りて、再び登っていく感じの構造(ちなみに5階建)

まずは、お目当てのミレーを観に行く。お目当てというか、ほぼそれが全てだったのだけど。案内に従って探していくと……

あった!!!(そりゃあるよ)

晩鐘。
長い間いろんなメディアで観てきたけど、実物は初めてだ。小さめのカンバスに丁寧な筆致で描かれている。そうかこれがミレーの絵か……

そして隣には。

例のアレ!

落ち穂拾い。
ミレーと言えば「落ち穂拾い」「晩鐘」「種蒔く人」の3つが特によく知られていると思うのだけど、そのうち2つをこの目で拝める日が来るなんて、この日までずっと思いもしなかった。この日だって、いざ目の前に立つまで現実味なんてなかったし、こうして記述している今だって、あれは果たして現実だったのだろうかと思うくらいだ。

他にもミレーの絵は知らないものも沢山展示されていて、自分が(日本で)知っていたミレーはごく一部だったのだと知る。また機会があれば「晩鐘」やその他の作品にも触れてみたいと思いつつ、展示を後にした。

寄り道しつつスタジアムへ

午前中にオルセー美術館に行った後、午後は男子サッカーの試合を観に行くことになっていた。会場はパルク・デ・プランス、フランスサッカーリーグのパリ・サンジェルマンFCが本拠地としているスタジアムだ。

またRERに乗るのだけど、その前にちょっと寄り道。オルセー美術館から西に歩いていくと、ブルボン宮殿があった。ここは今パリ五輪仕様になっていて、変わった展示があるらしい。暑い中を歩いていくと、ありました。

なんだアレ

カラフルに塗られた銅像が……色んな競技の道具を持ってポーズを取っている。これは子どもが事前に見つけていて、近くを通るなら観ていきたいと教えてくれていたものだ。ギリシャやローマを彷彿とさせる建物の前に居並ぶ謎の像。フランス人のセンスはよく分からないが、賑わっていたのでよかったんじゃないだろうか。

さて、最寄りのInvalides駅(廃兵院。人気観光スポットだけど今回はスルー)から再びRERに乗って、Pont du Garigliano駅へ。RERのこのC線は、市街地は地下~半地下を走っているようで、セーヌ川の景色を眺めるにはもってこいの路線のようだった。駅についてからスタジアムまで歩くのだけど、これがもう暑くて……避難も兼ねてランチを取ることにした。入った店はイタリアンのLa Cantinaという店。陽気なスタッフがボリュームたっぷりの美味しい料理を提供してくれて良かったのだけど、フランスらしく?エアコンの無い店で、窓は開け放されていたけれど暑くてあまり避暑にはならなかった。

食べごたえ十分のピザ

エッフェル塔のサッカー場

再び歩きだして、ようやく目的地に到着。これがパルク・デ・プランスか。サッカー場はノエビアスタジアムとさいたまスタジアムしか行ったことないのだけど、こっちのほうが大きく見えたのは気のせいだろうか。

サッカースタジアム スゴク デカイ

中に入ると更に雰囲気がよかった。スタンドにパリ・サンジェルマンFCのロゴであるエッフェル塔が描かれていて綺麗だったなあ。

美しさにちょっと感動した

試合はウズベキスタンvsドミニカ共和国という、おそらく今回の五輪サッカーでは相当マイナーなカードだと思うのだけど、なかなかどうして盛り上がっていた。会場はほぼ満席だったし(当然両国のファンではない)、ウズベキスタンの大応援団が何処からかやってきてバックスタンドのエッフェル塔の上で歌えや踊れの熱が入った応援を繰り広げていた。試合ももちろん盛り上がったのだけど、上の娘が暑さで参ってしまって、このまま座っていると日が差してくることもあってハーフタイムで途中退出することにした。

何とか暑い中を元来た道を逆戻りしてホテルへ。本来のパリの夏の気温だったら大丈夫だったかもしれないけど、28日以降の暑さは日本の夏と変わらないものだったので夏バテしてしまったようだ。まだ日程はあるし、元気に帰るためにも無理はしないでおこうと決めた。

余談

ところで画家のミレーというと、前述のジャン・フランソワ・ミレーを思い浮かべる人は多いと思うのだけど、もう1人、ジョン・エヴァレット・ミレーという画家も「オフィーリア」を描いたことで有名だ。こちらはイギリスの人だけど、ミレー同様にミレーは名字である。

実は原語の発音としては、フランス人画家・Jean-François Milletのミレーはどっちかと言えば「ミエ」らしい。一方でイギリス人画家・Sir John Everett Millaisは、Googleに喋らせると、まぁ、「ミレイ」と聴こえる。

そう考えると僕の名前の由来はエヴァレット君のほうが近いのだけど、母はフランソワ君から名付けたと言ってたので、そういうことにする。そう言う割にはどちらの絵も好きらしくて「どっちでもいい」とか言い出したので、子としてはモヤモヤしているのだけど。エヴァレット君もいずれ観に行ってみるかな……

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