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パリ旅行記 10 - 第7日 バイバイパリ

50歳にして人生初の海外、しかもパリに現地6泊(10日間)の日程で旅行してきたので、自分の記録・記念として旅行記を綴ろうと思う。いよいよパリに別れを告げる日がやってきた。

最後の朝

もう1週間もパリに滞在、いや暮らしていると、毎朝がルーティンめいてきた感じになる。起きて、ベッドを片付けたり着替えたりしつつ、朝食を作る。いつもと違うのは、これが最後だということ。

残り物をまとめたオープンオムレツと、毎日欠かせないサラダ

普段ならこの後は最小限の荷物だけ持って出かけていたのだけど、今日は違った。でっかいスーツケースにすったもんだしながら荷物を詰め込んで帰る支度を整えて、部屋を片付けて。お世話になったホテルのスタッフへの御礼の気持ちを込めて、日本から持参した小さなお土産をテーブルに。

ポチ袋にはチップを入れた。喜んでくれてたらいいけど

チェックアウトは午前中だったのだけど、帰る飛行機は深夜ということで、まだまだ時間がある。幸いにもホテルで夕方まで荷物を預かってくれるとのことだったので、ご厚意に甘えて市街観光に繰り出した。

ポイント回収に

とは言え今日も暑くて、昨日一日休憩してた娘に無理はさせられない。とりあえず最低限のポイントだけ回収していこうぜ、とエッフェル塔に向かうことにした。もう全然こわくなくなったメトロ8号線からRER C線に乗り換えて、最寄り駅の Champ de Mars Eiffel Tower 駅へ。ここから歩いてちょっとで着くらしいよ。

駅から地上に上がると、パリ日本文化会館が。五輪の拠点にもなってたらしい

エッフェル塔に向かって歩きだすと、なんだか人が多い。当然人気の観光スポットだからそれなりに混雑してるだろうけどこれほどとは……と思っていると道路のあちこちがフェンスで規制されていて、その前に人だかりが出来ていた。どうも五輪の何かの競技(競歩とかトライアスロンとか)の会場近くらしく、その観客や関係者でごった返していたのだ。

何とかエッフェル塔に近づいたけれど、もうすっかり疲れてしまって……なんとかビルの間から見えた塔を眺めるに留めてしまった。自分ひとりなら突っ込んでたと思うんだけども。

最接近。

避暑(恒例の)

エッフェル塔も中途半端にしか辿り着けず、その他のポイントもちょっとこの暑さでは厳しいね、ということで何処かに避暑に向かうことに。でも人が多いところ(美術館とか)はゆっくり出来ないし、レストランは相変わらずエアコンないし、どうするか……と地図を眺めていると、割と近くにショッピングモールらしき施設があることに気づいた。普段イオンモールに慣れた我々、こういうところは広くてエアコンが効いていて座れてトイレも無料であることを知っている。ちょうどお腹も空いてきたので、ランチを兼ねて Centre Commercial Beaugrenelle に向かうことにした。

到着したところは期待通りの施設で、かつ全然混んでいなかった。そりゃ観光地じゃないものね。でも我々にとっては貴重なプレイス。せっかく来たので休みながらあちこち眺めて廻ることに。

TwitchでEVOの配信とか見てたら出てくるCHIPOTLEに初めて入ることに
スタッフの客引きに乗せられて入ったけど美味しかった(ちょっと辛い)
マッチ棒で作られた世界最大のオブジェということでギネス登録されてるらしい

さよならパリ

ぼちぼちいい時間になったので、ホテルに戻ってタクシーを呼びつつ荷物を引き取る。タクシーはG7のアプリで呼んだのだけど、分かりやすい場所が良かろうと近くのタクシー乗り場を指定したつもりが、スマホの位置情報がうまく更新されておらず、ホテルの前に着いてしまったらしい。たどたどしいフランス語で状況を説明して待っててくれと伝えて大慌てでホテルまで戻ると、果たしてメルセデスのミニバンが待っていた(荷物が多いからミニバン呼んでた)。

1週間前と同じく、タクシーの中からパリの街を眺める。パリの暮らしで目も慣れたのか、今どのへんを走っているかとか、店の看板を見て何の店か分かったりして興味深かった。9区は聞いていた通り移民が多いようで、(我々が見てきた中では)圧倒的に有色人種が多かったし、通りに人が沢山出ていた。そこを過ぎるとまた元の街に戻って、いよいよ市街地を離れて郊外へ。閉会式の会場の横を通り過ぎると、あっという間にCDGに到着した。

空港では特にトラブルもなく。出国の手続きが日本とは異なり人手でチェックが行われる部分があったのが却って新鮮だったかも。全てのチェックが終わった後、待ち時間に残っていたユーロを使い果たそうと土産物屋に入ると意外に安い物があったりして、五輪公式には何かと振り回されたなあ……と思い返したりしていた。

シンガポール・チャンギ空港行きの飛行機は、離陸間際に降り出した雨が強くなって、離陸まで1時間近く機内で待つことになった。時刻は0時を過ぎていて、いま降ろされたらキツいな……と思い始めた頃に何とか離陸した。

チャンギ空港すごい

機内食と映画と仮眠を行ったり来たりしていると、ようやくシンガポールに着いた。往路ではトランジットが1時間しかなかったので何も出来なかったけど、復路は7時間近くあったのでゆっくり出来る。名探偵コナンの舞台にもなった マリーナ・ベイ・サンズ を観に行くことも出来たけど、そこまで元気はないということで、チャンギ空港に併設されている「ジュエル」というショッピングモールに行くことにした。またイオンだよ。

しかしジュエルに着くと、度肝を抜かれた。施設の規模が半端ない。特に高さ。なんで屋内にこんな滝があるのよ……

バカでかい建物の中央でバカでかい滝が流れ落ちている

滝もすごければ店舗数もすごい。地上地下あわせて10階くらいある中に、これでもかと飲食店やアパレルショップ、エンタメにスーパーまで何でもある。ジュエルの中で生まれて育って死んでいく人もいるんじゃないかってくらい広かった。例によってすぐに疲れてしまったので、手近なカフェでお茶することにした。

お店の名前、これだったかな。ケーキおいしかった
カフェオレも美味

歩き回るのにも疲れたので、早めに空港に戻ってベンチ(ソファみたいなのもあった)でゴロゴロして時間を潰す。Wi-Fi速いし何処でも充電出来て助かる。なんだかんだしていると日本行きのフライト時刻に。

最後の機内食。この水にはお世話になりました(勝手に)

日本あっつい

特に問題もなく飛行機は関空に到着。地元に戻るバスまで少し時間があったので、マクドナルドでお茶して待つことにしたのだけど、まぁ日本の暑いこと。なんていうか湿度がすごい……シンガポールも結構だったけど、日本は更に密な感じがした。フランスとはもう全然比べ物にならない。空港の中も結構暑くて、はやく帰りたいよ~(何ならフランスに~)と嘆きながらバスを待った。

バスに揺られながら、約10日間の旅を振り返る。家族みんなでずっと一緒にいたこと、ホテル暮らしとはいえ洗濯や自炊をしていたこともあって「非日常感」が薄かったこと、警戒していたトラブルには何一つ出くわさなかったこと等から、「すごい旅をした!」感は、正直あまりなかった気がする。こうして思い出しながら綴っている今はすっかり元の日常で、ただ「パリ五輪に行ってきた」という事実だけが残っている。そういう感じだ。

でも、海外に対するハードルは下がったよね、と家族で話した。旅行にせよ、留学にせよ、パリに行く前と今では全然印象が変わった。それは間違いない。ただ時間とお金が必要なだけで、後は特別なことはそんなでもない(行く先や目的によるのは勿論だけど)。

こうしてパリ旅行の幕は閉じた。さて次は何処に行こうかね(ハードル下がった!)。

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