さんらいふ(掌編小説)
葬儀屋に電話でもしようかな。いまから死体できます、はい、速達ってつかえますか?天国直通サービスはこちらではない。はい、そうですか、なら掛け間違いです……あ、地獄コース。へえ、最近そっちがお安いと。なるほど。どっちがいいと言われてもね、こちらはまあ、うーん……前金?あ、前金は生前の行い、と。ならそのコースでしょうね。それでも死ぬ価値はあるか?価値ですか。価値ねぇ。まあ、生きるにも死ぬにも値しませんよ、ほんとゴミみたいな人生だったから……あ、そういう話は食傷気味と。失礼しました。