【趣味のこと】恋なんていわば後手一手損角換わり
「相撲」にどんなイメージがありますか?
まずは何より
「力と力のぶつかり合い」ではないでしょうか。
相撲中継をまるまる1日分
しっかり見たことがある人は
「数秒の間に繰り広げられる駆け引きと技」が
加わるかもしれません。
「押し出す力」「うっちゃる力」
また、相手の力を利用してはたきこむ、
引き落とすなどさまざまな「力」の応酬が
土俵上で見られるわけですが
「押し出す」とは逆の「引き込む」力も
魅力のひとつです。
人は、重心が上がると力が入りません。
満員電車でつま先立ちをしている時を
思い浮かべるとわかりやすいと思います。
重心は下がっていた方が安定する。
つまり、相手の重心をあげれば
ふんばりたくてもふんばれなくなるわけです。
まわしをつかんで
グッと自分側に引き込むと
相手の重心はあがります。
重心があがるとどんな腕力をもってしても
力が入りません。
だからこそ
そうならないよう心がけるため
簡単に引き込まれはしません。
しかし、強靭な握力と背筋力を持つ力士は
それを可能にします。
また、相手の上背がある場合
ひきつけた上で頭を相手の胸につけると
相手は何もできません。
これを知っていたら、小学生の時に
砂場でやった相撲で
勝ち続けられたかもしれない。
そんなことをふと思うことがあります。
そして「押してもダメなら引いてみな」
という言葉の具体例のように思うのです。
力の入れ方、入れどころを変えるだけで
コトは大きく転回、進展するということを
相撲の取り口から知ることができます。
続いて「将棋」の話。
将棋は相手が指すと自分は
必ず指さなければいけません。
「パスができない」のです。
「動かすと隙がうまれる」
「1手パスができるものなら、したい」
という時があります。
何を指してもマイナスに見える、
そんな時に「パスに極めて近い手」を指し
相手に手番を渡すことができれば
大きく不利になることはありません。
「良い手を追うばかりが
勝つための近道ではない」
これは「急がばまわれ」という言葉の
本質を知る体験です。
趣味を持つことの効能は
このような体験にあると思うのです。
仕事や恋愛、生活において
突破口を見つけたいけれど
どこをどうすればいいのかわからない。
どこが問題点かわからない。
そんな時、弱点や強み、
特徴をとらえる手助けとなる
「視点」を与えてくれることがある。
「趣味を持つ」というのはある種
「第2外国語を覚える」のに近く、
その国の言葉を知ることで
自分の国の言葉と概念を
とらえなおせることと
似ているのではないでしょうか。
「推し活」が推奨されて久しい昨今ですが
ただただぼーっと眺めて楽しみ、
疑問をもって楽しみ、解答を知って楽しみ、
その一連の流れが、自身の日常や人生に
はねかえってくる瞬間を楽しむ。
それもまた楽しいし、
おすすめしたいことです。