性格はもう変えられない。変えなくていい。
性格を変えようと努力する必要はあるのか問題
雑だよね。自信過剰だよね。人の気持ちわからないよね。性格変えた方がいいよ。そんな言葉をかけられ続けてもう何年経過しただろうか。中学生の時には先生に呼び出されて「その性格が変わらない限り一生君はダメな人間だ」なんてわざわざ旧校舎にまで呼ばれて時間を取って言っていただいた経験も一度に度じゃない。そんな言葉は右から左に聞き流していたのでまったくもってノーダメージだったけど、どうやら性格上の欠点が自分にあることはどこか幼少期には自覚していたような気もしています。だからこんな僕でも「性格を変えなきゃな」そんな潜在的な課題意識はけっこう最近まで抱えていました。でも一体性格を変えることなどできるのか?ふとある日考えた僕がたどり着いた結論を少しご紹介してみようと思います。
性格は50%ぐらいは遺伝で決まるという事実
行動遺伝学者の研究なんかを読んでいると、どうやら性格というものの50%程度は遺伝子レベルで決定してしまっているらしい。残りは家庭の環境や教育などが10%、それ以外の人付き合いなどの外部環境が40%程度ということらしい。それが年を重ねるごとに可変部分は少なくなり、30才を過ぎるとほぼ100%性格はもう変わらないといった恐ろしい研究結果もあったりする。(そんな論文があった気がする)それが事実だとしたらたとえ25才であろうとも「性格を変える」なんてことは無理ゲーなのかもしれない。そんな事実があるとしたら「性格は変わらない前提」でものごとを考えてみよう。そこが僕の思考のはじまりでした。
「自信過剰だよね」は褒め言葉だと思ってたらそうでもなかった話。
僕は自信過剰だ。たぶんそれは今も全く変わらない。自信過剰だから「自信過剰」って言葉を人に投げかけられても、それが褒め言葉だと思えるぐらいには自信過剰だ。そもそも自分の言動に自信がたくさんあって何が悪いんだ?とすら昔は思っていたんじゃないかと。。。でもこの考え方は致命的に大きく間違っていることを人をマネジメントしていく中で何度もミスを繰り返してようやく気付くことができたのは30過ぎてからでしょうか。自分の意見に自信を持つことはよいことだと思うけど、それが行き過ぎると相手の意見に耳を傾けず、自分こそが正解だと勘違いしてしまう。その結果人はついてくるわけもなくメンバーは疲弊し退職していく。そんなことは一度や二度じゃありません。つまり「常に自信があって周囲を巻き込みながらチームを推し進められます!」と思っていた自分の最大の長所は、「人の意見を聞き入れず、相手を疲弊し犠牲者を出しながらも結果にだけはコミットするやばいチームを創造する人間です!」という短所だったという話です。
長所と短所という二元論で語る無意味さ。
なにが言いたいかというと、一見長所に思っている性格も実は短所をはらんでいるし、実は短所に思ってる性格もしかりということです。
例に出してみると「私は常に人の顔色をうかがっちゃいます。」と短所で話す人は多いんですが、僕からするとこういう人は「常に相手の小さな変化にも気づき相手の気持ちになって行動できる」っていう僕にはない超超超ストロングポイントを持っている人だったりするわけなんです。
ここから言えるのは「長所・短所」なんていうしょうもない二元論でものごとを分けようとすること自体が悪で、そんなものは紙一重とか裏表とかそういう話でもなく、どんな性格かによって得意なことや苦手なことや、周囲の人間関係や環境のなかで活かすことができるし、殺してしまうこともありえるなってこと。そしてそれは人それぞれ違ってて、最適な環境に配置してあげれば一見自分では「短所が多い」と言っている人でもめちゃくちゃポジティブな働き方をさせてあげられるんじゃないかってことです。
性格を変えることじゃなく「自分を知ること」が大切
冒頭にも言いましたが、性格を変えるというのは基本的に不可能です。だったらそれを無理に変えよう変えようとするんじゃなくて、自分って一体どんな性格なんだろう?それって一体なんでなんだろう?と自分の原体験をさかのぼっていって自らを知ることが大切です。それが遺伝子レベルや家庭環境に影響を受けてるなら親御さんに「私ってどんな性格?」「どんな教育方針だったの?」と聞いてみるのをオススメしています。そして自分の性格とその背景を理解できたら、じゃあそれってどんな環境だと活かせるんだろう?みたいな思考でキャリアを考えていくといいのかな~なんて思います。
長所短所で分けるのではなく、自分の性格をぜーんぶそのまま受け止めてポジティブに活かせるのはどーこだ!?の考え方ですね。最近はそんなことを考えながらマネジメントをしたり、自分の性格が変わらない言い訳にしてたりします。というただの独り言。※ミライユの12/2の朝会で僕が話した内容を簡単にまとめました。