SXSW 2021から読み取る7つの兆し ⑤Healing Economy
3月に行われたSXSW Online 2021を振り返り、VISIONGRAPHが独自に読み取った7つの兆しをご紹介します。
Healing Economy for Depression Society
デジタルと新化学によるメンタルヘルス領域の急激な成長と、終わりなき「心のフルネス」への欲求
精神疾患が世界各国で増加しています。WHOの発表では2005年から2017年までに18%も増加をしており、今後世界経済にも多くの影響を与えると言われています。
近年のSXSWでも、メンタルヘルスサービスが話題になっています。デジタル技術の活用にとどまらず、米国で解禁の兆しが顕著になっている大麻や幻覚剤の成分をはじめとした「今まではNGだったもの」への期待感が高まっています。
SXSW2021のピッチやセッションからも、人々のメンタルケアの未来は「今までのヒーリング像とは違ったイメージ」で盛り上がっていく兆しが顕著に見られました。その未来像は「ヒーリングエコノミー」という新たな市場が出来上がる姿にも見えます。
Futuristが考える、癒しの未来予報:Active Relax や、時短リラックスなど、新たな“癒し像”の開拓
大麻や幻覚剤の「サイケデリック市場」をはじめ、今までとは全く異なるイメージで、新たなリラックスのジャンル開拓が始まりつつあります。これまでの「NGなもの」というイメージを払拭する事は、「癒し」の概念自体を多様に変化させる事に繋がります。
例えば、ヨガやマインドフルネスにも使われる手法の緊張と緩和を交互に行う「筋弛緩法」や、トレーニングの効率化や脳にも良いと言われるインターバルトレーニング。この考え方を応用して、癒しやリラックスにアクティブな時間を取り入れる「Active Relax」という新ジャンルを確立。斬新なコンセプトのグッズと一緒にトータルな体験として提案する機会を作り、長期的に新たなユーザー像を育てていくのはどうでしょうか?
SXSW 2021で発見した、癒しの未来を考えるきっかけを与えてくれた兆し3選
①幻覚剤が人々を救うサイケデリック市場の可能性 Session: Reporting on the Corporatization of Psychedelics
マジックマッシュルームに含まれる幻覚成分シロシビンが米国の一部の州で合法化されるなど、これまで危険な薬物として禁止されていたモノを人々に有用な形で役立てるといった発想の転換が起きています。10年前の大麻市場のように、これからのサイケデリック市場の盛り上がりを予感させるセッションでした。
②好きな音楽を聴くだけで実感できるリラックス効果 Customized Healing Music by Alphabeats
脳波を測定する事で、再生している曲の周波数をリラックスしやすいように自動的に変えてくれるというサービス。好きな音楽を聴いてリラックスするという個々の感覚をデータ化し、科学的に更にその効果を高めてくれるのであれば是非利用してみたいサービスです。
③VRヘッドセットが人々を苦しみから救うアイテムに Psychedelic VR Gaming by Andromeda Entertainment
VRヘッドセットを着けてサイケデリックな映像を見る事でメンタルヘルスを改善できるというVRゲーム。どんな場所でもすぐに現実逃避できるアイテムとして、VRヘッドセットは過酷な現実を辛い環境で生きる人々にとっての救いになるでしょうか。
数ある事例から兆しを抽出し、未来のコンセプトをつくる
VISIONGRAPH Inc. / 未来予報株式会社は、イノベーションリサーチとコンセプトデザインを強みにした未来像{HOPE}をつくる専門会社です。
SXSW Japan Officeとしても活動しています。
世界のイノベーティブな事例のリサーチや、コンセプトや戦略の設計、Futuristによる講演・勉強会の開催など、お気軽にお声かけください。
ご相談はコチラから。
また、未来を予報するスキルを身に着けるオンライン講座「未来予報アカデミー」も開講中です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?