建設業界の外に出てから建設業界に思うこと。建設とITとDX

大手ゼネコンを退職し、建設業界の外に出てからはや半年、新しい生活にも慣れてきました。一級建築士ライターとして記事制作をさせていただきながら、施工管理アプリの開発支援、設備機器メーカーの技術資料作成支援、建設業界に関するヒアリング対応など、幅広くお仕事をいただいています。

お仕事では、専門である構造だけでなく、「業界を知る一級建築士」が持つ意匠・設備・施工などに関する知見が求められることも多い印象です。そんななか強く感じるのが、「建設業界は非常に閉ざされた業界である」ということ。「一級建築士という資格が専門性が高く取得が困難である」「建設会社があまり情報を発信しない」「建設業界が他業界に対してオープンじゃない」などさまざまな要因があると思いますが、「業界を知る一級建築士」が外に発信している情報はあまりありません。そのため、建設業界の外に出ると、中のことがわからないというのが現状です。

私は、建設業界が閉ざされていることで、建設DXが遅れてしまうのではないかと心配しています。建設業界は官民一体となって建設DXを進めていますが、そこではまだIT企業の存在が希薄です。DXというデジタルベースの革新を進めるにあたり、IT企業の協力は必要不可欠にもかかわらず、IT業界に歩み寄れていないようです。

一方、IT企業は建設業界を虎視眈々と狙っている印象を受けます。建設業界は非常に大きい市場を持っているにも関わらず閉ざされた業界です。インターネット上に教科書的な古い情報しかないことを見てもよくわかりますよね。正直なところ、建設業界にいたころも自分の会社以外の情報を入手するのは困難でした。そんな建設業界がデジタル技術を求めて門を開きそうになっていることを受け、電子メディア、ハード・ソフトウェア開発などのさまざまなIT企業が眠っている金脈を狙っています。

しかし、IT企業は建設業界へのアプローチに苦戦しています。大手企業ですら難しさを感じており、建設テックに携わるベンチャー企業は途方に暮れている印象すら受けます。まだ建設業界がオープンになりきっていないために、伝手もなく糸口を掴めないようです。お互いに手を取り合えれば建設DXはさらに加速し、両者にとって大きなメリットが生まれるように思います。

私は、建設業界とIT業界の橋渡し的な役割を担い、建設DXを進める力になりたいと考えています。建設業界の情報を知りたいIT企業からのヒアリングなどにも対応可能ですので、建設業界とIT業界の距離を縮めるお手伝いでできることがあればぜひお声がけください。もちろん、「業界を知る一級建築士」としての専門的な知見を活かした記事制作のご依頼もお待ちしております。

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