補選大分の見立てについて
選挙情勢については、何を書いてもどこかに迷惑をかけることになってしまうので、基本的には報じられた限りの内容をまとめるのを主としています。優勢と言うと気のゆるみにつながると怒られ、劣勢と言うと士気が下がると怒られます。そうしたなかでもある程度できるのが接戦区の指摘で、普段はそれを通じて自分の見方を少し示しているつもりです。
今回はやや踏み込んだことも書いたので、それを放言にしないよう、どこが正しく、どこを間違ったのかを残しておくことにします。ですからこれは何かを分析したり主張したりするのではなく、記録が主となる記事です。
ぼくが注目していたのは参院の大分県選挙区補欠選挙でした。衆院の方は、いずれもある程度の差がつくと考えていました。
大分についてはいくつかツイートを抜粋していきます。4月10日に書いたのは、大分放送の序盤情勢で吉田氏が「やや先行」とされたものの、自民の白坂氏の方に伸びる余地があるので、実質的には互角だということでした。
4月17日のこれは、大分放送が再度形勢に差をつけて報じたので、それはちょっと違和感があるということをほのめかしたつもりです。
ここ数年、接戦区では、自公が競り勝ち、野党が競り負けることがしばしば見られます。ですからこのような情勢報道の並びで、まったくの互角に近いものがあります。
競り負けは選挙戦の勢いの反映ですが、野党側は国政選挙で負けが続いており、ある程度、情勢報道が良いと喜んでしまうところもあるのかもしれません。情勢報道で喜んでもプラスにはならないので、競っているときや一歩リード、やや先行とされているときはぜひ引き締めを呼び掛けてください。
ところで情勢報道で扱われるのは選挙区全体の形勢です(「北部では~氏が優勢」「南部では~」などといった形で言及されることもありますが)。全体の形勢が互角だといっても、細かく見ていけばどこでも同じように競っているわけではありません。その様子は、ある程度なら事前に描き出すことが可能です。
描き出したら何なんだという話もありますけれど、このときの大分はとても緊迫した優劣食い合いの接戦だったので、その優勢なところと劣勢なところがバランスを取った結果トータルで互角になるんだというリアルを描くことには意味があると思いました。それで出したのが次の図1です。すぐに比較できるように選挙結果も図2に示しました。
図1の推定では情勢の評価を言葉で書き込んでいますが、図2の選挙結果は得票率の差でそのまま塗り分けているので、かわりに市町村名を書いています。
図1には4つの市で読み違いがありました。豊後大野市は72票差なのでまだ僅差ですが、日田市、中津市、国東市は差があります。言い訳をしても仕方がないので、これは間違いと認めて今後に生かすよりほかにありません。
他方で大分市、別府市、竹田市、佐伯市、臼杵市などの評価がそれなりに的確だったのは一定の成果でした。ぼくは選挙予測というよりも、選挙結果から社会の姿を読み取るほうがメインではあるのですが、予測力はもたなければならないというのはやはりあるので、改良していくつもりです。とはいえ今の社会の問題を議論する方がよほど大事なことだと考えているのですけれども。がんばります。
2023.04.30 みはる