国際卓越研究大学認定について

東北大学が唯一認定されましたね。
研究に携わる身として、この制度は非常に興味深くみていました。

この記事によると、初年度100億円、以後25年にわたって助成があるということです。
莫大なお金、長期間ということで大学変革には十分なお金だろうと思います。

また、従来の教授をトップとした講座制から教員それぞれに学生、研究員を配置して研究を進める制度にするとのことです。
企業に似ていますね。
こうすることで、フットワークが軽くなりますし、新たな発想の研究テーマも始めやすくなると思います。

私個人の感想をいえば、東北大学に取ってもらってよかったなと思います。
企業で共同研究のプロジェクトリーダーとして複数の大学と協業した経験や内情を知っている身として東北大学は非常に良い印象を持っていました。
東北大学はオープンイノベーションに力を入れていて、企業との協業に積極的ですし、TLOもがめつくない点が企業としてもかなり協業しやすいです。
当然、大学の運営上、大学の利益確保を最優先にすることは当然ですが、あまりにガチガチにやると企業は引いてきます。
トップクラスの大学で散見されています。
東北大学はその点、OIを熟知している人を入れている印象があります。

ただ、中身の質、学生だったり研究員だったりはまだその枠組みのレベルに追いついていない印象があります(ごく一部だとは思いますが)。
今回の認定で有力な人材の確保もできますので、今後のさらなる発展に期待ですね。

私が筋違いと思う指摘として、ガバナンスを第三者機関や国がすることによって大学の自治が失われると言う声があります。
大体アカデミアの先生です。
まず、あなた方が獲得している科研費も国の制度ですよと思います。
上の論理なら既に自治は犯されていることになります。
また、国立大学法人として、運営を大学に任せた結果、日本全体の研究力が低下しているのにもかかわらず、なぜ国が大金を叩いて大学に自由にやらせるでしょうか?そんな訳ないですよね。
教授のポジションで研究を自由にされるのはいいですが、それならば大金を配ってくれる国のやり方に文句を言う筋合いはないのかなと思ってしまいます。

人それぞれ考え方は違いますが、一研究者として、今回の取り組みを皮切りに日本全体の研究力が向上していくことを願います。

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