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イチゴを知り尽くす!①(農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。最近、イチゴに関する記事を掲載していますが、今回は「イチゴを知り尽くす!」と題して、イチゴとはどのような植物なのかについて書いていきたいと思います。イチゴ栽培に関しては何度か記事を書いていますが、そもそものイチゴの生態についても知れば、もっとイチゴが好きになるに違いありません。

イチゴってメロンなどとは違ってある程度身近で馴染みのある植物ですが意外と知らないことがあることに気づくと思います。少し学術的なことも含みますが、気楽に読んでみてください。

〇イチゴの植物体としての構造
イチゴの葉は 3枚1組の複葉で他にもクラウンと呼ばれる短縮茎と根があります。 これが植物としての基本構造です。
通年栽培をした場合、主枝から年間 20~30枚の葉が出て1枚の葉の寿命は50~100日とされています。
葉の付け根 (葉腋)には脇芽である側枝ができます。側枝は花芽分化の時期には脇芽ですが、 高温や長日条件では脇芽が伸びて繁殖器官である「ランナー」となります。
ランナーには 2、3節ごとに小さな苗ができ、通常はこれを子苗として 次の栽培に利用します。



〇温度と光の要求量が少ない
イチゴの生育適温は15~25℃と果菜類としては低い方です。光飽和点も低く 、一般的には20~30 klxです。ちなみに果菜類の光飽和点はトマトで 70klx、きゅうりは50~60klx。
イチゴは弱い光に耐えられる植物といえます。

果菜類が実をつけるスタートは花芽分化です。
花芽分化の条件の違いでイチゴ品種は2つに分類できます。低温・短日で花芽分化するのが 一季成り性イチゴ、長日でも花芽分化するのが四季成り性イチゴです。
一季成り性イチゴの主な品種としては「章姫」、「紅ほっぺ」、「あまおう」、「とちおとめ」「まりひめ」「古都華」「スカイベリー」などが挙げられます。
四季成り性イチゴの主な品種としては「夏実」、「すずあかね」、「なつおとめ」、「サマーリリカル」、「よつぼし」、「サマープリンセス」などが挙げられます。

品種名を見てもわかるように、日本で多く栽培されているのは一季成り性イチゴです。

中には両方の性質を持つ品種や比較的高温・長日で 花芽分化する一季成り性品種もあります。こうした性質は株の齢や大きさにも影響を受けて若干変動します。3ヶ月近く育苗した苗は環境の影響が少なく小さな苗は温度や日朝の影響を受けやすいと言われています。イチゴは休眠や栄養成長も日長と温度の関係によって制御されます。そのため特異な作型を持つ野菜なのです。

四季成り性品種一覧(一季成りは多いので省略)



これから何度かに分けて「イチゴを知り尽くす」を掲載します。
ぜひ続けて読んでくださいね。


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