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気象情報を活用しよう! (農業)

こんにちは。農業経営サポーターの小川隆宏です。今日は暑さ対策について述べていきたいと思います。

世間的には4月中旬といえば過ごしやすい時期ですが、農業ハウスの中では急激に日射量も増えて、すでにかなり暑い状況になっています。5月からは日射量だけでなく気温もドンドン暑くなっていきますので、早めに計画的に暑さ対策をしておく必要があります。

気象庁でーたより加工 2022年の大阪の日射量と気温の月別推移

上のグラフからもわかるように3月から4月にかけて気温の上昇はさほど上がっていませんが、日射量が急激に増えます。そして4月~7月にかけては日射量はあまり増えていませんが、今度は気温が急激に上昇します。
日射量を見ると4月は既に7月・8月と同等レベルに達しているんですね。
光合成管理ではこの4月というのは大事なポイントになります。

が、今回の記事は暑さ対策。

4月以降は急激に気温が上昇しますし、特に農業ハウスではその変化が外気温以上に激しくなります。そのため、これから先の変化を予測しながら早めに暑さ対策をしておくことが大事です。

暑さ対策を考える際には①栽培への影響(収量・品質への影響)、②労働者への影響の2つの視点で考えるようにしてください。

① 栽培への影響
(収量の低下)
一般に高温になりすぎると光合成速度が低下し合成される同化産物(糖)の量は減少します。また呼吸速度は高温になるほど増加しこれは糖の消費を増やすことになります。
収穫量は合成された糖と消費された糖の差である余剰分が植物体内で生長に充てられるわけですから、光合成量と呼吸量の差分の純光合成量が重要で、暑くなると光合成量は減少、呼吸量は増加という状況ですので、植物の生育に充てられる純光合成量は減少し、収量が減るということになります。植物により違いはありますがだいたい35℃以上になると純光合成量は大幅に減少します。また純光合成量だけでなく植物自体が暑さの限界点を越えると生育不良が発生し、発芽不良、生育遅延、しおれ、葉焼けなどは発生します。

(品質の低下)
高温下で生育した葉茎菜類は品質低下も生じます。変形や芯腐れが発生したり鮮度が落ちやすかったりします。果菜類は着果不良、裂果、裂皮などが発生しやすくなります。

② 労働者への影響
労働者への影響はいうまでもなく熱中症です。体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こすので要注意です。

<暑さ対策>
 施設栽培では栽培の視点からは以下の対策をすることが有効です。

〇光による暑さ対策
外部遮光、内部遮光などで熱線を遮る。ビニール表面に遮光剤を塗布することも有効です。熱線カットフィルムなども各社から様々なものが出ていますので検討してみてください。
・遮光剤
レディーヒート:https://www.toyotane.co.jp/products/001850.html
Q2ホワイト:https://inochio.co.jp/products/horticultural-supplies/3

・熱線カットフィルム
 青天張:https://crossmining.smm.co.jp/co-creation/nir_absorbing_materials_01/
 POクール:https://www.miyata-bussan.jp/shop/vinyl/po-kinou/pocool.html

〇空気管理による暑さ対策
屋根散水は数℃程度、室内気温を下げる効果があります。暑くなった空気を強制的に浮須外に放出し外気を取り込む強制換気や気化熱を利用する細霧冷房、パット&ファンもそれぞれ数℃~5℃程度気温を下げる効果があります。この他に、温度自体は下げられませんがCO2施用することで樹勢を維持したり、夜間冷房で夜の呼吸による糖の消費量を抑えることでも生産性を維持することができます。

〇品種選びによる暑さ対策
A.単為結果性品種の採用。
ハウス内が暑すぎると花粉の稔性も低下するのに加えて、受粉のためのハチが飛ばなくなるため着果率は著しく低下します。そのため単為結果性品種を導入するのも有効です。
・パルト:https://yoshinari-seed.co.jp/item/akimaki272/
・エコスイートミニトマト:https://www.e-taneya.com/item/12794.html
・リモーネドルチェ:http://www.hk-int.jp/catalog/item/detail/726
・ドルチェロッソ:http://www.hk-int.jp/catalog/item/detail/727

B.耐裂果性や着色良好な品種の採用。
トマトなどは高温下において着色性、裂果耐性において品種間差があります。高温時の清算に適した品種選択も基本技術の一つです。

桃太郎ワンダー:https://www.takii.co.jp/tsk/saizensen_web/cultivation/tomato/index.html

C.台木
高温期には根の活性の低下により生産性が低下します。強勢台木に接ぐことにより生産量の維持が可能となります。
・スターク:https://www.takii.co.jp/tsk/saizensen_web/cultivation/variety_selection/
・グリーンフォース:https://www.jeinou.com/information/2016/01/07/091300.html

〇品質の維持
高温期のトマトは呼吸により糖が消耗され味が落ちます。トマトでは夜間冷房により夜の呼吸量を減らし、糖の使用量を減らすことで、糖度が維持できます。このほか裂果防止剤や酸素供給剤も高温時に効果があります。
・裂果防止剤
フルメット液剤:https://www.i-nouryoku.com/prod/search/nouyaku/detail/5/375

・酸素供給剤
オキソパワー5:https://www.takii.co.jp/tsk/saizensen_web/oxo-power/
MOX:https://www.minotta-store.com/products/details/19

労働者の視点からは以下のことに注意しましょう。

〇作業に適した服装の選択
農作業では事故を防ぐために暑くても長袖、長ズボンが基本です。ですから通気性、伸縮性のある素材のものやUVカットのものを着用するようにしましょう。また最近ではファン付きの作業服もあり、非常に効果があります。

〇作業時間・シフトの工夫
1日のうち暑さのピークはだいたい11時頃から14時ごろです。特に気温が上がっているときはこのような時間帯を避けて業務シフトを組むことが大切です。また気温だけでなく湿度の高い状態も危険ですのであわせてシフトを考えるようにしましょう。

暑さ対策のミストシステム

【問い合わせ】
TEL 080-3396-5399
MAILt.ogawa19720117@gmail.com

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