【アンケート後編】キャリアに悩んでいる時にあったらいいなリスト公開
前回、『社会人のためのキャリア教育アンケート』の結果速報前編を書かせて頂きました。
早速ですが、今日は後半の部ということで、『社会人になってから、キャリアについて、一番『深く』悩んだこと』について、アンケート結果を共有していきます。
社会人になってから、ご自身のキャリアについて、一番『深く』悩んだ時期はいつですか?
こんな感じでした。最初に悩むのは社会人3年目までで約70%でしたが、『深く悩んだ』のはその後4~15年まで幅広くという結果です。回答選択肢の期間が均等ではないので、冷静に見ないといけないですが、ざっくりと言えば26~37歳くらいの10年がキャリアの沼に突入する魔の10年というところでしょうか。沼から引き上げてあげたい!
どんなことで悩みましたか?
「自分のキャリアビジョンが見えない」と書いている方がとにかく多いですよね。でも、そりゃそうですよね。
大手企業にいれば異動や転勤も多いし、VUCAの時代なのでここから自分の会社がどうなるかも分からないし、回答項目でもある「仕事内容」も機械に代替されるかもしれないし、今の仕事にやりがい感じられないからこのままは嫌だと思っているけど、かといって、他にやりたいこと、できることないし。。。みたいな感じで、キャリアビジョンなんて見えない。もしかすると見えないというより、見たくもないって感じなのかもしれません。
それはどのようなきっかけでキャリアの悩みがクリアになっていきましたか?
前編で書いた『最初に』キャリアに悩んだ時にそれをクリアしたのも、「転職・転職活動」が48%でトップでしたが、『深く』悩んだに対しても「転職・転職活動」がトップでした。
僕が人材ビジネスに踏み入れた16年前では考えられないくらい、「転職」が当たり前になってきているし、一度きりの人生を前向きに生きるためのソリューションになっているのかなとも思いました。
その他は、「自分で考えた」結果、「やりたいことが見つかった」り、「仕事の成果が出た・面白くなった」というところに繋がっていったのかなと思いました。あと、「社外の方の影響」が25%と、上司・同僚・友人・家族よりも大きくなっています。社内で同質化されたところにいても悩みが解決できないことも、社外の人からすると全然違うアドバイスをもらえることもありますよね。なので、この深く悩んだタイミングで、社外に相談できる人、場所があると本当にいいんだろうなと思います。
アンケート見てても感じたのが、「転職エージェントへの不信感」で、私自身、リクルート時代からずっとエージェントやっているのでちょっと悲しいのですが、転職ありきではなく、フラットにキャリアの相談に乗ってくれることが、求められていると思います。昨年出した著書「人材業界の未来シナリオ」でも書きましたが、人材業界はこれから転換期になっていくとおもいますし、その時、カスタマー起点でビジネスモデルを組みなおせるかが勝負所になってくるのではないでしょうか。
『深く』キャリアに悩んだ時のエピソード(抜粋)
回答して頂いた年代が幅広かったので、この抜粋は現在20~34歳の方の回答に絞ってあります。
【仕事の意味を感じない】
なんでこんなに仕事頑張っているのか分からなくなる
誰に何の価値提供をしているのかよくわからなかった。
なんのために、なにを目標として仕事しているのかわからなくなり、やる気が出なくなった。
会社の方向性と自分の希望に徐々に乖離
2児の母となり時短勤務だと責任ある仕事が任せてもらえない、家事育児はバタバタ、何のために仕事してるのか分からなくなる。
子供に誇れる仕事を当時は出来てる自負が無かった。
【多忙すぎる・健康不良】
忙殺され成果も出ず心身の健康を大きく崩した
残業が120時間くらいになり、さすがに体がキツくなった
同僚が鬱で辞めていく姿
中学生のいじめのような、上司のパワハラに悩まされていた。
離職率70%近い職場
社員を大切にしないやりかた、思考性が普通になじむことが怖かった。
【仕事内容・会社の状況】
裁量が小さかった
市場がシュリンクしていくので、このままで良いのかなという不安
会社の既存事業が先細りになっているのは明らかなのに、代わりの事業に対する投資をしない。
経営層に近い立場にいることで、人材育成に関する価値観の認識にズレを感じており、自分の作りたい社会とあっているのか?ということにモヤモヤしている。
営業から人事になったタイミング
大手企業からベンチャーに飛び込んだものの自分の考えが甘いものに気付いた。
仕事の幅が広がらず、成長が感じられなくなった
独立するか転職するかで悩みました。
【ロールモデル・ライフスタイル】
周りの上司や先輩に憧れを抱かないとき。
結婚などのライフスタイルの変化、長期的に見た時にどう働いていきたいのかに悩んだ。
いつ転職すべきかタイミングで悩んだな。
関西出身ということもあり、関西に帰るかこのまま東京で働くのか、というのに迷いました。両方とも道があると思っていたので。
【評価されない・希望が叶わない】
マネジメントに上がれなかった
会社と自己評価との差異に疑問を感じ、転職活動をしました。
こちらは『深い』悩みだけあって、読んでてズシンときます。「仕事の意味を感じない」はここに抜粋した以外にもたくさんのコメントがありました。私自身、「今の仕事の意味付けをすることが大事」ってよく言っているのですが、読んでいる限り、意味付けすら難しい「そりゃ嫌ですよね」ってことが多かったのが印象的で、これが「転職」に繋がってくると思いますし、転職でここがクリアになるのであれば、いい転職と言えますよね。一方で、転職できない、しないという場合は、これとずっと向き合っていかないといけなくて、なかなか仕事を楽しむのは難しそうですね。。。割り切ってやるしかないのでしょうか。。。
あと、「忙殺・健康不良」系のお悩みも多かったですね。残業時間が多いフィジカル系もあれば、プレッシャー、パワハラ等によるメンタル系もありました。これについては、自分自身も若い時はずっと働いていた、働いていたいタイプだったので、なんとも言えませんが、健康第一は間違いないです。体は正直なので、フィジカル、メンタルに支障をきたすようであれば、改善しないといけません。これも自分では変えられなかったりするので、相談できる人が近くにいるといいのですけどね。
キャリアに悩んでいた時に、こんな機会、出会い、サービスなど、あったらいいなと思うことはありますか?
【メンター・社外の人・ロールモデルとの交流】
自分に近いキャリアをもった先輩との会話。キャリアモデルとの出会い/相談できる社外の人間と繋がれるサービス
いろいろな経歴のある社会人にフランクに話せるサービス(OBOG訪問のようなイメージ)
人生のメンターがいたらいいなと思う。様々な人のキャリア形成・人生設計の仕方や実績をされるプラットフォームがほしい。
気になる会社、職種の人と話して、刺激やきっかけをもらえる何か/視点が高く、幅広い知識を持っている相談できる兄貴分的な方。
転職するしない問わずどういう風に思考を切り替えて現職にコミットすれば自分にとっても組織にとってもメリットがあるかを一緒に考える場
5〜10歳上のいろんなタイプの働く女性の先輩に会いたかった/社外で活躍されている方とお話しできる機会があればいいなと思います
気軽に同年代の方と語り合えるようなクローズドな環境やサービス/気軽に相談できるキャリアメンターのような存在
多様な価値観に触れられる事/いろんなロールモデルが知れる機会・自分と向き合う機会
「自分と似た」バックグラウンドをもっているけれど、全然違うジャンルの仕事・生き方をしている人とのマッチングサービス
【転職相談ではなくキャリア相談】
客観的にキャリア相談/似たような悩みを解決した方との対話サービス/社外のお悩み相談
中立な立場からのキャリア相談/経験を積んだ方から第三者目線で、長期的なキャリアプランについてアドバイスを頂ける機会。
転職を経験された方の話を聞いてみたい
【カウンセリング】
壁打ち相手は欲しい、ただそれはアドバイスというよりも寄り添い型/悩んでる段階に合わせた相槌をうってくれる信頼できる人をがいたら嬉しい。
【コミュニティ】
「自己啓発」ではなく、もっと自分の殻を破り、本性を出せるような場。
バーのように気軽に集まれるコミュニティで、色々な畑の人と語れる場所。
他社の同世代社員とのコミュニティ/社外の人との交流の機会
経営者(過去に経営していた方を含む)との交流機会/経営者やにインタビューできるサービスがあると嬉しい。
【副業】
社会人インターンができたり、気軽に副業で関わることが出来ると良いと思う
副業はある種「それをできる事が分かっている人」が手をつけられるような気がします。
その分野に関して新人でもチャレンジできるような「副業新人」枠で、仕事の応募があると良いなと思います。経験を積むために。
【キャリア教育(学ぶ)】
キャリアについての思考が弱い人にとって、壁打ちだけではなく考え方などのインプットもしてくれる機会があるといい
他社の方と共に学べる場/職種関係なく、キャリアの考え方を学べる機会(オンライン学校)/社外指導役
【社内】
飲みながら話を聞いてくれるよい先輩
キーワードは「社外メンター」なんでしょうね。それはコーチングでも、エージェントでも、コミュニティでも、ビジネススクールでも、友人でも先輩でも、いいんだと思いますが、悩んだ時に、広い視野(社内だと狭い)で、フラットに相談に乗ってくれる人、場所が求められていると感じます。
最近はコーチングも、社外メンターもいろいろなサービスが出てきているので、もっと活用してみてはいいのかなと思います。キャリアカウンセリングもせっかく国家資格が出来たのだから、もっと気軽に受けられる場があってもいいと思うのですが、一方でビジネス側から見るとこれで食べていけないし、キャリアカウンセラーの人自身が結構キャリア悩んでますね。。。
宣伝ではないのですが、私がやっているミライフでは、創業時からビジネスモデルをカスタマー起点で作ってきたので、これに近いサービスを、質高く出来ていると思っています。まだまだ影響力は小さいのですが。。。
個別キャリア相談も、スクール形式でのキャリアクリニックもやっているので、ご興味ある方はいつでもご相談ください。
最後に・・・
前編、後編2回に分けたのにもかかわらず、今回も長くなってしまいました(涙)最後まで読んで頂いた方、本当にありがとうございます!
「社会人のキャリア教育」というテーマで、日々いろいろ考えているわけですが、ホント何から手を付けていいのか?と途方に暮れる日々です。
なので、弱小ミライフという1企業で閉じて考えるのではなく、社会課題に本気で向き合う仲間とプロジェクトという形で、やれることからコツコツ進めていって、数年経ったときには、社会に対していい影響が果たせたらいいなぁと妄想しています(笑)
このPJにご興味ある方は仲間になってほしいですし、応援してもらえると嬉しいです。引き続き、宜しくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?