IMF専務理事、世界経済「数カ月前より悪くない」~景気に楽観論、金利は高いまま~【日経新聞をより深く】
1.IMF専務理事、世界経済「数カ月前より悪くない」
昨年末に広がった世界景気への強い警戒感は弱まっているようです。
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2.米金利は高いまま
2月1日に控えるFF金利の発表は、0.25%の利上げということで、スローダウンしそうですが、金利の低下にはかなりの時間を要するというのがFRBの見通しのようです。
こちらも併せてご一読ください。
3.米景気後退はハードランディングかソフトランディングか
世界経済フォーラム(ダボス会議)での各国、各機関のリーダーの発言は景気に対して楽観論でした。FRBの理事のウォーレン氏も米景気の「ソフトランディングは可能」との発言でした。
米経済の行方が最も世界に影響します。その米経済は、景気の冷え込みを示唆する数字が出てきています。果たして、ソフトランディングで落ち着くかどうかが焦点です。
全米不動産協会(NRA)が20日に発表した2022年通年の中古住宅販売件数は前年比17.8%減の503万戸となりました。通年の販売戸数としては14年以来、8年ぶりの低水準となっています。原因はFRBの金融引き締めに伴い住宅ローン金利が上昇したことです。
ただ、この住宅ローン金利も一時よりも低下しており、今後のインフレの様子、金利がどこまで上がり、どこまで高いまま維持されるかという問題に左右されます。
米グーグルは20日、世界で約1万2000人の社員を削減すると発表しました。持ち株会社である米アルファベットの社員の約6%に相当する規模となります。昨年2022年11月にメタが約1万1000人を削減すると発表、マイクロソフトも約1万人のレイオフを発表。IT大手にもレイオフが広がっています。
FRBは18日ベージュブック(地区連銀経済報告)を発表し、2022年11月末以降の米経済の成長を「横ばいだった」と総括しました。多くの地区で「供給網の混乱が幾分和らいだ」との報告があった一方、全体として事業者は「今後数か月の経済成長の見込みは薄い」と予想しています。需要の減退が目立つ半面、採用難を恐れ人員削減をためらう事業者が多くありました。
米経済がハードランディングか、ソフトランディングか微妙な状況に入ってきているようです。
1月は24日にPMI(米製造業購買担当者景気指数)、26日に2022年10月~12月期のGDP、27日に12月の米個人消費支出の発表があります。そして、1月31日から2月1日にFOMCです。
米経済、世界経済は分岐点にあるようです。
未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】
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