【日経新聞をより深く】ユーロ圏消費者物価10.7%上昇 10月、6カ月連続最高~猛威を振るうインフレ~
1.ユーロ圏消費者物価10.7%上昇
ユーロ圏のインフレが加速しています。中でもエネルギーは前月の40.7%から41.9%と高い伸び率です。
ECBは金利を引き上げたばかりですが、引き続き、大幅利上げが必要となりそうです。高すぎるインフレ率に対処するためには、景気後退が危機にあるにも関わらず、利上げをしなければならないという苦しい選択をしなければなりません。まさにスタグフレーションです。
2.世界のインフレ率
上図はフィナンシャルタイムズに掲載されたものです。
インフレ率が10%を超える国もかなりあります。中でもいくつか見ておきたいと思います。
10%超の国
ロシア14.2%/ウクライナ24.6%/ポーランド/ドイツ10.4%/ベルギー12.3%/オランダ14.5%/英国10.1%/トルコ83.4%/ミャンマー18.1%/パキスタン23.2%
8%~10%の国
米国8.2%/メキシコ8.7%/バングラディシュ9.1%/ポルトガル9.3%
6%~8%
インド7.4%/シンガポール7.5%/インドネシア6%/フィリピン6.9%/タイ6.4%/ブラジル7.2%/フランス6.2%/スペイン7.3%
4%~6%
韓国5.6%/ベトナム4%/マレーシア4.5%/イスラエル4.6%
4%未満
日本3%/中国2.8%/台湾2.8%/サウジアラビア3.1%/スイス3.2%
詳細は以下のサイトで見ることができます。
3.スタグフレーション
各国、インフレ率が上がる中、景気後退懸念が出ています。つまり、スタグフレーション(不景気の中の物価高)の可能性があります。以下の図もフィナンシャルタイムズ掲載の図を個別に見ておきます。インフレ率の上昇がGDPの成長率を上回っていることが分かります。
米国
英国
日本
イタリア
ドイツ
フランス
特にドイツは、GDPの成長率鈍化とインフレ率の乖離が激しくなっています。スタグフレーションに突入しているとみるべきでしょう。ただ、その他の国も、GDP成長率をインフレ率が上回っており、不景気の中の物価高となってきています。
世界景気の後退懸念と世界が一斉にインフレ率上昇、この事実は知っておくべき現実ではないでしょうか。
未来創造パートナー 宮野宏樹
【日経新聞から学ぶ】