FPが「確定申告」を解説する!③メルカリ等のネットオークションでの収入
前回で②副業のある人の確定申告について取り上げましたが、その中でメルカリ等のネットオークションについての質問が多かったので、続いて取り上げました。
基本的には税金はかかりません
メルカリのHPの「メルカリの売上は確定申告が必要ですか?」には、「洋服や生活用品等の不要品を売却した収入は、所得税の課されない譲渡所得となるため基本的に課税されません。(1点30万円以上の貴金属、美術品等の売買による所得は所得税の課税対象となります)」とあります。
これは全くそのとおりです。
不要となった生活用品を個人として販売する場合には、税金はかかりません。
①ただし、30万円以上のものは生活用品とはみなされないのでこれには気を付けましょう。
②また、たとえば、中古の服を仕入れてそれを販売するというようなことを継続的に行っている場合には、不要品販売とはいえ商売とみなされてしまいますので、この場合も税金がかかってくるおそれがあります。
したがって、自分が使っていた生活用品を、1点30万円を超えない金額で販売する以上は、それを何回もおこなっても、合計していくらになっても税金はかかりません。これは、メルカリ以外でも同じです。
税金がかかる場合
分かりづらいのは,メルカリのHP(「メルカリの売上は確定申告が必要ですか?」)に続けて書かれている次の文章ですね。
”また、所得税の課税対象となる譲渡所得が生じた場合には、所得税(国税)の確定申告が必要になることがあります。
給与所得がある方:20万円以上の利益(所得)が生じた場合
給与所得がない方:48万円以上の利益(所得)が生じた場合”
ここで確定申告が必要になってくるのは、あくまでも個人の方が自分の生活不要品を販売した場合ではないときです。
たとえば、1点30万円を超えるような商品を販売した場合です。
ただし、ここでいう20万円以上(48万円以上)というのは、売上金額ではなくて、「利益」、税金でいうところの「所得」になります。
「利益(所得)」というのは、売上から必要経費を引いた残りです。
ケース1
たとえば、100万円で買った高級時計を、不要になったので80万円で売り、発送費用(梱包代、配送料)に1千円かかった場合
100万円で買ったことと発送費用(梱包代、配送料)は、必要経費になります。
そこで、80万円(売上)ー100万円(必要経費)ー1千円(必要経費)=▲19万9千円の赤字 となりますから、利益はありません。
したがって、申告の必要はありません。
ケース2
100万円で買った時計を130万円で売ることが出来、発送費用(梱包代、配送料)に1千円かかった場合
130万円(売上)ー100万円(必要経費)ー1千円(必要経費)=29万9千円(利益)となります。
次に、申告するかしないかは、その人がほかにどういう収入を得ているかによって変わってきます。
①サラリーマンであれば、副業で20万円以上の利益(所得)があったことになりますから、申告が必要です。
②ほかに収入がない人であれば、48万円が基礎控除されますので、先ほどの29万9千円の利益から48万円を引いた残りがマイナスになりますから、利益(所得)がないものとされますので、申告はしなくても大丈夫です。
副業と確定申告
20万円以上(48万円以上)という場合のこの金額は、ネットオークション以外にも副業がある方は、その金額も加算して判断されますので、ご注意ください。
たとえば、ブログやHPのアフィリエイト収入もありますよ、という場合にはその利益も加算されます。
ここでも、加算されるのはあくまで「利益」ですから、必要経費を引いた残りです。アフィリエイトの必要経費としては次のものなどがあります。
①通信費:たとえば電話代、プロバーダー料金、インターネット接続料、ドメイン料金、レンタルサーバー料金
②手数料:報酬の振込手数料等
③製作費:有料画像の使用料、フォント購入費當
ほかにもいろいろ考えられますが、そのアフィリエイトに直接関連したものでなければなりませんので、自宅でネット回線を普通に使っている場合には、そのアフィリエイトのためだけではないので、どこまでアフィリエイトのためかをはっきりさせなければなりませんから、ちょっと面倒ではあります。それに比べて②③は判断しやすいでしょう。
副業と確定申告については、前回の「FPが「確定申告」を解説する!②副業がある人」もまた、ご覧ください。
FPが「確定申告」を解説する!②副業がある人|Miraie-fp|note