タスク管理で必要な視点(鳥vs虫)
■タスク管理で必要な視点とは?
たくさんの仕事に追われて途方に暮れてしまうことはありませんか?あるは、たくさんの仕事を効率的に管理しようとして、やり方が分からずにモヤモヤしてしまうなんてこともあるかもしれません。このようなきに必要なのは、「鳥の視点」と「虫の視点」なのかもしれません。「鳥の視点」は数週間とか数カ月先の仕事の全体感を把握することです。「鳥の視点」がないと、仕事をたくさん抱え込んでしまうことや、あるいは仕事を忘れてしまうなんてことになりがちです。一方で「虫の視点」というのは、今日明日で何をやらなくてはいけないのかをしっかり把握して、効率的に仕事をこなしていくことです。
タスク管理が上手くいかないのは、「鳥の視点」と「虫の視点」どちらか一方だけで管理しようとする場合です。「鳥の視点」だけで管理しようとすると、先々どのような仕事があるのかを把握することは可能です。しかし、今この瞬間になにをやるべきなのかについて、把握することが難しくなります。ですから、仕事の優先順位を間違えて、一日の終わりころに思い出して、夜中まで作業なんてことになってしまうかもしれません。また逆に「虫の視点」だけで仕事をしていると、1ヶ月後、2ヶ月後の仕事を把握できないので、忙しい時期に色々な仕事を抱え込んでしまって、パンクしてしまうということになるかもしれません。あるいは、今は忙しいのですが、数カ月後に急に暇になってしまって、仕事が途切れてしまうなんてことになるかもしれません。
このように、タスクを効率的に管理するためには、「鳥の視点」と「虫の視点」の両方を持ってタスクを管理していくことが必要になるのです。しかし、これを同時やるというのは、やり方を知らないと途方に暮れてしまいますよね。今回は、仕事を効率的に進めるための「鳥の視点」と「虫の視点」の具体例をご紹介したいと思います。まずプロジェクトマネジメントで体系づけられた手法があるので、それについてご紹介したいと思います。その上で、個人で仕事をする場合にどのように「鳥の視点」と「虫の視点」を持てばよいのかということについて、お話したいと思います。
■鳥の視点と虫の視点の具体例
プロジェクトマネジメントでよく使われるのは、マスタースケジュールとWBSというものです。マスタースケジュールとは、プロジェクト全体の数か月から1年以上のスケジュールの概要を1枚の資料で表現したものです。この1枚を見れば、プロジェクトの完了時期や途中の成果物を把握できます。そして、WBSはプロジェクト全体のタスクを細分化していくものです。誰がいつまでに何をやればいいのかを詳細に把握できます。プロジェクトの大小によってWBSの項目は数十項目から数百項目くらいになることもあります。プロジェクトマネジメントでは、マスタースケジュールが「鳥の視点」、WBSが「虫の視点」となり、効率的にプロジェクトを管理していくことが可能になっています。
プロジェクトマネジメントの手法を個人に置き換えて考えてみたいと思います。「鳥の視点」は数週間から数か月先までの仕事の予定を把握しておくことが必要です。そのために、プロジェクトマネジメントのようにマスタースケジュールのようなものを作成しても良いですし、テキストファイルで簡単なスケジュールを作成するということでも良いかもしれません。とくにかく、数週間から数カ月先くらいの期間で、いつまでに何をすべきかを把握できようにしてください。その上で、「虫の視点」として、タスク管理表を作成します。タスク管理表は、数日から長くても数週間くらいの間にやるべきことを列挙して、今日明日何をやれば良いのかを把握することが目的です。
以上のように、「鳥の視点」を持つことによって、仕事が忙しくなりすぎたり、仕事がなくなってしまったりという状態を防ぐことができます。また、長期的に仕事の計画を立てられるので能動的に自分から動いていくことも可能になります。しかし、「鳥の視点」だけでは、今日明日何をやれば良いのかということが分かりません。ですから、「虫の視点」をもって、タスク管理をしていくこともが必要になります。このように、「鳥の視点」と「虫の視点」持つことで効果的に仕事を管理することが可能になります。
(第47回 2022/2/15)