変われない人の特徴(時間の使い方を変えて自分を変えていく!)
■人が変われない理由
新しいことをしようと思っても始められないですとか、やった方が良いことは分かっているのにできないということありませんか?できない理由はさまざまだと思います。日常のやるべきことが多すぎて手が回らないですとか、時間がないですとか、自分には能力がないというような場合もあるかもしれません。しかし、新しいことにチャレンジして自分自身を変えていける人もいます。
この変われない人と変われる人の違いはどこにあるのでしょうか?一つの大きな違いは、時間の使い方にあると思っています。これから、時間の使い方を見直すための2つのお話をしたいと思います。
■ツボと岩
一つの目の話は、ツボと岩の話です。出典は定かではないのですが、2chの創始者のひろゆき氏も著書で引用しているものです。粗筋を紹介します。ある大学の教授が学生たちにした話だという設定です。教授が机の上にツボを置きました。そして、おもむろに岩を取り出して、そのツボの中に入れました。ツボの入り口付近まで岩を入れ終わって、次のように言いました。
「このツボは一杯ですか?」
一人の学生が答えます。
「ツボは一杯だと思います。」
それを聞いた教授は、ニコッと笑って砂利を取り出して、ツボの隙間に砂利を詰めました。ツボの隙間は砂利で埋め尽くされました。そして、教授はまた、学生たちに聞きます。
「このツボは一杯ですか?」
別の学生が答えました。
「今度は、ツボは一杯になったと思います。」
それを聞いた教授は、今度は砂を取り出しました。そして、サラサラとよく乾燥した砂をツボに入れていきました。ツボは砂で満たされました。教授は聞きました。
「このツボは一杯ですか?」
今度は、何人かの学生が答えました。
「いいえ、一杯ではありません。水が入ると思います。」
それを聞いた教授は、水をツボに注ぎ入れました。そして、ツボが水で満たされました。
ここで考えていただきたいことは、もし、ツボに水や砂や砂利を先に入れていたらどうなっていたかということです。すでに満たされているツボに岩を入れることは不可能です。教授は、水や砂や砂利というのは、日常の雑務で、それに追われていると、人生において大切な岩を入れることができなくなるということを伝えたかったのです。まず、自分にとって大切な岩に当たるものは何かとうということをしっかりと把握し、それに率先して取り組まないといけないということです。では、人生における岩とはなんなのでしょうか?
■時間管理のマトリクス
人生における岩とは何かを知るために有効となるのが、時間管理のマトリクスというものです。これは、「7つの習慣」という書籍に出てくる考え方です。時間を重要度と緊急度の2軸で4つのパターンに分類しています。
第1領域:高×高 (問題課題)
重要度も緊急度も高い領域です。災害が起こった時、病気や事故の時、重要な顧客からのクレーム対応などがこの第一領域です。
第2領域:高×低 (質が高い)
第二領域は、重要度は高いのですが、緊急度が低い領域です。大事なことなのですが、後回しにされがちな物事です。適度な運動、真に必要な人間関係の構築、勉強や自己啓発などがこの領域に当てはまります。
第3領域:低×高 (見せかけ)
重要度は低いのですが、緊急度が高い領域です。重要ではないメールやSNS、重要ではない会議や飲み会などがこの領域に当てはまります。
第4領域:低×低 (無駄)
重要度も緊急度も低い領域です。だらだらとした話、見せかけの仕事、単なる遊びなどがこの領域に当てはまります。
先ほどのツボの話における岩とは何かというと、第2領域のことなのです。第1領域のことは、差し迫った問題で対応せざる得ないものですので、時間管理においてはあまり意識する必要がありません。一方で、何も意識しないで時間を使っていると、水や砂や砂利である、第3領域や第4領域の事柄でツボが満たされてしまうのです。そして、自分を本当の意味で変えていくことのできる第2領域である岩をツボに入れる隙間がなくなってしまうのです。
■変えるための思考法
では、ツボに岩を入れる、つまり第2領域に取り組むためには何をすれば良いのでしょうか?それには、4つのポイントがあります。
①目標を決める
やはり、自分にとって、大切なものは何かを見極めることです。これは、年齢によっても変わるものです。しかし、1年後、半年後にどうなっていたいのかという目標は少なくとも必要です。1年後、半年後の目標を達成するために、今月やるべきことを10個あげます。そして、今月の目標を達成するために、明日やるべきことを3つ前日の夜に洗い出します。
②時間の天引き
目標が明確になれば、そのための時間をあらかじめ確保することが必要です。例えば、週末の1日は家族のための時間とするとか、朝の1時間と夜の1時間を将来の勉強のために充てるといった具合に「岩(第2領域)」をあらかじめツボに入れておく必要があります。日常の雑務は、岩の隙間に入れ込んでいけば良いのです。
③やらないことを決める
「岩(第2領域)」をツボに入れるためには、やらないことを決めることも重要です。とくに、第3領域や第4領域に当てはまるような事柄は、大胆に切り捨てることも必要となります。そのためにも、自分にとって何が大切なことなのを見極めることが重要です。
④ムリをしない
そして、最後にお伝えしたいことは、ムリをしないということです。時間の管理は続けることが何よりも重要です。頑張りすぎて、3日坊主で終わったら意味がありません。また、睡眠時間を削って体を壊してしまうことや、家族などの大切な人間関係を壊しては元も子もないのです。健康維持や大切な人間関係の構築は最も大切な「岩(第2領域)」であることを忘れないでください。
以上が変われない人が変われる人になるための考え方と方法です。ぜひ、参考してみてください。
(第4回 2021/4/13)