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伝わる資料の作り方

■資料作成の大切さ
 仕事において資料を作成する目的は、こちらが伝えたいことを相手に正しく伝えることです。この目的を達成できていない資料は、資料としての品質が低い、「伝わらない資料」といわざるえません。いくら情報をたくさん盛り込んでも、相手に伝わらなければ意味がありません。今回は相手に伝わる資料の作り方のポイントについてお話したいと思います。伝わる資料を作成するためには、3つのポイントがあります。
 
■伝わる資料の3つのポイント
①1枚のエグザマを作る
 まず、はじめのポイントは1枚のエグゼクティブ・サマリ(エグザマ)を作成するということです。何を伝えようと思っているのかを1枚にまとめきることが大切です。特に役員クラスの忙しい相手に対して、何かを伝える時には、伝えたい情報を極限まで絞り込み、且つ不足なく伝えることが必要です。このときに、1枚で伝えられるようにしておくことが求められるのです。また、1枚にまとめることによって、論理的なつながりや矛盾に気が付きやすくなります。伝えたい結論があった時に、それをサポートする理由や事実がしっかりと列挙されているかということを1枚であれば、チェックすることが可能になるからです。
 エグザマは、Why、What、Howで構成しましょう。Whyは背景です。なぜ、話を伝えようとする必要があるのか、あるいは、提案する事柄がなぜ必要なのかを示すことが背景です。Whatは何を伝えようとするのかという本題に当たります。調査結果の結論、提案、依頼事項など伝えたいと思っていることを記載します。Howは、提案事項や依頼事項に対する具体的なアクションやスケジュール感を示します。Howのパートは必要に応じて付け加えれば良いと思います。
 
②空のページを作る
 エグザマを作成した後には、空のページを作っていきます。空のページとは、タイトルとキーメッセージ(リード文)が記載されたページです。空のページの構成は、おおむねエグザマの箇条書き1行が1枚になるようなイメージで作成していきしょう。つまり、エグザマの1行、1行の詳細が語られている必要があります。ですから、空ページのタイトルは、エグザマの1行を簡潔に表している必要があります。また、リード文は、エグザマの1行がそのまま記載されているようなイメージです。
 
③必要な情報に絞る
 空のページを作成した後は、空ページのリード文をサポートする情報を記載していくようにしましょう。この時に大切なことは、必要な情報を過不足なく示すということです。リード文に書かれている内容が妥当だと伝わる情報を記載することが大切です。逆にリード文に記載されている内容以外は記載しないようにしましょう。
 
 以上のような手順で資料を作成していけば、伝わる資料になります。特に、エグザマにおいて伝えることを1枚にまとめきる段階で自分の頭が整理されていきます。1枚に箇条書きで記載していくことで、論理的な矛盾点や結論を導くために必要な情報が明らかになっていくからです。そして、エグザマを起点にして、空ページを作り、空ページのキーメッセージ(リード文)をサポートするような情報を集めることで、資料全体として、情報の過不足がなく、伝わりやすい資料になると思います。
 
(第85回 2022/11/21)

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