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第2期第2回ミライツナガル会議開催レポート2024.10.1〜「ベコシェアハウス」と移住コーディネーターの役割と価値を考える〜

福島県柳津町は町民参加のまちづくりを目指し「ミライツナガル会議(以下、ミラツナ会議)」を開催しています。2024年10月1日に第2期第2回ミラツナ会議が開催されました。「住宅政策」という前回テーマから一段掘り下げ、地域内外の若者が入居できる賃貸住宅不足問題の解決策として挙がった「ベコシェアハウス(仮称)」「移住コーディネーター(仮称)」について議論を深めました。

ミラツナ会議グラレコ(みらいくる作)

前回の振り返り

▶︎第1回ミラツナ会議の議論はこちらから

■小林功町長より

第1回ミラツナ会議の議論を振り返り、ファシリテーターである青森大学の石井重成先生から4つのターゲット候補があるとまとめてもらいました。一つ目は高校生向けの「べこ寮」。二つ目が地域の内外の若者が入居できるような賃貸物件「べこパレス」や「べこシェアハウス」。三つ目が地域の子育て世代を対象にした子育て支援の拡充。四つ目が西山温泉にリッチ層に向けた温泉付きの家の考案でした。役場で議論した結果、重要性や着手のしやすさという観点より、まず二つ目と三つ目から検討していきたいという方向性になりました。

第1回ミラツナ会議で出た議論
第1回ミラツナ会議で出た議論まとめ

■石井重成先生より

第2期ミラツナ会議では、メンバーから出た意見をきちんと整理する。そして、整理したことを役場で議論し、一緒に施策をつくっていきます。全体を通して、「見える化」や「わかる化」をきちんと進めていきます。

振り返りますが、子どもが高校に進学するタイミングで町を出ていってしまう課題へのアプローチが、ターゲット①の「べこ寮」です。

ターゲット②の「べこパレス」は、単身者がフラッと柳津町に戻ったり移住したりしたときに入居できる賃貸住宅のことです。そして、「べこシェアハウス」は、移住者と町民とのコミュニティを生み出せる可能性があるのではないかという議論になりました。

①〜④のターゲットと施策を図示すると下記のイメージになります。縦軸がエリアで、「地域外」と「地域内」があります。横軸は「単身世帯」「子育て世帯」「シニア世帯」というライフステージによって分けています。

ターゲット・施策の図解

本日のミラツナ会議のアジェンダ

(1)他自治体の事例共有
「べこパレス」「べこシェアハウス」「べこ寮」などを具現化していくにあたり、他の自治体での事例を共有します。取り組み内容を役場でリサーチしたので、この場で共有し、意見交換していきたいと思っています。

(2)「べこシェアハウス」を設けた際にどんな機能があるとよいか
「シェアハウスをつくろう」と言葉でいうことは簡単ですが、どうしたら人が集まるかはそう簡単なことではありません。まずは、ここにいる僕らが「気軽に立ち寄りたい」と思えるような場でないと交流は生まれません。どんな機能があったらよいか、どんなものを設置するとよいかを率直に話し合うことが事業に直結します。

(3)移住コーディネーターの役割
(2)を機能させるためにもどういった人材、あるいはどういった役割をもった人材が移住コーディネーターとして入ってくれるとよいかアイデアを出していきたいと思います。

みらい創生課より報告

■柳津町の移住施策まとめ

前回、「移住支援策一覧があるといいのではないか」と議論が出ましたので柳津町版を作成中です。洗い出しは終わっているので、年内には完成させたいと思っています。

「柳津町の移住支援制度等(仕事・住まい)」暫定版
「柳津町の移住支援制度等(出産・子育て・教育)」暫定版

■他の自治体事例

【福島県檜枝岐村】会津若松にある高校生向け寮
檜枝岐村が設けている高校生(中高一貫校進学の場合は中学生)が通える「尾瀬寮」が会津若松にあります。檜枝岐村役場にヒアリングしてまとめた内容が下記になります。

【長野県長和町】古民家改装の宿泊施設
地域おこし協力隊の2人がナワメ社という任意団体を立ち上げて、古民家をリフォームして短期・長期の人が利用できる宿泊施設を作っています。短期利用者と長期滞在者とで玄関を分けているそうです。令和5年度の実績は、短期利用者が3組、長期利用者が3組となっています。

【高知県梼原町】空き家利用と移住者の呼び込み
空き家の所有者が町に空き家を無料貸与します。町が国と県の補助金を活用し空き家を改修して、移住定住促進住宅として月額2万5千円で貸し出しています。所有者のメリットとしては、まず空き家を貸与することで管理を任せることができます。そして、回収して使った空き家が10年後には持ち主の手に戻ります。つまり、10年間で改修費をペイできるよう目処をたてて、3LDKを2万5千円で貸し出しています。単身者でも協力隊でも入居できるようにしており、年齢制限はありません。

また、梼原町には移住コーディネーターがいて、その方が移住者をサポートしているそうです。

ちなみに、福島県と高知県の違いは県が空き家改修の補助を行っているか否かです。高知県の場合には、改修費が一千万円だとしたら、そのうちの500万円が国の補助、500万円のうち250万円は県の補助となります。つまり、改装費が4分の1となり、250万円を賃貸借料で返せればよいという計算になります。

石井先生からのコメント
単身者が気軽に入居できる賃貸を設けているのが梼原町です。同様の施策を実施していく道は十分にありえると考えています。町で60件の空き家を改修して、そこに住むだけでも経済効果がありますよね。以前、地域おこし協力隊を100人採用する構想について話が出ましたが、改修した空き家があれば住居問題も解決しますよね。人を呼び込んでくる視点でも、空き家改修でも、筋がいい施策だと思います。

■役場における「べこシェアハウス」についての議論

現在、元民宿だった空き家を回収してシェアハウスにする案が出ています。まさに、空き家問題と移住増加の2つの問題を解決するアプローチだと考えています。

移住コーディネーターは、総務省の予算でひとりあたり350万円上限で財政措置がなされます。これを生活の基盤としながら、町に移住していただく方法もありえます。ちなみに、現在、町に住んでいる人が移住コーディネーターをすることもできます。フルコミットの場合が1人350万円で、副業の場合にも40万円が支給されます。

ミラツナメンバーでの議論

以上の報告を受けて、今回はターゲット②へのアプローチ掘り下げるべく、ミラツナメンバーで下記2つのテーマを話し合いました。

【お題1】
「べこシェハウス(仮称)」はどんな場所であってほしい?
どんなこと・ものがあると行きたくなる? 楽しめる? 交流できそう?


【お題2】
新たにつくる「移住コーディネーター(仮称)」には何をしてほしい?
どんな役割を担っていくのがよさそう? どんなことができたらおもしろそう?

チームになって話し合う中で、たくさんのアイデアが出されました。

【お題1】「べこシェハウス(仮称)」はどんな場所であってほしい?

アイデア一覧
・入りやすい雰囲気
・子どもが遊べる場所
・ワークスペース
・年齢関係なく遊べる工夫がある
・会いたい人がいる場所
・お茶飲み
・定期的にワークショップが行われている
・飲み物、Wi-Fi、電源がある
・近所のお母さんの手料理を食べられる
・柳津OBOGも集まれる
・地元の人から学べる講座開講
・スポーツ観戦や映画が観られるシアター機能
・飲み会ができる
・バーベキューができる
・本がたくさんある
・早い時間・遅い時間両方使える
・ひとりでも入りやすい
・手ぶらで行っても何か楽しめるものがある
・ゆるい公民館みたいな雰囲気
・年齢関係なく交流できる
・マルシェが行われる
・移住者の集会所      など

【お題2】新たにつくる「移住コーディネーター(仮称)」の役割とは?

アイデア一覧
・ワンストップで相談できる
・地域の情報提供や移住の情報提供
・町施策の情報収集
・地域の住民と顔を合わせる機会を作ってくれる
・ワークショップ、ゆるい飲み会などを開催できる
・人足に一緒に参加する
・移住者と地域の人とのマッチングをする
・「移住者の友達第一号」
・移住情報の発信
・地域の名人の紹介
・ちょっとした声掛けなど世話をやける人
・採れた野菜の料理方法を教えられる/雪のかきかたを教えられる
・話し相手になれる
・首都圏での発信をする
・町の魅力を発信する
・お酒を飲みながら相談できる
・住むのに必要な業者をたくさん知っている
・地区の風習を伝えられる
・地域のことは知りつつ中立的立場であれる    など

第2回ミラツナ会議レポートをご覧いただきましてありがとうございました! 次回は第3回ミラツナ会議の議論の様子をお届けします。

【今後のミラツナ会議もnoteにて発信していきます! ぜひフォローをよろしくお願いします】






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