目標が分かると「今」の見方が変わるよね(見守りという転倒防止対策②)
12/16のブログに投稿した
『見守りという転倒再発防止対策』
他のツールでも紹介していますが、
コメントや感想もたくさんいただきました。
書いてよかった❗
関心を寄せてくださった方、コメントをくださった方、読んでいただいた方、みなさま本当にありがとうございます😊
前回のストーリーに少し触れますと。。。
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女性の利用者さんに転倒事故。
そして立てた対策が
「転倒しないように見守りを強化しましょう」
それにしっくりしないかスタッフさんから
相談をいただきました。
「立てたのはいいけどしっくりこない」
という悶々とした気持ち。
ご相談の後、いくつかのポイントを踏まえて
お仲間と話してくださるなかで
アイデアやポイントが共有できたそう
『「1週間限定でヒヤリハット発見強化!とにかく日常をしっかりみよう」を
目的に「見守り強化」をする』ことになったところでした。
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それ以降自分たちで決めたことを1週間やり通してくださり、
現在地を連絡くださいました。
1週間みんなでやったことは「2つ」
①些細なヒヤリハットをとにかく出す →ヒヤリハットの感度を上げる
②とにかくどんなことでも気づいたことは共有する
→気づきはどんなことでも記録(メモ)に残す
これだけに絞ったそうです。
そのなかでスタッフさんの声、やりとりを教えてくださいました。
Q:見守り強化という対策を立てたけどどう思う?
「見守りばかりしていたら、そのうち全部の利用者さんが見守りになっちゃうよ」
「なんだか監視員みたい」
「転んでほしくないけど、利用者さんが動くたびに職員が走っていくのは違うと思う」
「そうそう。動くたびに人が飛んでくるのは自分だったら「なんで」って思う」
「見守りしないで対策できたらいいけどそんなことできるの?」
Q:1週間限定で集中してみてどうだった?
「立とうとしたらなぜか近くにいつも職員がいた。立つときに手を貸したりしていた」 →これって、転ぶ前からしてたねー
「そうそう。だって利用者さんが呼んでくれるもの」
「歩き始めたら安定してるんだよね」
「だけど立つのが難しそうなときは、一人で歩くのは怖いよ」
「でも気になるから立つときに近くに行っちゃうよね」
という話から
「だったら今回も、立つときとか歩き始める時に転んだんじゃないかなあ」と原因の一つにつながったそう。
Q:これからどうしようか?
「立つときが一番危ないから、立つときに対策がいるよね」
「立つのがしっかりしてたら、歩くのはいい感じだもんね」
「だったらさあ立つときが危なくなければいいんじゃない?
ひじ掛けの椅子にするとか
つかまって立てるものの近くで座ってもらうとか
すれば立つときに安全じゃないかなぁ」
「肘かけ椅子はかえって危ないんじゃない?
前で手がつかえないと」
そんなこんなで立てた対策が2つ
●対策①:
安全に立ち上がるために、机など支えになるものがある場所に座る
もしくは座った位置に代わりになるものを持っていく。
「それでも歩き始めて怖いときもあるけどそのときはどうするの?」
「そもそも歩行車とかいるんじゃないの」
「でも使ってくれるかなぁ」
●対策②:
今は一人で歩いてるけどそのうち難しくなる時くるし、歩行車を積極的に使っていこうよ
→ 歩行車を選ぼう
→ 最初は嫌だと思うからお願いして使ってもらおう
→ 慣れてこられたら椅子の近くに置いてみて、自分から使ってくれるかやってみよう
つまりこの2つ、環境を整えようということなんですよね。
今は環境を整えながら、スタッフがいないところでも
どこまで安全かを判断されるために、
また1週間注視していくことになりました。
この他にもたくさんたくさんの声があったそうですが
今はこの二つを進めていくことになったと
連絡してくださいました。
転倒防止対策にはいろんな方法もあるし
これで完璧というもはないし
人が動いている以上完璧はありません。
私はこのスタッフの方たちが自分の思いや気持ちから
主体的に具体的な対策に至ったことが素晴らしいと思います。
きっとこの方たちなら見守りなくても気持ちを切らないはず。
この度の結論は
①気づきや心配を言葉にする機会ができて皆が言葉にしあったこと
②何より、相談してくれた方が行動してくださったこと
③仲間に問いかけてくださったこと、よい関係で仕事されていたこと
そんなすべてが、この結論につながったと思います。
そして何より「利用者さんのために見守りを外す」という 目標をもたれたこと。
目標ができたことで、今の解釈が変わったんですね。
一度に見守りを外すのは不安だし危険だと思うけど、
きっと目標に向け段階的に進めていくことができると思います。
今回の大切なエピソードをいただきながら
なにかに提案につながったらいいなってひらめきました!
来年がんばってみようかな!
※最後まで読んでくださりありがとうございます。
本文にも書きましたが、ほかにも必要な部分もあろうかと思いますが、
エピソードとしてご理解いただければ幸いです。
また今回の投稿について、忌憚のないご意見もうかがえるととっても嬉し
いです。