介護職員×AI「マジ神AI」人工知能から指導や助言を受ける時代が直ぐそこに
もしかしてアナタの介護施設は、人出不足が原因でこんな悩みを抱えてはいませんか?
ケアや業務がまわらない
残業はあたり前(サービス残業もやっている)
休日出勤はあたり前
病気やケガをしていても休めない
利用者の「QOL」や「その人らしさ」に目を向けていられる時間がない
そんな中、国は2025年問題に備えて、介護施設の人員配置基準を緩和する方針を発表し、既にいくつかの施設で実験的に人員配置基準を緩和させる試みが図られています。
現場では、まだまだ人手不足でヒーヒー言いながら走り回っているというのに、どうして人員配置基準を緩和させる動きが出てきているのでしょうか。
実はこの緩和、介護×テクノロジー(ここからは介護テックと書きます)が期待されているからだということをご存知でしょうか?
こんにちは。
当ブログ運営をさせて頂いております、シュウイチです。
ここは、介護に特化した介護専門ブログです。
介護現場で働かれている方はもちろん、介護サービスを利用されている皆さん、そして介護現場のリアルや、この先の未来の介護現場を想像したいアナタに丁度良いブログだと思います。
今回の記事を読めば、介護テックを活用した介護業界の近未来を、少し垣間見ることができます。
介護職員×AI「マジ神AI」人工知能から指導や助言を受ける時代が直ぐそこに
人間は失敗をする生き物です。
ヒューマンエラー
ケアレスミス
これをポジティブに言ってしまえば、
「人間らしさの一部」だと言っても良いかもしれません。
しかし、介護現場は尊い人命を預かる仕事ですから、
スタッフのミスで事故が発生してしまうと、事業所としては頭を抱えてしまうわけです。
家族から訴えられれば、事業の存続を危うくさせられるほどの大変な事態になりかねません。
とは言っても、事故防止対策に躍起(やっき)になり、事故のない現場を夢みて突き詰めれば突き詰めるほど、人間には限界があるということを思い知るだけ…。
(´Д`)ハァ…と行き詰って、頭をかかえてはいませんか?
人への関わりがあればあるほど、そして関わる人の人生を左右する影響度合いが高ければ高いほど、ヒューマンエラーやケアレスミスは限りなくゼロに近づけたいのは分かります。
ただ、ここはハッキリと断言しておきたいと思います。
「ヒューマンエラーやケアレスミスはゼロにはできません」
もうそこはあきらめましょう。
最近ですねぇ、、こんな介護施設が話題になっているんです▽
ベネッセホールディングス傘下の「ベネッセスタイルケア」は、
~その人らしさに深く寄り添う~
を理念にして、全国に330以上のホームを運営し、さまざまな種類のホームを展開しています。
全国から寄せられる姉妹施設の事例を社内で共有することで、スタッフの人材育成にも力を注いでいます。
そんなベネッセスタイルケアは、今年の3月に東京新宿区で「グランダ四谷」をオープンさせます。
ここの施設の最大の売りが、
センサー方式を活用し、その利用者に合わせた認知症ケアに努める
というところです。
認知症が進行していくと、予想もつかない行動をとられる方は多いですし、
高齢者の方は足腰が弱くなっているので、転倒して骨折→車椅子生活
という未来を進まれる方は多いのです。
だからといって、施設内いたるところにカメラを設置され、自分の部屋にもカメラを置かれて、職員に監視される生活なんてあってはならないですよね。
そこでベネッセスタイルケアでは最先端の「センサー」が活用されるようになりました。
• 全部屋のベッドやトイレにセンサー設置
• 部屋に人がいるのかいないのか感知
•入居者に異常が起きた場合は「マジ神AI」と名付けられた人工知能が察知
そう、ここでようやく「マジ神AI」と呼ばれるベネッセ独自のIT技術の名前が出てきましたね。
マジ神AIとは?
→ ベネッセスタイルケアで働いていらっしゃる、認知症ケアなどの高度なスキルを持つ職員さんを「マジ神」という名前で認定する社内資格制度があるそうです。
マジ神と呼ばれる職員の数、およそ180人!!
そのマジ神の方々が、業務中での利用者対応や気付きなどをデータベース化し、AI(人口知能)に学ばせて誕生させたのがマジ神AIということです。
マジ神の人達が利用者さんの、
まばたきの数
首の筋肉の動き
表情筋
汗ばんでいるか
などを見ながら
「緊張している、疲れてきたな、排泄かな」などの判断ポイントをマジ神AIに教えるというような流れをひたすら繰り返しているのです。
(株式会社ベネッセコーポレーションの、グループDX戦略本部に所属するデータサイエンティスト等の人々も開発に関わっている)
✔ マジ神AIの実績
人間代表およそ160人の「マジ神」は実績を残しまくっているのですが、テクノロジー代表の「マジ神AI」はまだ実績がありません。
とはいっても、現段階のマジ神AIはデータ収集が今は仕事であり、実績があるかどうかの段階にはきていません。
それにしても、マジ神AIを教育中の人間代表マジ神の方々や、開発チームの働きっぷりは凄まじいですよね。
介護記録
やセンサーデータの情報を、マジ神たちが深く検証・考察して、導き出した答えを、AI(人工知能)のビックデータに根拠ベース、事実ベースで落とし込まなくてはならないのですから。
0→1にするまでの、マジ神たち含める開発チームの労力は大変だと思います。
しかしこの先の未来、マジ神AIがひとり立ちをして本格始動をして実績を出しまくっている頃に「マジ神AIの開発には自分も加わっていたんだよ」と、ドヤ顔できるのは間違いないですね (^▽^)/
✔ マジ神AIが本格始動する未来
「マジ神AI」が本格始動する未来をチョット創造してみました。
まず早い段階で、ネガティブな状況の要因となる「体調面の課題の特定」が実現できるようになります。
これはどういうことかというと、
例えば、
『普段は完食される利用者様が、今日は全く食べようとされない』
このようなケースの場合、
「よく眠れていないから」
「排泄量が少ないから」
といったように、われわれ介護職員は考えますよね?
しかしその考えは、憶測であったり、なんとなくであったりしていて、事実や根拠からではないことの方が大きかったりします。
このグレーな部分をマジ神AIは大きく変えてくれるんです。
事実や根拠をベースとした指導・助言を全スタッフに教えてくれるようになるということです✔。
✔マジ神AIが立ち入れない人間の領域
介護現場の未来について、想像を膨らましてみましょう。
2014年、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが発表した論文「雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか」において、20年後には今ある仕事の47%はなくなるという結論が導き出されれています。
次にありますpdfファイルは、いま話した論文
”The Future of Employment”
「雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか」
の全文です。
興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
私は、英語が読めないので astrohiroさんの和訳された方を読みました。
具体的には、以下のような職業はAIの発達により無くなってしまう職業だと言われています。
スポーツの審判やレジ係など、一定の基準により判断を行うことのできる仕事や、比較的単純な作業を行う仕事はなくなるとされています。
一方で、漫画家や教師、医師などクリエイティブな仕事や、社会に与える影響度が高い仕事だったり、人体に影響を及ぼす仕事などはAIではなく、人間が行うべきだとされ残るそうです。
また、人間は人それぞれ違うものだと判断することは容易で、改善方針を導くことができますが、AIにはまだ難しいといわれています。
例えていうと、
AI は「平等さ」を求められると素早く解決まで持っていけるのに、「公平さ」を求められると、てんでダメということです。
「公平に物事を理解し考えだす」という部分は、当分のあいだは人間でしかわからない領域だといえそうです。
ですがこの辺も、全脳のエミュレーション(模倣)
つまり、人間の脳をスキャンし、マッピングし、デジタル化すればAIにもできなくはない仕事となるようです。
もう意味わかりませんが(笑)
2050年頃までは人間だけの仕事となりそうです。
では、我々の仕事である介護職に目を向けましょう。
介護職員とAIの役割の境界線と介護職はAIに取って代わられる仕事なのか?
マジ神AIのように、人間のネガティブな事象を感知し、利用者様のネガティブな事象を取り除くための助言を我々介護従事者にしてくるようになる未来は近いでしょう。
さらに AI の進化が進むと、AIと連動した介護ロボットなどが積極的に職員や利用者を支援する時代もやってくるでしょう。
しかし、AI にも苦手なことがあると先ほどお伝えしました。
それが、公平に物事を理解し考えだす能力。
特に介護福祉士をはじめとする介護従事者には、その「公平さ」を社会的に重きを置いて求められ、支え守らなければならないモノがあります。
それが Quality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)
QOLです。
利用者個々の「その人らしさ」を基にした人生における「幸福」「満足」などに向き合えるのは、AIではなく人間でしか向き合えないという所。
この2つは対極にあるものだと私は考えていますし、職員(人間)と人工知能(AI)の明らかな境界線となるところだと考えます。
人間ひとり一人の幸せ度や感情の指数は、高度なセンサーを使っても一筋縄ではいかないからです。何故なら、ポジティブさを表現する方法や幸せを感じられる度合は人それぞれ違うからです。
この部分を介護職に携わる私たちは磨かないといけない。
「コレをされたら自分は嬉しいから、この利用者さんも嬉しいはず」という主観的なひらめきは素人でもできるし、AIの方がもっと上手だ。
そんなんじゃない。
「みんな違って、それで良い!」
正しくそれ。
私たち介護従事者が信念を持つとしたら1つ。
「みんな違って、それで良い!」という境地。
豊かさを極めた状態に自分をもっていけば強い。
行く行くは介護業界においてそういう人が最高の人材となるわけです。
要するに、単純作業はAI(人工知能)にまかせて、私たち介護従事者は利用者さんの、人生における「幸福」「満足」「その人らしさ」(QOL)と超本格的に向き合う仕事になっていくというわけです。
これは正しく、ご利用者さんの「ライフパートナー」になるということでもありますね(^ ^)
まとめ
1.介護業界の現状
介護や業務に追われ、過労が常態化している。
利用者の質の高い生活(QOLやその人らしさ)をサポートする時間が十分に取れない。
2.2025年問題への対策
人員配置基準の緩和が図られている。
介護テック(介護と技術の融合)がその背景にあり、AIやセンサーテクノロジーを活用する動きがある。
3.マジ神AI
ベネッセスタイルケアの取り組みとして、高度なスキルを持つ職員(マジ神)の経験や知識をデータベース化して、AIに学ばせるプロジェクト。
このAIは、利用者の状態や感情を理解し、介護スタッフへの助言や指導を行うことを目指している。
4.AIの未来と介護業界
AIは簡単な判断や作業を代行できるが、人間の「公平さ」や感情、QOLにはまだ対応できない。
介護職員は、単純作業をAIに委ね、利用者のQOLやその人らしさに集中することが求められる未来が来る。
介護施設は過労やスタッフ不足に直面しており、より高品質なサービスを提供するための解決策として、技術の導入が進められています。
特に注目されるのは「介護テック」、つまり介護とテクノロジーの融合。中でもベネッセスタイルケアの「マジ神AI」は、高度なスキルを持つ職員の知識と経験をデータベース化し、AIがそれを学ぶという画期的な取り組みです。
しかし、未来の介護現場では、AIが単純作業を担当する一方で、人間の持つ「公平さ」や感受性を活かし、利用者の「QOL」や「その人らしさ」に深く寄り添う役割が重要となるでしょう。
技術の進化を最大限に利用しつつ、心のケアを忘れずに、新しい介護の形を模索していく時代が到来しています。
よくある質問
Q: 2025年問題とは何ですか?
A: 2025年問題は、介護施設の人員配置基準に関する問題で、この年に人手不足が顕著になると予想されています。そのため、人員配置基準の緩和や技術の導入が検討されています。
Q: マジ神AIとは何を指すのですか?
A: マジ神AIはベネッセスタイルケアの取り組みで、高度なスキルを持つ職員の知識や経験をデータベース化し、それをAIが学ぶプロジェクトを指します。
Q: AIは介護のどの部分に役立つのですか?
A: AIは利用者の状態や感情を理解し、介護スタッフへの助言や指導を行うことを目指しています。簡単な判断や作業を代行することも期待されています。
Q: 人間の役割とAIの役割の違いは何ですか?
A: 人間は「公平さ」や利用者の「QOL」、「その人らしさ」などの感受性や共感能力を活かして対応します。一方、AIは単純な作業やデータベースに基づく判断を担当することが期待されています。
Q: 介護の未来で人間の役割はどう変わるのですか?
A: 介護の未来では、単純作業はAIに任せ、人間は利用者の人生における「幸福」「満足」「その人らしさ」などのQOLに深く寄り添う役割が中心となります。