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【達人シリーズ:1】採用の達人になるための自己認知診断テストのすゝめ
はじめに
履歴書や職務経歴書だけで人材を判断すると、実際の能力とのギャップが生じることがあります。採用した人材が思っていたイメージ大きく異なり、どう対応すればよいかという相談を、以前クライアントさんから受けたことがあります。
そこで今回は、僕がコンサルティングやコーチングを依頼された際に、クライアントさんに必ず実施してもらう自己認知診断テストについてご紹介します。このテストを活用することで、必要な人材像を明確化し、マッチングを高めることができます。
自己認知テストには実践性のないものもありますが、今回ご紹介するテストは科学的根拠があり、人材選定に実際に役立つ内容となっています。以下、このテストのメリットと活用法についてお話ししましょう。
①結果が数値とグラフでわかりやすい
┗数値化されているということは、基準を設定すればシステム化できる
②個人の理解だけでなく、対人関係についても把握できる
┗その人が周囲からどのように見られているかがわかり、チームの構築に役立つ
③脳科学に基づいた診断テストである
┗エニアグラムなど科学的根拠のないものではなく、一定の信頼性がある
この診断テストは、受けた後の行動変容や意識の変化が確認されるなど、実際に人材育成に役立った実績があります。採用や人事管理にお悩みの方は、この診断テストを活用することで、必要な人材特定の力やマネジメント力が向上すると期待できます。診断結果を踏まえた育成プランを立てることで、採用後の成長を最大化することが可能です。ぜひその効果を実感していただければと思います。
自己認知診断テストで分かること
僕が活用している自己認知診断テストは、脳科学と心理学に基づいており、採用における最大の利点は結果を数値とグラフで提供している点です。
『採用』において性格診断テストを使用する際には、採用の判断基準が必要です。エニアグラムのような概念的な結果を提供するテストは、個人の概要を把握できるものの、採用における具体的な評価基準を設定するのが難しいからです。
もちろん、この自己認知診断テストだけではその人の全ての人間性を理解することはできませんが、履歴書と組み合わせることで、人となりをより正確に把握する手助けとなります。脳科学に基づくこの自己認知診断テストにより、大まかに次のような情報を得ることができます。
①その人の脳の使い方
脳の中で、メンタライジングネットワーク、セントラルエグゼクティブネットワーク、報酬系ネットワーク、感情系ネットワークのどの部分をより活性化させているかによって、人の思考は大きく変わります。この診断テストでは、『プロデューサー脳』、『研究者脳』、『インフルエンサー脳』、『カウンセラー脳』の4つのうち、どの脳をどれくらいの割合で使用しているかがわかります。それぞれの特徴を以下にまとめます。
プロデューサー脳の特徴(全体を動かすリーダー)
・合理的で外向性がある
・たくさんの情報をまとめる
・計画性がある
・言語による説明が得意
研究者脳の特徴(コツコツ誠実な専門家)
・原理的で誠実性がある
・情報の深掘りが得意
・自分の考えが大事
・論理的に突き詰めていく
インフルエンサー脳の特徴(革新的なムードメーカー)
・拡大的で外向性がある
・情報を広げるのが得意
・注目されるのが好き
・イメージと感覚で説明する
カウンセラー脳の特徴(バランス重視のサポーター)
・温情的で調和性がある
・目の前の人が大切
・自分をおろそかにしがち
・イメージと感情で説明する
②情動(やる気)の強さとコントロール度合
大脳辺縁系に位置する偏桃体の活性度合いから、情動(やる気)の強さと、感情をどれくらいコントロールできているかを知ることができます。
では、情動の強さや感情のコントロールは、どういったことを示しているのでしょうか?
情動が強い人
長所:行動に対して意欲やパワーがある
短所:強い情動に振り回されてしまう場合がある
情動が弱い人
長所:冷静で落ち着いた行動がとれる
短所:行動に対しての積極性や推進力に欠ける
感情コントロール度が高い人
感情を目的や目標に対して適切に変換し、対応させることができる
感情コントロール度が低い人
自分の感情に振り回されて、周囲も巻き込んでしまう
たとえば、営業などの外向的な業務では、ある程度の情動の強さが必要とされます。逆に、エンジニアのような専門的かつ内向的な業務においては、情動の強さはあまり必要ありません。ただし、感情のコントロールは、どの業務においても重要です。
やる気はあるが暴走しやすい人は、リスクを伴うことがあります。情動の強さと感情のコントロール度を把握することは、リスクの軽減に役立ちます。
③人間関係のクセ
この自己認知診断テストでは、その人が対人関係において感じること、行動すること、対人距離を取ることについて詳細に理解することができます。以下で4つの項目を詳しく説明します。
①交流慎重度(前部帯状回)
交流慎重度が高い人の特徴:
相手の言動が気になる・相手を勘ぐる・会話の裏を読む
交流慎重度が低い人の特徴:
相手の言動を肯定的に捉える・警戒をしない
②好意理解度(内側前頭前野)
好意理解度が高い人の特徴:
好意に敏感に反応する・人間関係のストレスに強い
好意理解度が低い人の特徴:
他者からの好意を受け取るのが苦手・人間関係のストレスに弱い
③空気理解度(眼窩前頭前野)
空気理解度が高い人の特徴:
相手の心情をくみ取れる・自分の考えを柔軟に変える
空気理解度の低い人の特徴:
相手の心情をくみ取れない・自分の考えを貫く
④自力行動度(脳の各部位の活性度合い)
自力行動度が高い人の特徴:
何でも自分でやる・他人に期待をしない
自力行動度が低い人の特徴:
人任せ・他人に協力を頼める
どの分野の仕事を担当するかによって、その人の対人関係で求められる距離感は異なります。一緒に働く仲間が、より快適な関係を築けるように、各々の距離感を理解できれば、職場の環境が改善されるでしょう。
④以上をまとめたパーソナリティ解説
これまでの情報だけでも、その人が詳細に理解できますが、この診断テストは、その人をより分かりやすく説明します。具体的には以下の項目が詳細に言語化されます。
①キャラクター分析
・その人がどういった傾向があって
・どんなこと(仕事・アクション)に向いていて
・どんなタイプ(性格)なのか
②周囲の人への印象
・その人が周囲からどう見られているか
・どう思われているか
③その人の短所
④その人の活かし方
⑤よりレベルアップさせるためのアドバイス
これらの情報をもとに、その人がチームに加わった際の長期的な成長のイメージを描くこともできます。短期ではなく、長期にわたって共に過ごすために、診断テストの活用は重要です。
診断テストの紹介
ここからは、自己認知診断テストの紹介と、実際の活用方法について詳しくご説明します。
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まず、僕がどのような診断テストを利用しているのか、それは、
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