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「逆歳の差カップルのリセットライフ」マガジンストーリー1 ~忘れられない日~

引っ越しの1週間前

雨降る深夜、どうしてもケンに会いたくて

ティーンネージャーのようにメールをした

「今からファミレスでも行かない?」

私の心臓の鼓動は
10代の頃に初デートした時と同じぐらい…
ドキドキしていた

「うん、いいよ」ケンはすぐに返信をくれた

本当に?好きな気持ちが止められない・・・

30分もしないうちにインターフォンが鳴った

ドアを開けた瞬間、照れ笑いしながら立っているケンが愛おしかった

雨に濡れないように、傘を持ってきてくれた

そんな、優しいさに
心が打たれた

「土砂降りなのにありがとう」

私は照れ隠ししながら笑った

「いいんだよ、明日は休みだから」

いつもよりケンの声が弾んでいた

まるで
親に隠れて、夜な夜な遊ぶ子供たちのように…

お互いのお気に入り曲を聴きながら
無邪気にドライブを楽しんだ

会話は途切れることなく
お互いが、この残された時間を後悔なく満喫したかった

でも・・・その反面
こんなに幸せな時間も
もうすぐ終わり・・・

セカンドライフをスタートしたばかりなのに

なんで・・
私は引っ越しを決めたんだろう?

いやいや…
引っ越しするから
ケンくんが遊んでくれているんだよね?

なぜか虚しさを感じた
そして複雑な心境の嵐に
巻き込まれそうだった・・・

ファミレスから駐車場に戻るとき

傘が一本しかなかったので
自然に肩が寄り添いっていた

「濡れちゃうから、もっと傘に入っていいよ」

ケンの手が、私の肩を優しく包み込み自分の方に引き寄せた

私も無意識にケンの腰に手をまわしていた

車に戻ると、びしょ濡れになっていた

ケンは私の体をタオルで覆ってくれた

「大丈夫?風邪ひくなよ」
「すごかったね~ 寒いね~ 」

私は恥ずかしさを
ごまかすように、話し続けた

「これからどうする?」っとケンが私の話を止めた

「・・・どうするって?」

一瞬・・・沈黙が・・

だが私は思わず
本音を言ってしまった…

「今夜は一緒に居てほしい」

「いいよ 俺も一緒にいたいよ」

ケンは私を見つめながら言った

本当??
私の心臓の鼓動は
さらには早くなっていた・・・







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