
尺側手根屈筋
何日か前から左の手首が痛い。原因はわかっていて、根詰めて太鼓の稽古をしたせいだ。力を込めてガンガン叩いていた訳では無いが、複雑な拍子を謡いながら打つため、身体はやはり思った以上の緊張を強いられているのだろう。
いわゆる腱鞘炎というのかもしれないが、ちょっとした動きで手首の小指側の方から肘にかけての筋肉が痛い。調べてみると「尺側手根屈筋」という舌を噛みそうな名前がついている。
痛みというのは、思いがけず自分の身体というものの存在に気付かせてくれるようだ。
複雑な拍子を追いかけ、早く打つことだけを求めて、自分の身体は置いてけぼりにしていたということか。
尺側手根屈筋がその痛みを通して「ちょっと待ってよ、あなた、なんか方向性が違いませんか?」とわたしに訴えているのだ。
えっ?! それってもしかしてずいぶん重要なポイントじゃないの?単に太鼓の打ち方が違うってことじゃないよね?という気がして焦るわたしなのである。