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【2024年度】「フラット35」の金利引き下げメニューはこうなっている

「フラット35」は、民間金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する最長35年の全期間固定金利の住宅ローンです。
フラット35は2003年に登場しましたが、時代のニーズに応じて商品内容が変化してきました。
とくに、つぎのような国の政策を実現するための金利優遇制度として「金利引き下げメニュー」が導入されています。
 
(1)住宅の質の向上
高性能な住宅を普及させることで、住環境の向上を図ることが目的です。
省エネ性能や耐震性、バリアフリー性などが高い住宅を増やすためです。
 
(2)環境への配慮
省エネ性能の高い住宅を増やして環境負荷を減らし、持続可能な社会の実現を目指しています。
 
(3)地域活性化
地域連携型のメニューを通じて地方創生や地域活性化を支援することも目的の一つです。
 
利用者にとって魅力的な選択肢となっている、フラット35の金利引き下げメニューはどういうものかについてお話しします。


1 金利引き下げメニューの全体像


金利引き下げメニューは大きく4つのグループに分けられています。

(出所)住宅金融支援機構のウェブサイト「フラット35」を加工

 
フラット35の金利引下げ方法は、2022年10月から「ポイント制」が導入されています。
住宅の性能や家族構成などに応じてポイントが付与され、その積算ポイント数により金利引き下げの期間と幅が決まる仕組みです。
1ポイントあたりの金利引き下げ幅は0.25%です。
金利引き下げの適用期間は5年単位で、最大で10年間適用されます。

(出所)住宅金融支援機構のウェブサイト「フラット35」を加工
(出所)住宅金融支援機構のウェブサイト「フラット35」を加工

なお、現行の金利引き下げメニューは2025年3月31日までの申込受付分に適用されます。
2025年度については住宅金融支援機構の公式サイトでの発表を待つことになります。
 
また、住宅金融支援機構のウェブページ「フラット35」で「金利引き下げ内容確認シミュレーション」ができるようになっています。

2 フラット35 子育て支援プラス


申込人が子育て世帯(注6)または若年夫婦世帯(注7)である場合に、こどもの人数等に応じて金利を一定期間引き下げる制度です。
 
(注6)借入申込時に夫婦(法律婚、同性パートナーおよび事実婚の関係。婚約状態は対象外)であり、夫婦のいずれかが借入申込年度の4月1日において40歳未満である世帯
(注7)借入申込年度の4月1日において18歳未満である子(実子、養子、継子および孫。胎児を含む。ただし孫は同居が必要。また、別居しているこどもは親権を有していることが必要)
 
こどもの人数等に応じてポイントが加算されていく仕組みになっています。

(出所)住宅金融支援機構のウェブサイト「フラット35」を加工

予算金額に達する見込みとなった場合は受付終了となります。

3 フラット35 S


長期優良住宅(注8)など、省エネルギー性、耐震性などを備えた高品質住宅を取得する場合に、金利を一定期間引き下げる制度です。
 
(注8)長く安心・快適に暮らせる優良な住宅として国が定めた基準を満たし認定を受けた住宅
 
建築基準法レベルに対して技術水準が高いほど金利引き下げ幅が大きくなる仕組みです。

(出所)住宅金融支援機構のウェブサイト「フラット35」を加工

新築住宅の建設・購入および中古住宅の購入の際に利用でき、フラット35借換融資には利用できません。
また、フラット35 リノベとの併用はできません。
予算金額に達する見込みとなった場合は受付終了となります。

4 フラット35 リノベ


中古住宅の購入と合わせて一定の要件を満たすリフォームを実施することで、金利を一定期間引き下げる制度です。
つぎの2つのタイプがあります。
㋐中古住宅を購入後に自らリフォームを行う場合(リフォーム一体タイプ)
㋑住宅事業者がリフォームを行った中古住宅を購入する場合(買取再販タイプ)
 
㋐の場合は、フラット35 リノベ(リフォーム一体タイプ)の取扱金融機関に申込みます。
 
「住宅の条件」を満たさなければなりません。
フラット35の技術基準に加え、一定の要件を満たすリフォームを行うことと中古住宅の維持保全に係る措置を行うことが必要です。

(出所)住宅金融支援機構のウェブサイト「フラット35」を加工

中古住宅の購入の際に利用でき、住宅の建設、新築住宅の購入および借換えの際には利用できません。
また、フラット35 Sおよびフラット35 維持保全型との併用はできません。
予算金額に達する見込みとなった場合は受付終了となります。

5 フラット35 維持保全型


維持保全・維持管理に配慮した住宅や既存住宅の流通に資する住宅を取得する場合に、金利を一定期間引き下げる制度です。
 
利用要件として、つぎのいずれかに該当する住宅が対象となります。

①長期優良住宅(新築住宅、中古住宅)
②予備認定マンション(新築マンションのみ)
③管理計画認定マンション(中古マンションのみ)
④安心R住宅(中古住宅のみ)
⑤インスペクション実施住宅(劣化事象等がないこと)(中古住宅のみ)
⑥既存住宅売買瑕疵保険付保住宅(中古住宅のみ)

 (出所)住宅金融支援機構のウェブサイト「フラット35」を加工

新築住宅の建設・購入および中古住宅の購入の際に利用でき、フラット35借換融資には利用できません。
また、フラット35 リノベとの併用はできません。
予算金額に達する見込みとなった場合は受付終了となります。

6 フラット35 地域連携型・地方移住支援型


地域連携型は、子育て世帯や地方移住者等に対する積極的な取組を行う地方公共団体と住宅金融支援機構が連携するものです。住宅取得に対する地方公共団体による補助金交付などの財政的支援と合わせて、金利を一定期間引き下げる制度です。
 
地方移住支援型は、地方公共団体による移住支援金の交付とセットで金利を一定期間引き下げる制度です。

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地域連携型および地方移住支援型は、フラット35借換融資には利用できません。
また、地域連携型と地方移住支援型を併用することはできません。
予算金額に達する見込みとなった場合は受付終了となります。
 

 
フラット35の金利引き下げメニューはたびたび改定されるので、利用を検討する際には最新の情報を確認しましょう。


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