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奨学金を受けられても入学金納付に間に合わないときどうするか


奨学金を受けられることが決まっても、実際に支給が始まるのは入学後と聞きました。
それでは入学金などの納付期限に間に合いません。
手持ちのお金では足りないのでどうしたらよいでしょうか?


 

1 奨学金の支給や授業料減免は入学後になるので入学金などの納付期限に間に合わない


(1)合格発表から1~2週間以内に入学金等の納付が必要な学校が多い
入学手続き期間は、大学や専門学校などによって異なりますが、通常1~2週間程度です。
合格発表から1~2週間以内に入学金や授業料の一部を納付するよう求められることが多くなっています。
 
(2)奨学金の支給開始は入学後になる
奨学金の支給時期は、奨学金の種類や提供する機関によって異なります。
 
①日本学生支援機構(JASSO)の奨学金の場合
 
㋐予約採用(入学前採用)
入学前に奨学金の採用が決まる場合、大学入学後に支給が開始されます。
支給開始時期は、通常、入学後の4月または5月からです。
 
㋑在学採用(入学後採用)
大学入学後に奨学金の申請を行い、採用が決まると支給が開始されます。
支給開始時期は、申請が承認され次第、通常は申請した月の翌月からです。
 
②民間団体や企業、地方自治体の奨学金の場合
各団体や自治体によって支給時期が異なります。
入学前に決定し、入学後すぐに支給される場合もあれば、一定の審査期間を経て支給が開始される場合もあります。
支給開始時期はやはり入学後になるのが一般的です。
 
(3)授業料・入学金の減免もいったん納付して入学後に返還される仕組みになっている
減免は、現金支給を受けるのではなく、支給額分の授業料などが減免される形で提供されます。
入学時にいったん入学金や授業料の全額を納付したあとに減免されて返還されるケースが多くなっています。
よって、授業料等の減免が受けられる場合でも、入学金などの納付期限には間に合わないのです。

2 手持ちのお金で不足する場合に入学費用を用意する手段はいくつかある


(1)金融機関から教育ローンを借り入れる
教育ローンは、学費や入学金、教材費などのための資金を借りられるローンです。
手続きが比較的迅速で、入学費用を賄うのに役立ちます。
 
①国の教育ローン(日本政策金融公庫)
申し込みから融資実行まで 約20日前後 かかります。
ただし、入学試験の時期など申込が集中する時期はさらに時間がかかることが予想されます。
必要時期の2~3カ月前 には申し込みを済ませるのが安全です。
 
②民間金融機関の教育ローン(銀行や信用金庫など)
申し込みから融資実行まで 約2~3週間 かかります。
申込時期や審査状況によってはさらに時間がかかる場合があります。
必要時期の1カ月前 には申し込みを完了しておくとよいでしょう。
 
教育ローンは、必要な時期に確実に資金を用意するために、早めに申し込むことが重要です。
具体的なスケジュールや手続きについては、各金融機関のウェブサイトや窓口などで確認するとよいでしょう。
 
(2)低所得世帯なら生活福祉資金貸付制度の教育支援資金が利用できる

(出所)文部科学省のウェブサイトを加工

貸付審査があります。
申込みから資金交付までは1カ月程度かかります。
 
(3)大学や専門学校などの支援制度を利用する
一部の大学や専門学校などでは、入学金や授業料の支払い延長や分割払いの制度を設けています。
具体的な申請方法や必要書類については、入学予定の大学や専門学校などの学生窓口やウェブサイトなどで確認するとよいでしょう。
 
(4)親族から支援を受ける
親族からの一時的な資金援助を受けることも考えられます。

3 進学費用の準備は早めに始めることが大事である


合格が決まってからあわてて入学費用を用意することは避けたいものです。早めに計画的に準備を進めましょう。
 
(1)学資保険
積み立て型の保険で、子の教育費を計画的に準備できます。
保険満期時に一括で受け取ることもできるので入学時の費用に対応できます。
 
(2)児童手当
児童手当を毎月受け取って貯蓄して教育費に充てるとよいでしょう。
子が小さいうちから計画的に貯めておくことが重要です。
 
(3)家計の見直し
家計の見直しを行って無駄な支出を減らし、教育費に充てる資金を捻出します。
節約を意識した生活を心掛けましょう。
 
(4)投資・積立
低リスクの投資商品や積立を利用して、少しずつでも教育費を増やす方法です。
長期的な視点で計画的に積み立てることが重要です。
 
(5)親族からの支援
祖父母や親族からの贈与や支援を受けて入学費用を確保する方法です。
生前贈与の制度も活用できます。
 

 
せっかく合格したのに費用を工面できなくて進学を断念しては元も子もありません。
進学費用の準備はできるだけ早めに始めることが大事なのです。
 


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