おかたづけの極意 #2 STOKKEの椅子の巻
憧れのSTOKKEの椅子
北欧のベビー用品というのが、流行った時期があります。
今はどうなんでしょう。今も流行っているのでしょうか。
私は子供ができたのが遅く、高齢出産でした。最初の頃は不正出血が続いたりして安定せず、ヒヤヒヤする時期がありました。安定してからは悪阻や妊娠中毒症などで苦しむ妊婦さんよりずっと楽な妊婦になりましたが、妊娠初期のビクビクした生活が尾を引いて、「いのちだいじに」を地で行く守りの妊婦生活を送ることになりました。
その頃の楽しみといえばベビー用品を眺めること。
ネットやカタログをサーチしては産後の生活にあれこれ思いを馳せていました。
中でも憧れのベビー用品というのがありまして、そのひとつがSTOKKEの椅子でした。
「トリップトラップ」は、前後にスライドさせたり、高さが変えられる木製の椅子で、赤ちゃんから大人まで使える、人間工学に基づいて設計されたというシロモノ。当時大人気でした。
4万近くしましたが、そんなに長く使えるなら、と子供が赤ちゃんの頃に思い切って購入したのです。子供が使わなかったら、自分が使えばいいし、なーんて思っていました。
確かに小学校に入るくらいまではヘビーユースでしたが、それ以後は「場所を取る棚」の扱い(椅子ですらない。笑)。
大人が利用するには、座面が硬い上に小さく、座りにくかったですし(個人の感想です)、床に接している面積が広く、木が鋭角に曲がっているので、しょっちゅう足の小指をぶつけていました。地味にイラっとするやつ。
やっぱりほら、北欧の椅子なのよ。
広いおうちに適した椅子なのよ。
憧れて買った高価な椅子、というイメージが、長い間手放すことを押しとどめていました。それに長く使えるはず・・・という思い込みがまた、いつかはこの椅子を活用する日が来るかも、などという思いに繋がっていました。
が、ついに処分を決意。
それでも「捨てる」というのだけは忍びなく、いちおう「売る」方向で考えてみることにしました。
リユースショップという選択
今回、ネットで色々調べて、リユース・リサイクルショップや買取など、何社か問い合わせました(ブックオフやワットマンなど)。でも子供用品は基本的には3年以内のものでないと受け付けられない、というところがほとんどでした。
それじゃあ、と、メルカリなどフリマサイトも考えましたが、今まで利用したことが無かったことと、大型家具であることが二の足を踏ませました。
STOKKEには専門といっていいような高額買取の業者もあるのです。
ネットでいくつか業者を調べましたが、実は今回の椅子には、「売る」という点では、もうひとつ、重大な懸念すべき事項がありました。
子供が小さい頃犬を飼っていたのですが、椅子の足の一部に、犬の鼻先などが当たると付着するたんぱく質的な汚れが、どうしても残ってしまっているのです。綺麗に掃除をして、拭きとった時は消えるのですが、乾くとうっすら跡が出てくる感じの、微妙な汚れ。高額買取の業者には、今回、コンタクトしませんでした。
やはり粗大ごみという選択しかないのか――と思っていたのですが、セカンドストリートだけは、宅配買取なら受け付けてくれるということだったので、分解して宅配買取をお願いすることにしました。
椅子の形が独特なので、梱包も苦慮しました。
宅配回収全般に言えますが、3辺あわせて160㎝以内、というのが基本的な条件になるところが多いです。今回はぎりぎりでした。
普通の段ボールには入らないので、段ボールを組み合わせて、なんとか外側を覆う形に成形。
セカンドストリートさんの宅配買取は、集荷をお願いすると、着払いで受け付けてくれます。こちらが宅配業者さんに集荷をお願いしなくても、サイトの申し込みの時点で、集荷まで手配してもらえます。
事前に買取可能かどうか問い合わせたり、一覧で確認する必要がありますが、買取不可のものが他社よりは少ない印象です。
我が家は車がなく、粗大ごみをそのまま捨てられる環境センターのようなところに持っていけないこともあり、これ以後も宅配買取はかなり活用しました。伝票を書く必要もないので、とても便利です。
申込時は、身分証明書類のダウンロードが必要です。これは使用した商品を古物として売る場合に必須のことのようです。
セカンドストリートさんでは、1度のダウンロードで1年間有効でした。
査定には1週間ほどかかりました。
結果は――「1円」。
1円という引き取り金額があるんだ!と驚きましたが、どうしても受け付けられないものは返送されることもあるようなので、そういう意味では引きとってくれただけましだったようです。
「本来はお金にならないけど、引き取るだけは引き取ります」という意味だと解釈しました。
リユース・リサイクルショップにも得意不得意な分野というのがあると思います。実はその後もう1回、雑貨と靴をお願いしましたが、こちらは靴(とくにスニーカー)だけは値が付きましたが、そのほかの雑貨品はほとんど値がつきませんでした。こちらも温情で引き取ってもらった感じです。
また、食器全般は不可、ということが、今回の断捨離で判明しました。バザーに出せるような、ブランドなどの食器で、箱に入って未使用のものは売れますが、それ以外はダメというところがほとんどです。
今回学んだことは次の3つ。
とにかく、ベビー用品は時間との勝負、ということを学びました。
みなさん、3年以内ですよ!
ただ、たとえ二人目、三人目まで使ってしまっても、ブランドもので美品で取り扱い説明書がついていたりすれば、買取価格は上がるそうです。
日頃、手放すときのことを考えて使うべきだった、と反省しました。特に取扱説明書を捨てちゃったのはよろしくなかったです(こんまりのせいにするわけではないけれど、こんまりは「書類全捨て」を推奨していたので、一時期思い切って捨ててしまったのです)。わんちゃんねこちゃんとの生活の中で美品に保つのはかなり難しい気はしますが、「いつか売るかも感覚」は大事だなと思いました。