freestyle 8 バイバイン
集英社インターナショナルさんと、ポプラ社さんから「賞品」の本が届いた。この先、幻冬舎さんからも届く予定だ。
「読書の秋2021」の、感想文の賞品は、私の場合、本だった。
賞品目当てに出版社さんを選んだわけではもちろんなく、読みたいと思った本を選んだ。そうしたらたまたま、賞品がすべて本だったのだ。
集英社インターナショナルさんは1冊、ポプラ社さんと幻冬舎さんはそれぞれ3冊。
受賞のお知らせも嬉しかったが、本がもらえると知ったときの喜びはひとしおだった。
1冊の本の感想文で、倍以上の本がいただけるとは。
まるでドラえもんの「バイバイン(※)」みたいだ。
賞品の選び方は、どの出版社さんも「サイトから好きな本を選んでください」というものだった。
これが、めっちゃくちゃ、興奮した。
出版社さんのサイトの新刊・既刊の本が、どれでも、無条件でいただけるというのだ。
こんな興奮が、果たしてこの世にあるだろうか!
いや!ない!
目を皿のようにして、食い入るように画面を見、指が攣るほどスクロールした。
小さい頃、お店屋さん(コンビニとかではない。笑)に行って「好きなお菓子どれでも1個選んでいいよ」と言われた時と同じ興奮である。
急かされてなどいないのに、なぜか、決定を急いだ。
まるで夢のような話なので、「受賞者が間違っていました」とか「やっぱり、賞品はなくなりました」などという「万が一」があってはたまらない。もちろん晩酌もしないで選んだ。落語の芝浜みたいに「夢になっちゃあいけねぇ」という感じだ。
そして、年をまたいで、選んだ本が届いた。
集英社インターナショナルさんの本はとても到着が早くて、もう読んでしまった。いずれその感想も書くつもりなので、今日は何を選んだかはヒミツ。
ポプラ社さんから届いた荷物は、とにかく梱包が可愛かった。
ポプラ社さんは、言わずと知れた絵本出版の老舗。どうしても1冊は、新刊の絵本が欲しかった。なんだかワクワクするような絵柄の『ねこまたごよみ』を選んだ。
絵本というのは、たくさんの人の手と思いが詰まっている、と思う。
え(画家・イラストレーターさん)と、ぶん(作家さん)が同一人物の場合もあるが、違う人の場合もある。丁寧に創作されたそれが、世に出るまで。ひとつの絵本が出来上がるまでに、いくつもの過程があり、人の目が入り、手が入る。色ひとつとっても、吟味に吟味が重ねられたものだ。だからこそ、絵本は高価になる。
絵本を三冊、は、さすがになんだか贅沢すぎると思って、もう二冊は絵本以外にしようと思った。
もう1冊はわりあいすぐ決まった。『わたしのもう一つの国』。角野栄子さんは、マジョタクの作家さんだ。ジブリアニメでも有名な『魔女の宅急便』はシリーズもので、大ベストセラーだ。角野さんのエッセイというのを、そう言えば読んだことがないことに気づいた。それで、次は迷わずこれにした。
三冊目は、迷った迷った。死ぬほど迷った。
当たりハズレではないが、そこはかとなく、福引などでも味わうあの「最後の一回」の緊張があった。
そこで背中を押してくれたのが、noteのこの記事だ。
益田ミリさんの『おとな小学生』の文庫版が新しくカバー替えされた顛末が、詳しく書かれている。それを読んで、これにしよう、と決めた。この記事を読んだら、実際に手に取り表紙を見て、読んでみたくなるに決まっている。
届いた本は、ゆっくりと味わわせていただき(といっても私の場合、猛スピードで読んでしまう可能性があるので要注意だ)、また感想文を書こうと思っている。
本を読み、感想を書き、本が来て、感想を書く。
……どういう円環構造?
いやいや。円環してない。
感想書いたら終了なんで。もう本は来ないんで。
バイバインみたいに、我が家が、地球が、宇宙が、本に埋め尽くされて滅びたりしないんで。笑
しかし、なんて素敵な経験だったことか!
こんな機会を与えてくださったnote編集部さんの「読書の秋2021」の企画の皆さまと、私の感想文を選んでくださった集英社インターナショナル、ポプラ社子どもの本編集部、幻冬舎の皆様に心から感謝申し上げたい。
ありがとうございます。
大切にいたします。