鎌倉ほのぼの散歩 八番「明王院」(七番「光触寺」)
鎌倉三十三観音様巡り 2日目
「見て見て~。NAVITIME(※ナビタイム)のアプリを入れてみた」
その日は空ちゃんが、お寺に向かうバスの中でアプリを見せてくれました。GPSで徒歩の音声道案内をしてくれるというスグレもの。
「うわ、すごいね。文明の利器だね。頼りになる~」
歩きになったら早速使ってみよう、ということになりました。
ところで実はこの日、一番遠い「光触寺」に向かっていました。やはりポツンと遠い場所というのはなかなかルートに組み込みにくいのです。
しかし「光触寺」に到着したところ、なんと!
という張り紙が!おののく二人。
「ひーお寺に夏休みがあるのかー」「知らんかった」「これから気をつけよう」ざわざわざわ……って二人だけだけど。
「光触寺」は一遍上人が開祖、作阿上人開山の時宗のお寺です。作阿上人はもともと真言宗だったそうですが、游行中の一遍上人に出会い「パウロの回心」的に時宗に帰依したそうです。
宗派によっては7月からお盆休みと言うところも多いです。こちらのお寺は本山がほかにあるお寺なのでお休みということもあるのだろうと、外からお参りした後、一遍上人さまの像にご挨拶し、次に行くことにしました。
さて、次の八番札所「明王院」へと向かった我々。実は「光触寺」が遠かったため、予定していたよりも時間がかかっていました。「光触寺」からはさほど遠くないので、歩くことに。
あれよ!あれあれ!いまこそNAVITIMEの出番!
なんかさ、一緒に歩くんだから、NAVITIMEに名前をつけよう。何がいいかな。うーん。ナビ子はどう?ナビ子ぉ?ナビ子でよくない?えーナビ子ぉ?
てくてくてく。どうでもいい話をしながら歩き始めますが、時は7月。いかんせん、酷暑。日傘や帽子も役に立たず、次第に二人はドラクエパーティー並びで無言で歩を進めます。
お寺と言うのは、地図上では道の近くに見えても、案外、道から奥に入ったところにあるものです。この「明王院」もどこかからか、細い道に入らなければなりません。
くるりと振り返り、戻ります。
案内通りと思いきや、意外と細道を発見するのに苦戦。あ、あれぇ?
「ちょっと!ナビ子!しっかりして!」
ナビ子を励ましつつ、なんとか「明王院」到着。到着してしまえば、なんで迷ってたのかわからなくなったりするものです。ナビ子に若干の不安と疑問を抱き始めた二人はでも、その時点ではまだナビ子を同行のトモガラとして温かく見守って?いました。
さて「明王院」は鎌倉幕府の四代将軍藤原頼経によって建立されました。鎌倉幕府の将軍の発願によって建立された、鎌倉市内に現存する唯一の寺院です。もっとありそうなのに意外です。
鎌倉幕府最大の危機、日本が初めて外国の脅威にさらされた元寇のときにも明王院で異国降伏の法要が修された記録が残っているそうです。調伏というやつですね。幕府の鬼門の方角に当たる十二所に鬼門除けの祈願所として、五大明王がお祭りされているそうな。
私は失礼ながら、四代将軍に関してほとんど知識がありません。公家から迎えた摂家将軍というくらいしか。
まあでもだからこそ、ここは、打って変わって真言宗のお寺。時宗のお寺はなんというか、簡素というかそっけないほどの感じなのですが、真言宗系は「炎」(LiSAさんの歌ではなく)属性という感じ。お不動様は炎を背負っていてそこはかとなく煉獄さんのイメージだし、護摩祈願があるからですね。本当にお寺によって鎌倉の顔が変わります。
広々とした境内で、ご本尊と五つのお不動様にお参りした後、御朱印をお願いしようとしたら、奥から奥様が顔を出されて「今法要が終わったところで、参りますからちょっとお待ちを」と言われました。待っていると、夏らしい爽やかな浅黄の袈裟の住職さん。真言宗だから和尚さんなのかな。お庭には夏休みで暇を持て余しているらしい娘さんが現れ、なんだか家族のほのぼのした感じがじんわりと伝わるよいお寺でした。
真言宗は密教系で現世利益御祈願のお寺なので、お守りやグッズが豊富です。護摩をたく法要もあり、護摩祈願するともらえるお守りもあります。私としては興味をそそられましたが時間もないしググッと我慢。
そして私たちは次のお寺へと向かうのでありました。
※NAVITIME:ナビタイムジャパン社が提供する総合ナビゲーションサービス。
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