新たなサービス提供チャネルになるスマートミラー
ミラではIoT開発のためのアイディエーションフレームワーク作成に取り組んでいます。その中で研究を進めている先行事例について、これからいくつかご紹介していきたいと思います。
IoTと一口に言っても多くの分野がありますが、美容分野は医療、ペットと並び今後多くの製品が生み出されると注目されている分野です。
美容分野を代表する製品の一つが「スマートミラー」。ミラーにカメラやセンサーを加え、肌の状態や色味を分析したり、そのデータを蓄積して傾向を診断するなどして、適切なスキンケアを目指します。これまで個人の感覚任せだったことを数値化し、適切なソリューションを見つける、というのはIoTが得意とするところです。
しかしながら、それらのデータを見ても、どのように自分のスキンケアに反映させたらいいのか、一般の人にはなかなかわかりません。そこで、「スマートミラー」にはデータをもとにスキンケア製品をレコメンドしてくれたり、専門家のアドバイスをもらえるサービスがセットになっているものがあります。
例えば、「HiMirror(ハイミラー)」という製品は、肌の状態を様々な角度から診断し、ぴったりのスキンケア製品をお勧めしてくれます。また、その製品が実際に効果を上げているかどうかトラッキングしたり、バーチャルメイク機能で自分に似合う色を探したり、鏡に向かうだけで労せず美しさを手に入れられるよう多くの機能が提供されています。レコメンドを閲覧するのも専用アプリではなく、鏡をモニターとして利用していて、スマホに不慣れな世代を含め幅広い世代に手軽に使ってもらえるよう工夫されています。
また、「Shezmirror」という製品は肌状態の分析と専門家のアドバイスがもらえるというサービスの他に、スマホアプリと連動し、防犯通知機能やミラーに搭載されたカメラによる留守中のペット見守り機能なども提供しています。
このように、ただ製品を提供するだけではなく、ECサイトとつないだり、ミラーをデジタルサイネージ的に活用した新たなプロモーションが可能になったり、ミラーを新たなサービス提供チャネルとして活用できるという点がポイントです。
これらの機器・サービスを利用するには本体を購入する必要がありますが、多様なサービスと結びつけることで、高性能なものを比較的リーズナブルに提供でき、かつ開発側の収益構造を健全化し、サービス提供者には新しいチャネルを提供するという「Win-Win-Win」のモデルです。今後IoT導入の際の一つの流れになるかもしれませんので、引き続き注目していきたいと思います。
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