無形商材マン達がノベルティを作って有形商材の職人技を感じた物語(姫路の革製品)
ちょっとね、感動的な出来事を是非残しておきたく…
お客様のシンクインク株式会社様のこの企画覚えてますでしょうか?
開業一周年記念でノベルティ作るから営業してほしいって企画です。
感動的な営業、ありがとうございます。
今回、営業してくださった方…ありがとうございます。
凄く感動の営業でした。
実際に沢山案を出してくださり…
革製品⁉何それ!本が大好きな平井社長のニーズにピッタリなノベルティを
株式会社サードライフの中田さんのワクワクするプレゼンで…
大感動の営業をしてくださった中田さん…
この中田さんの営業秘話は後日またnoteにするとして…
シンクインク様×miraくる、姫路に行く
わざわざ、中田さんこのノベルティ作りのために記憶を辿って
姫路のレザーアーティスト一丞しゅん様のいらっしゃる姫路まで連れて行ってくださいました。
正直、それまで革製品のことをよく分かっていなかった私。
そうですね…むしろ、少し面倒くさいとすら思っていました。
何故なら、買うものが悪いのかすぐボロボロになるし
手入れもちょっと難しい。カッコいいけど…まだ分かりあってない存在。
まずは一丞さまとパートナー様のアトリエを見学させていただきました。
アトリエに入ると…たっくさんの革…だけじゃなく
そこには、見たこともない、これは…私の中で褒め言葉…
一見革で作ったと分からない、人形のアート作品が所せましとずらーーーり!
しかも、この革アートは裏方にスポットライトを浴びせるような、アートだったのです。
そう、裏面の革の方を使う手法です。
裏面の革は普通は靴底とかに使われるけど一丞さまはこの裏面の革を何枚も何枚も重ねるとのこと。そして作品にする。
はしゃいで写真を撮りまくってしまった…
そんな、大はしゃぎの私達を姫路のあちこちに連れて行ってくださって…
一つだけじゃない革の香り
私達にとって普段馴染みのあるあの革の香りは…
薬品などのなめし材の匂いなんですって…!それが、馴染みのあるクロムなめし。
クロムなめしを作るにはウェットブルーが仕入れられて、下地染めしてなめすから、薬品の香りがする。
対して、白なめしはなめし切ってない。ちょっと香りをかいでみる…。
平井社長びっくりしてたもんな。「え!ちょっと…肉っぽくない⁉」
つまり…クロムなめしよりも、皮そのものの…
あれ、何か、肉っぽい匂いする!
ちなみに、革はほとんど牛ですが馬や豚、鹿などもいるそうな…💡
様々な手法のなめし
スキン(皮)からレザー(革)になるのがなめしって手法です。
いくつか方法があるんですって…全然知らずに革製品使ってたなぁ…
クロムなめしは洗濯槽みたいなのでなめし切る
タンニンなめしは風呂桶でなめす
秀吉が信長に送ったとされる白なめしは水に入れるとスキン(皮)に戻ろうとする
…つまり、白なめしはわざわざ白くしているわけでなく、白になる(語彙力ないなぁ…涙)今は古来から伝わる、川漬けからの製法で白なめしを作っているところは存在しない
日本の伝統技術にも貢献してきた。私、全然知らなかった
皮の凹凸のことを〈シボ〉と言います。
水分含んでる薄いのを干して縮む際にできる凹凸がシボ!
昔は元々は手作業で薄く延ばしていましたが、今は自然のシボも勿論ありますが、型押しでつけられているものもあります。
この自然にシボがついてた牛の皮、何屋さんが一番購入されるのでしょうか?
太鼓屋さん!!!
恥ずかしながら、私は初めてそれを、この日に知りました。
太鼓のあのドンドコドンと叩いている表面に使われていることを。
さらに、さらに
牛の皮の裏側を昔の人
はコラーゲンで煮て食べてたとか…それが膠(にかわ)。
この膠、何と日本画にも必須なのです。
私、全然知らなかったなぁ…。
天然の膠と人工の膠は持ちが違うそうで。
人工の膠で描かれた日本画は色が取れてしまうのだそう。
太鼓と膠の共通点はやっぱり天然物が勝るのかぁ…と感じました。
本来の原点なのかな、と目が覚めた感じ。
天然って、ちょっと大変なこともあるじゃないですか。
だから、現代では人工物が沢山溢れているわけで…。
ややこしい、でも、それをアートにする職人魂
天塩となたねと油だけでなめす技術…天然そのものの白なめし。
塩となたねあぶらでただただ白くなる…。
ちなみに、高木の市川でしか白くならないそうです。
上の皮が白なめし
下の皮が膠。このぼこぼこは表に出来ない裏方ですが
一丞さまは、こちらを作品にしたいとのこと…。
え?出来ない方をやるって???
私、自営業で出来ない!ってなって2回ほどもう辞めようかと本当に
1回は家族にも3月末で辞めるわと言ってた時期もあるんですけど
出来ない、しんどい、ややこしいを作品にするって
何か、簡単に一言で言いたくないけど…素敵だよな。
クラシックな昔のレシピで作り上げる作品。唯一無二。
白なめしは作る人が少ない。
クロムなめしは何百枚と作れるのに対し、白なめしは一枚作るのに手間がかかるから。
だからこそ、私達がウィンドウショッピングで見かけるなめしは
色がほとんど変化しない、発色がいいのクロムなめしが多いとのこと。
それとは別に、年数と共に手の油とかで色の変化を楽しめるのがタンニンなめし。
個人的にはどっちが良いかっていうのは、分からない。
どっちにも素敵な良さがあるんだと思う。
ずっと、同じ雰囲気を保つクロムなめしの鞄は人生の一大事の時に買った気持ちを彷彿させるんだろうし
苦い思いで起業した社長の輝いた成功とは逆に、汗かいて営業しまくった名刺入れは古びてくるんだろうし
ただ、一般的には前者の方が選ばれるのかな、とは思う。
一般的というか、よく目にするデパートのアレとかね。
革はミスをしたら代わりがきかない。
だからこそ、私達が目にする市場に出回っているものは綺麗で美しい。
でも、一丞さまはありのままの革遊びをする。
一丞さまは革製品の「こうじゃないといけない」って概念よりも
もっと自由にしたらいいじゃない、と沢山遊び心を持っていらしてて…
そこにあるありのままの革、捨てられるはずの革、
市場で出回るには少し不格好な革だって
彼は活かして、びっくりするようなアイデアを作り上げる。
「この革に小物入れたっていいねん」的な事を仰ってるのが印象的だった。
そうだな、私は
革って当然ですが、そもそも命で出来ているもの。
でも、裏側だから…ここは色が…とかじゃなくて
どんな革にも命を吹き込んで、生きてるかのようなアートを作り出して
ありのままの姿の革で沢山遊んであげて、居場所を創る。(本来なら捨てられる)
彼は、拾う神!…ならぬ革の新たな居場所を、命を創る神!だと思ったのです。
感動的なノベルティ、完成。
見て、聞いて、感じてから選ぶ。
中田さまが撮影してくださった写真、私めちゃくちゃ嬉しそう。笑
だって!実際工場現場やアーティストさんの感性を聞いてから
革を選ぶって楽しいに決まってるじゃないですか!!!!!!
何一つと同じ姿はない、革の栞。
きっと、素敵になる気しかしない。
また別で語りますが、結局顧客企画に私も乗っかるという…。
でも。こうして企画をしたからこそ、中田さまや一丞さまに出会えた。
これから、このノベルティを通じて誰に面白くて新しい物語を届けられるだろう。
そう思うと、この企画をして本当に本当に良かった。
平井さま、企画考案をご指名くださってありがとうございます。
中田さま、思い出に残るプレゼンやワクワクする営業をありがとうございます。
しかも、ディレクションがまさかの現地の見学まで…
一丞さまとパートナーさま、この日1日私達のために沢山の現場を見せてくださり、お話をしてくださりありがとうございます。
私の物語の中に、皆様がいてくださることが、事業をする中の宝です。
この宝を、私も皆様みたいに一生感動されることをしていきたいです。
本当にありがとうございました。