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旅行代理店で働いた経験と在住者として考えたい問題〜マレーシアの交通事情〜

※今回の記事は先日起こったマレーシアでの日本人観光客のバス事故について長年旅行代理店で販売側で働いていた経験と住んで思うマレーシアの交通事情について話していきたいと思います。

改めて、今回の事故により亡くなられた方に深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。

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Selamat pagi MiRAです。
今回はマレーシアの交通事情並びに旅行代理店に勤務した経験をもとに
西マレーシアの観光プランは時間効率よくするのが、いかに難しいかを
お話できたらと思います。


⒈マレーシアの交通事情

マレーシアは交通事故死亡率が世界3位というワースト記録を持っており
急なカーブが続く道も多く
(ゲンティンハイランド周辺は特に事故も土砂崩れも多い)
KL市内だと複数の道路が混在する影響で、
目的地までの道のりが非常に困難な道路も多くあります。
(特にミッドバレー周辺・円みたいにクルクルしてる道多い)※語彙力・・

道路が効率的に作られていない以上、目的地までに時間を要し、渋滞も増えます。その為、タイムロスを埋めるのに速度制限を超えたりしやすい環境です。オーバースピード防止に下記の画像のようなSpeed bumpを設定している道路もありますが、あまり役には立ってないかと思います。道も広い方なので、よりスピードも出しやすい環境で、車間距離を詰めたり、急な方向転換をする人も多いです。

シンプルに伝えるとカオスです。ルールはあってないようなもの。

腰痛持ちと痔持ちの人には辛い※WIKI参照


⒉車無くして生活ができないマレーシア国民

今まで多くのマレーシア人と話してきましたが、KLで働くマレーシア人は、下記のような地方出身者(その他のエリアもある)が多く、進学や就職をきっかけに、日本でいう上京する感じでKLに住み・働いている人が多いです。

【主な地方出身エリア】
・トレンガヌ州 (レダン島とか有名)
・マラッカ州.    (古都マラッカ)
・ペラ州.            (イポーが有名)
・パハン州.        (キャメロンハイランドとかクアンタンが有名)
・ジョホール州 (シンガポールと国境沿い)
・東マレーシア方面(サバ州・サラワク州エリア)

マレーシア人は毎週末に家族に会いに実家に帰省する人も多く、
家庭を大事にする人が日本に比べて非常↑に高いです。
東マレーシアは飛行機になるので対象外になると思いますが、
車で行ける範囲の出身者は、5時間〜6時間かかろうとも
ハリラヤ・旧正月には帰省をします。(人によるけど大体そう)

帰省する人の中にも長距離バスを利用する人もいますが、長距離バスは、
人員不足や安月給・元々無免許の可能性があるなど問題が多いです。
(バス代金が破格の安さなので、労働者側にちゃんと還元されてないと思う)

その為、公共交通機関の安全性に疑問視をしている人も一定数いると思います。免許がなくても住みやすいマレーシアですが、2021年にもLRTで衝突事故が起きてます。

車を持ちやすい環境のマレーシアでは、公共交通機関を使うよりもマイカー所持をして、安全性を自分でコントロールする方がいいと考えている人が多いのです。マイカー持ってると便利ですしね。

正直【安全は金で買う】という考えもあると思います。


⒊マレーシアでの公共交通機関との付き合い方

⒈長距離バスでも空港行きのバスくらいの距離感にする
⒉短距離のバスでも運転が荒い事を理解して乗る。
⒊短距離バスよりもMobiやkumpoolなどエリアによって
 小回りのきく乗り合いバンの配車アプリを利用する
⒋混雑時や雨天時の利用を避けるか時間をずらす。
⒌ローカルメンバーがいたらどのエリアが危ないか聞く。

※今回事故が起きたペラ州の道路も事故が多いエリアだったそう。旅行とかでバスしか使えないエリアもあったりするので、普段から車運転に慣れている人から情報を得るのも大切!

上を全て守ろうとすると、一定数不便が生じるのである程度意識を変える事で守られる事もあると思います。滞在日数が長ければ長いほど、思ったより利便性のある環境に慣れ危機意識が薄れていく事もあるので、あくまでも今は外国にいる事を今一度考えてみるいい機会だと思います。

⒋西マレーシアの旅行プラン作成が難しい理由

今回の交通事故のルートは、日本の旅行会社のプランでは結構王道ルートで該当プランのルート詳細を調べましたが、検索にはHitしなかったので
下記は私が想像した範囲での恐らくの行程になります。

1日目  :日本からKL到着後、KL市内観光
2日目:KLからペナン島まで移動(バスor飛行機)
もしくはイポーまでKTMで電車移動してイポーからバスでペナン島まで行く
3日目:ペナン島から陸路でイポーへバス移動
4日目:イポーからキャメロンハイランドへバス移動(ここで事故)
5日目:キャメロンからKLへ戻る
6日目;KLからマラッカ移動(バス移動)
                マラッカ日帰り観光→KLへ移動
7日目:KLから日本へ帰国

※KL=クアラルンプール(マレーシア首都)

実際住んでみて分かるのですが、上のスケジュールで旅行するとした場合、観光というより結構移動が多い行程なんです。マレーシアの地形上、KL市外になると観光エリアがバラけてるので、移動がどうしても長くなります。特にKTMは時間通りにくる保証が一番ない電車なので、時間と行程がきっちりしている事が当たり前の日本人の気質に合わない行程になるリスクが高く、ここもバスでの移動になる場合が多いと思います。

また昨今マレーシアもインバウンドが多く、オーバーツーリズムになっておりドライバーの人員不足なども考えられます。(時間帯によりますが国際線のマレーシア出国のイミグレも週末は鬼混んでます。外国人多い)


私も友人や家族からマレーシア案内してよとか良く言われますが、限られた期間にどのように案内すればいいか迷います。正直KL周辺でツインタワー見せて、モスクやアロー通り行けば、もう手札がほぼない(知識不足ならすみません💦)ゲンティンはカジノが好きならアリ。キャメロンは遠い。


⒌私ならこうやってマレーシアへ行く

まず上の想像で書いたツアープランを解体します。そして各エリアのシーズンを必ず確認します(雨季だと面白みが半減するので)

【ゆったりプラン】
1日目:日本からKL到着(多分午前着)
     プトラジャヤかハトがOKならバトゥ洞窟とか観光する。

2日目:KLからイポーへ移動。   
              イポーで1泊する(プリン食べたい)

3日目;イポーから午前中にKTMでKLに戻る。 
    夜にクアラ・セランゴールでホタル鑑賞ツアー入れる(時間あえば)

4日目:KLからマラッカ観光
      日帰り観光する
 
5日目:お土産買ったり、マッサージしたりした後で夜便でまったり帰国。

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【ちょっと長期間の冒険プラン】

1日目  :日本からKL到着(多分午前着)
       プトラジャヤかハトがOKならバトゥ洞窟とか観光する。

2・3・4日目:レダン島か東マレーシア(コタキナバル)に国内線で行く
※要シーズン確認・お酒好きなら1泊2日でランカウイ島もあり

4日目or5日目:KL市内でマッサージ受けたり、
        hop-on hop-offバス乗ったりKL市内でダラダラする。

6日目    :KLからマラッカ観光
          日帰り観光する

7日目:お土産買ったりして夜便でまったり帰国。

⒍私はフリープランで行くのがお勧め

上の行程は、エリアを絞って時間にゆとりを持たせた感じのプランです。
マレーシアは正直KLエリアより観光要素はレダン島とかコタキナバルの方が
あると思ってます。レダン島は自然豊かで、海が綺麗だし、コタキナバルも
サピ島、マヌカン島まで行けば海は綺麗だし、シーフードが美味しくてお勧めです。

その為、行程が決まったツアーで消化しながら観光するよりも時間を調整したり、ゆとりを持つことが出来るフリープランに少し現地ツアーを入れた行程くらいがちょうどいいかなと考えています。

ただ少し旅慣れた行程になっている部分もあるので下調べは大事です。

マレーシアは国民性にも出てるんですが、急ぐよりも時間と気持ちにもゆとりを持つ事を重視している雰囲気があります。なので、業務でプレッシャーや責任を持ったりするのは苦手な人が多く、例えばの話ですが、今回のような事故もタイムスケジュールがある程度決まっていたと思います。もしスケジュールに遅れが生じていた場合、時間を取り返すためにある程度のスピードを上げるという傾向はドライバーなら考える事だと思います。
※実際の事故はどうだったかは分かりません・・。


日本の国民性だと、効率重視でいかに多くの観光地を回るか考えがちになるかもですがせっかくマレーシア来たんだし、日々の忙しさを忘れてまったりしましょうやって旅行もいいと思います。

⒏最後に


誤解されると困るのですが、今回のツアー事故を非難する意図で今回の記事を書いたわけではない事を理解して頂きたいです。同じ日本人が数ある国の中でマレーシアを選んで旅行を楽しんでいる中で、このような悲劇に見舞われた事はとても悲しく、残念に思っています。行程的も多く主催されていたルートですし、マレーシアという国を十分に満喫できるプランだと思います。

今回は、現地に住んで改めて自分の身の安全を守ることの大切さを認識しましたし、どこかで慣れてしまっていた慣習に落とし穴がある事を思い出させてもらったところもあります。ローカルメンバーにも安全運転で無茶したらダメだよと周知もしています。

最近はマレーシアに観光や移住の視察で来られる方も増えており、日本人が増えたなぁと思う事も多々あります。日本の安全性を含む、物事に対しての意識の高さに慣れてしまうと予想外のトラブルに見舞われる事があるので、ある程度の自衛と完璧でない環境を受け入れる気持ちで過ごされると、
海外にいる事を楽しく過ごせるのではないかなぁと思う今日この頃です。

また何かあれば更新します。

jumpa awak!(またね!)

MiRA

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