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ヒゲとボイン

ほんの半年くらい前まで
出かける出かけないに関わらず毎日メイクをしていた。朝メイクをして気合いを入れる感覚。
これから1日が始まる!というルーティン。
仕事が休みの日でも必ずだ。

ところが、乳がん療養生活に入って外に出ない日々を数ヶ月過ごすとメイクを施す意味が無い。
誰にも会わないし、塗って落とす作業が面倒くさい

そうして過ごしていると、
眉毛はボーボー、そして鼻の下と顎にヒゲ。

私の祖母は代々の鹿児島人でご先祖様は島津家に仕えていたというのだから南国薩摩の血が濃いのである。

朝、顔を洗ったら視力が悪いので鏡も見ても細かいところまで見えていない。時々メガネをかけて鏡を見て「おわ!ヒゲ!」と思うのだから薩摩の血を侮ってはいけない。

なぜ、毎日メイクをしていた時にはヒゲが生えなかったか?…ということだが、メイクをした時に必ずうぶ毛を剃ったりしていたんですね、無意識に…。

女は鏡を見ないとヒゲをたくわえる。
もう、元気になったが毎日メイクの習慣よりも休日はノーメイクの習慣が身についてしまって、たまに何気なく玄関チャイムが鳴ってスッピンで人に会い、あとで
「ヒゲ!」…ということもある。

ヒゲ問題、真面目に考えないといけない。
薩摩の血、濃いからなぁ……。

ヒゲといえばボイン。
「ヒゲとボイン」byユニコーンである(強引 笑)


我々世代、バンドブームの渦中の者にとって
ユニコーンはマジ卍神である。
そんなユニコーンの全国ツアーのチケットが取れたのだ。

自慢するだろ!

ところが職場の若い子はユニコーンを知らない…

ええええええええー!
あのユニコーンですよ!


と、力説したところで「奥田民生は知ってるけどユニコーンは知らない…」という。

次男坊にその話をしたら、
「玉置浩二は知ってるけど、安全地帯は知らないとかハマケンは知ってるけど在日ファンク知らないのと同じじゃない?」というまともな答え。

そうか…。
せやなぁ。

最近はそういうことが増えてきた。

若い子と働いていると仕方ないが、
話をふるいにかけてこれは通じる、これは通じない…と考えながら話さなければならない。
私より15.6歳年下の子に「菊池桃子がさー」って
言ったらキョトンとして「菊池桃子って誰ですか?」…と言われた時のショック。あの菊池桃子だぞ!


おかげで職場の50歳付近の者たち(店長とか同僚とか)に
○○のチケット取れたんですよ!
お!いいやん!と
じじとばばの共通言語でひっそり盛り上がる…。


若い時にジェネレーションギャップでおじさんって
おもろないなぁ…と思っていたけど自分がまんまと
そちら側である。

ボインついでに言うと私は貧しい乳と書いて「貧乳」と呼ばれる種族である。
長らくコンプレックスであったのだが、ある時夫があまりに私が乳がないことを嘆くので私の顔に真木よう子の水着姿の身体をつけて加工してくれた。
恐ろしくエロい自分。

「エッロ!エッロ!気持ち悪。」
と盛り上がる夫婦。
乳の呪いから解放された瞬間であった。

私の顔にはちゃんと貧しい乳が合っていた。
ま、その貧しい乳ですら再建せず全摘したんですけど。

乳房再建しない場合、
胸の大きな人は型取りして胸を作るのだが、
聞いた話によると3万円くらい、何年かごとに作り直しをするらしい。
もっと精巧な義肢的な義おっぱいになると30万はする。


わずかな丘であった自分は1600円のウレタンパットで充分補正されている。服を着れば完璧なのだ
ビバ貧乳。お金かからない!

ヒゲとボイン…若い子が知らなくても、
ワシにはこのワードが刻み込まれている。


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