子供の脳出血 息子の闘病記 ~最初の発見~2
2004年5月26日
この日、息子から私の職場に電話があった。「友達の家に遊びに行ってもいい?自転車で行くけど」
息子は小学校4年生、普通なら自転車に乗るのは大丈夫な年ごろ。
でもうちの子はとてもへたくそ。いやな感じがしたけど、「車に気をつけるのよ。」といって
電話を切る。その30分後、今度は小学校の先生から電話。
「息子さんが交通事故にあった。いま、救急車で病院に行きました。T大学病院です。最初の連絡が学校に来たので、担任が付き添っています。」
「はあ?」
今の話が飲み込めないまま、とにかく病院に向かうと電話を切り、主人に電話。
いったい何があったのか?どういう容態なのか・・とにかく不安だけで病院に向かう。
救急外来のベッドに寝ていた。
体中傷だらけ。擦り傷とか黒いタイヤのあと・・・
意識はある。内心ほっとする。
整形外科の先生から説明。「鎖骨骨折です。全身レントゲンで調べましたが他に骨折はありません。
鎖骨を固定するバンドをします。だいたい全治3か月ですね。」
「そうですか、わかりました。」
「じゃあ、次は脳外科のほうから説明があります」
「脳外科?・・・・」
なんだろう、ほかにもあったの?
脳外科のドクターの説明
「頭を強く打って、脳しんとうを起こしたようです。意識は回復していますが・・
CTでみると、この頭の中央に白い影がありますね。これが、なんなのか・・・
出血しているならば、今夜が峠です。」
「はあああ?????」
「今夜が峠?」
とりあえず、ICUに入る。
担任の先生は、学校に戻り息子の状況を説明するという。
事故から6時間後、再びCTを取る。
白い影の大きさが変わらない。
これは出血ではないとは判断。では何?
それでも、安静は解けない。でも本人はかなり回復。
翌日、別のドクターに呼ばれた。「脳動静脈奇形、息子さんの病気です。事故とは関係ありませんね。」
「で、治るんですか?それは・・」
「治りますよ。ガンマナイフという方法があります。必ず治りますよ。
ただここじゃできない。その設備があるのは、数か所しかないから。そちらに紹介状を書くから、
納得するところで治療するといい。治療しないと、脳出血のリスクが大きくなる。
ただ、何かに気をつけて生活することもない。今まで通りで何か起こるわけじゃないから。」
主人も私も、言葉がなかった。
なんだ?脳動静脈奇形って?先天性?脳出血?
疑問ばかりが残ったけれど、とにかく治療する病院を探すことと、この事故は不幸中の幸いだったかもしれないと思い直したこと、そして改めて、この事故も死んでいた可能性があったとこを後から知り、
この強運を信じて、必ず治すと心に誓ったのでした。