見出し画像

子供の脳出血 息子の闘病記 ブログから 1

子供の脳出血(くも膜下出血)なんてあるの?というのが一般的な反応です。
うちの息子は中学1年生の時、クモ膜下出血を起こしました。
脳動静脈奇形をもって生まれたために、発症したのです。

さいわい、発見は9才の時だったので、すでに1度ガンマナイフで治療をしていたので、
死にいたる出血にならずに済みました。

若年性くも膜下出血というのは、10代から20代までにおこることを言うのですが、その原因はおおむね脳動静脈奇形を疑うそうです。

そして、そのほとんどが脳動静脈奇形が原因なのです。

しかしながら、それまで普通に生活して全く元気に生活しているので、その存在自体知らずに成長してしまうのです。
ある日突然、脳出血を起こすケースがほとんどです。
出血の場所によって、いろいろな症状があります。


うちの息子は、脳室内を中心に上方向に出血しました。
この脳出血は、前頭葉にかかれば、記憶障害。右側の運動領域ならば左麻痺、同様に左の運動領域ならば右麻痺。後頭葉ならば、言語障害や視野狭窄など・・・あるいは脳幹になると命にかかわってしまいます。
このいずれの方向に出血すると、それに合わせた後遺症が出てきます。

出血してダメージを受けた脳はもう元に戻ることはないといわれました。

しかし、この脳動静脈奇形をもった子供は、まずそのエリアに血液がまともに流れないので未発達の可能性があるからあまり影響がないことが多いともいわれました。

あとは出血量の問題になります。

体内に流れない場所での出血は血腫を取り除く手術を必要としますが、
体内に流れるようならば、温存療法になります。

息子は後者で温存療法で回復しました。しかしながら、微量出血を含めると通算4回の出血。そして浪人生の時に再発し出血。その後大学1年生で再出血。
大人になってからの脳出血は子供の時代とは若干異なりました。
今思い返すと本当に命がいくつあっても足りなかった。

Yahooブログで10年ぐらい持っていた記事ですが、たくさんの方が読んでくださっただけでなく、同じ病気ですというメールをたくさんいただきました。改めて、 この恐ろしい病気に立ち向かって生きる人たちは予想外に多いと思いました。
あの当時10万人に一人と説明されましたが、こうしてブログを始めるとこんなにいたの?というのが本音です。

そして、最近TVでも紹介されましたが、「奇跡の脳」を書いたアメリカのテイラー博士には感動しました。脳科学者であり同じように脳動静脈奇形で脳出血を起こし、再生した方です。彼女の本は、脳出血の状況から冷静に記憶していることを記録し、記憶が無くなってから再生するまでを科学者の目線で書かれています。今後の脳の再生にも期待が持てるような気がしました。



意外と知られていない脳の病気。そしてその回復方法も自分たちが経験しないとわからないですね。

それでも、回復には時間がかかります。
脳はデリケートで、可能性に満ちていて、その再生能力の高さも今知られている以上のことがあるかもしれないと期待しています。
脳の科学はまだまだ進化していくと思います。
人間は捨てたものじゃないので、可能性をあきらめないで生きていきたいな。やっぱり病気に立ち向かうということは、本人も家族も絶対にあきらめないという意地が大事なのではないかと思います。

少なくとも私たち家族は覚悟を以て臨んできました。

この記録を少しずつ公開していきたいと思います。

纏めたものは電子書籍にしました。発症から高校生までの記録です。死にかけたことから回復期そして一度は完治といわれるまでの記録です。

いいなと思ったら応援しよう!