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日本の学術に関する政策的失敗

ノーベル賞の発表に報道関係でいつも気になる事がある。
日本国籍を捨てて海外に渡った研究者が受賞しても「日本人」受賞者ともてはやす。

文科省の切り捨て
民主党政権の時代忘れられない言葉がある。
「世界一でなければならないんですか?二番目じゃダメなんですか?」
当時、「いいわけないだろう。それでは学術的に評価は出ないんだよ。」
そう思っていた。
そして2004年小泉内閣の時、時の文部科学相である元東京大学総長だった有馬郎人氏により国立大学は行政改革の一環事業のひとつとして、独立行政法人化されました。後に有馬氏はこの政策は失敗だったと寄稿しています。
 これによって、大学の研究資金は自前調達が主な財源となりました。
大学の研究を自由にするためだと当時は言われてました。
しかし、これによって大学の教授は資金調達のために企業まわりを余儀なくされ、研究に費やす時間も減少、そして研究そのものが常に資金不足でまともにできないという状況になりました。企業は儲かる研究には資金提供しますが、その可能性のない研究にはお金を出しません。そして儲かるかどうかというのも短期的効果を期待するもので、いつ成果を見るのか?については資金提供しません。
大学の教授たちの絶望ぶりは悲惨でした。
そして教授たちは優秀な学生に院に残る事を勧めません。

それは院生にとっても、研究助手にとっても中途半端な囲い込みにより、生活もできないという事になって到底勧めることができないのです。

さて、ノーベル賞に戻りますが。論文発表件数で言うと中国は1位で56,000件を超えていますが、日本は13位で3,900件をこえた所。
その昔は3位と言う時代もありました。この数の減少は、研究ができなくなった事だけでなく、研究者が海外に出て国内にいなくなったと言う事です。
これで日本人受賞者は出るのか?
ともてはやすマスコミに怒りを覚えるのは私だけではないと思います。

文科省はいまだに見直す事をしません。増税すれば軍事費に持っていくような国です。
教育政策というのは、決定し始まってすぐに結果が出るものではありません。
あれから30年近く経過し、この悲惨な状況をどうやって転換させるのか。
失敗を認めているのであれば、見直すのがビジネスのセオリーです。
放置を続ける日本の学術、教育行政のありように一国民では何もできないのだろうか。

資源のない日本

言われなくても誰でもわかっている事だが、なぜ一時期日本は世界に誇る技術を持ち得たのか。少なくとも今よりも国は予算を取り、補助金体制も今よりもマシだったと思う。それでも多くの優秀な研究者はこの国を捨てて、研究ができる環境を求めて海外へと渡ったのです。この国の研究者に対する敬意が欠けているとしか思えない。
そして意味不明な学術会議。国に忖度する研究者は残るけれど、反対する研究者は除名するとした安倍政権。
学問に忖度なんかないのです。
自分たちが信じるものを信じて仮説を作り検証するのが研究です。
どこに忖度が必要ですか。
しかし研究費が国に抑えられれば忖度するしかないわけです。
うまく取り込めればお金ももらえる世界です。
お金
結果が見えないものにお金をかけない
ノーベル賞を取った日本人研究者は、海外で研究を継続してきた方が多くいます。それはこの国でできないという面があるわけです。

資源のない日本で学術面で遅れを取れば、永遠に後進国に成り下がると思います。
日本は凄い!!なんて自画自賛していますが、すでに海外からの評価は後進国。そして技術大国と言われたこの国は観光だけが経済資源だとはばかることなく報道されている。いったい、この国はどこへ行こうとしているのだろう。
拠点を海外に移した日本人はすごい人がたくさんいますが、国内ではなかなか見られなくなりました。研究者として絶望している人たちがどれほどいるだろう。研究費あるいは研究者としての自由度など海外の方が可能性があると思うからです。
医学でも研修医をいつまでもやっても技術が上がらない事も言われています。それは年功序列であったり、階級制がありその体質は近代以前の体制のところが少なくないからです。しかも、研修中はどれだけ勤務しても給料ではない。そんな待遇はいわゆる先進国においてはきいたことがありません。いま有名なドクターは海外で技術を磨いた方が多い。
この国の体質に見切りをつけるのも仕方がないと思います。
もっと自由に研究ができる国になってほしい。この国に残っていても研究ができるように。

ノーベル賞は他にない研究であったり、どこよりも先に発表できた論文であったり一番でなければ貰えないんです。

IPS細胞の発見はタッチの差で山中教授が勝ちましたが、同じ頃アメリカもあげていました。あの時本当によかったって思いました。

大学教育あるいは学術開発の失敗についてもう少し検証すべきです。
ノーベル賞で浮かれる前にノーベル賞を取れる環境を作りませんか。

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