患者さんが食べられない原因を見つける
お腹は空いている
でも
食べられない
こんなに辛いことはないですよね。
今日はT子さんのお話し。
。。。。。
T子さんの食べる量が少ないなぁ。
状況:食事の摂取状況から患者さんの“今”をみる
T子さんは
先日入院した80代女性。主病名 顔面麻痺
食事は五分がゆ食 おかずの形態は超きざみを提供している。
食事の摂取量は2~3割ほど。
少ない…
検査データから栄養状態が下がってきていて
このままだとT子さんの身体のコンディションは良くない方向へ。。。
主治医の記録に『顔面麻痺に特徴的な口角下垂』
もしかして・・・。
食べ物を口の中にkeepできないのでは??
とにかくT子さんに会いに行こう。
昼食時、T子さんのもとへいくと
「顔の左側が上手く動かないのよ」と、不安そうに
T子さんは自分の手で顔を上に持ち上げる。
続けて
「首もね・・・痛いの」
さらに
朝食についたジョアもストローを刺さず蓋を開けて
スプーンですくって飲むというのだ。
食べる思いが上手くいかない苛立ちと
顔面麻痺の症状が強すぎて食べようとすると顔が真下を向いてしまう
ああ、そういうことか。。。
アセスメント:食欲がないのではなく、食べる機能が上手くいかない
人は食べ物を口に入れるとき、通常下を向かない。
そして、
噛むとき
飲み込むとき
ストローで吸うときなど
口を閉じる。
T子さんは食べるときの動作が顔面麻痺によってできないのだ。
Plan:食べられるようにするために
私はT子さんに話した
T子さん、ジョアなどストローを使うものをヨーグルトやゼリーにしてみたら食べられそうですか?
「スプーンで食べやすいものが嬉しいわ」
もう一点私が続ける
食べるときに、まっすぐ前を向いてスプーンを口に運んでくださいね。ちょうどテレビの画面を見る感じですから意識してみましょう。
Goal:退院へ
食べることに自信を取り戻したT子さんは、自ら退院に向けて希望を伝え始めた。
「五分粥のままだと作ってくれる娘が大変だから、普通のお粥を食べられるようにチャレンジしたい」
回復に向けて加速し始めたT子さんは、症状が軽快に向かい退院された。
以上、T子さんの栄養管理のお話しでした。