義弟の葬儀にイタリアに行ってきた(編集後記)
今回の記事の執筆は遅々として進まなかった。ダニーロの愛する弟の葬儀の話に人の悪口しか書けない罪悪感と、相手はその瞬間から忘れているような終わったことをいつまでも執念深くこんな記事にまでしている自己嫌悪と。そして書けば書くほど自分の情けなさを晒すような気もして。
自分の良識との戦いで、書くのをやめようかとも思ったけれど(金になるわけでも誰のためになるわけでもないし)とにかく書きました。「義妹とのことは次の投稿で書きます」言うてもうたし。そして、いまだに思い出すと嫌~な気持ちになるので、書き記すのがしんどかった。でもどこかに、記録しておきたい癖もあって。
ド本音。私が人生で会って来た「嫌な奴ランキング」ベスト5に入るような奴が親戚にならなくてほんとによかった!結婚って(私は未婚だけど)相手とだけじゃなくて相手の家族との結婚て聞くけど本当だね。相手のファミリーメンバーがみんないい人ばかりなんて…なかなかないのかな。たとえみんないい人でも問題は起こるのが人間関係の常だしね。
帰国の2日前、ダニーロの両親とダニーロに囲まれて「将来のことはどう考えてるんだ」と詰められた話はしたっけ?隣にはダニーロがいて「みおがお母さんに切り込まれてる…」といった感じのちょっと笑いだしそうな何とも言えない顔をしている(腹立つ)。パパもこっちを見ている。「ジェロニモがいない今、私はこの子には絶対に幸せになってもらいたいのよ」と言ってお母さんは泣き出した。まじか。
私は、昨年秋に結婚書類を携えて、結婚するつもりでスイスまで行ったこと。でもダニーロがスイスでの仕事を始めたばかりでなかなか手続きのことに集中できなかったこと。ダニーロは結婚手続きの前に自分で仕事を得ろと言ったこと、でもパスポートだけで滞在している(ビザなし状態の)私が海外で仕事を得るなんて不可能に近いことを話した。
本音は「決死の覚悟で結婚しにスイスまで(しかもコロナ禍に)行ったのにちゃんと向き合わなかったからタイミング逃したのはお前のせいじゃん」と言いたかったけれど両親の前で息子をディスらないように湾曲表現した私。
…文章の中に「コロナ禍」っていうワード含めると記事投稿した時「新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。」って文言が無駄に出るから嫌なんだよな…
ダニーロはまたこう言った。「義妹は海外で仕事してるけど…」またそこから説明しなきゃいけないのか…。っていうか、まだわかってないんだ、やっぱし。私と義妹とはちがうって話を。彼女は祖国で就職して、転職でインドネシアにいるんだよ。最初からビザある状態で転勤してるだけだから…。これ以上言わせんなよ。
ダニーロは「このまま帰国せずに一緒にローマの大使館に行って結婚手続きしよう」と言いだした。冗談王国の住民なのだろうか。話にならない。「いや、まず仕事辞めてこなきゃいけないし、日本から取り寄せないといけない書類もあるんよ…」と力なく答えた。疲れる。もう、この期に及んでこのレベルの理解力の人と結婚なんて無理だろ。何回同じ説明させんねん。
帰国前のPCR検査へ向かう車の中でも、空港で別れる時も、「今度会うときは結婚しような」と言われたので「だったらちゃんとプロポーズしろや」と返したが、私の中で結婚はタイミングを逸した感が強い。彼がぐずぐずと、決める時にビシッと決めなかったせいでコロナ禍に突入してしまい、埋めがたいギャップができてしまった感じだ。彼はどんなモチベーションで私との交際を続けているのだろう?私からはもうあまり連絡もしなくなったし、彼の返信も淡白なもんだ。それでもまだ彼の口から「結婚しような」という言葉が出てくることが私には不思議だった。
ダニーロとの結婚とか、家庭を持つとかいう興味はもうとうに薄れて、私は違う未来を見ている。私が一番情熱的で、彼との将来に一生懸命だった時に、彼は自分のキャリアを追いかけていた。それでも別れないままイタリアに帰るのであれば、日本を離れる時にちゃんと籍を入れるべきだったんだ。彼にビザの知識がないのなら、それしか正解はないじゃないか。
彼のことを嫌いになったわけじゃない。別れ方がわからない、が本音だ。
イタリアは不織布マスクまでイタリア!って感じ出してくる(笑)こんなん日本じゃよう付けんけど。
あのたったの一週間の旅から、なんとなく自分の中のリズムみたいなものが崩れてしまって、仕事も慣れて軌道に乗りこれから頑張りたいことにも熱中できていたのに、意欲がストンとなくなってしまって、停滞している。
ダニーロと自分の関係をどうするかも、いい加減クリアにしなければと思う。ここがスタックしているから何をするにも勢いよく前に進めない自分がいるのは事実だと思う。
昨年末のクリスマスイブにスイスから帰国したとき以来の、成田でもらえるCovid-Negative証明。前回と違うのは用紙の右上に「negative-陰性」と書かれたスタンプが押されるようになったこと。昨年末はこのスタンプがないから「これじゃ陰性ってわかんないじゃん」と思ったことを思い出す。成田に16時に着いて、解放されたのは2時間半後だった。
PCR検査のほか、アプリを3つもダウンロードさせられ、そのひとつひとつのアプリの説明を個別に聞かされた上、細かい文字ばかりの読む気も失せるぶ厚い冊子を渡された(実際全く読まずにゴミ箱に直行した)。あと、何かと色んなサイズのバラバラした紙をいっぱい配るよね。一つにまとめぇ!!って思う。あーーーー日本(だりーー)!!!って感じだった。
自主隔離の間、3つのアプリを常に気にしていなきゃならないのは面倒だった。こんなもん絶対一本化できるだろ。ちゃんと隔離してるか調べるため現在地を毎日レポートするためのアプリと、係員またはAIから現在地を調べるために毎日かかってくるコール用のアプリ、そしてそれらとは別にメールで毎日の体温と体調を聞いてくるアンケートが届いた。
係員(誰?)もしくはAIからランダムに、日によっては複数回コールが来て、こちらのカメラをオンにして対応する必要があった。自分の顔と背景がしっかり映るようにして、ちゃんと自主隔離していることを証明するためのコールだったが、人間からのコールはたったの一度だけであとはAIからだった。そのたった一度だけあった人間からのコール、男性だったのだがすごく横柄でむかついた。「もしもぉーーーーーし。自主隔離のチェックのためにかけてまぁーーーーす(大声・棒読み)」みたいな、およそ初対面の(相手はカメラオフだが)人に話しかける態度ではなかった。誰やねん。
もっと色々シンプルにわかりやすくconciseにできるはずなんだよね。日本の色々が遅いのってとにかく無駄が多いからだと思う。無駄なこと不必要なことにいちいち足をとられて前に進めない。重い泥の中歩いてるみたいな。今何が必要で何をすべきか、焦点当てるべきはそこだけなんだよな。非常事態は特にそのPOINT OF VIEWが大事なんちがう?と思うけど。まぁ素人が勝手に思うことですけど。大きな金が動いててお偉いさんの損得に関わるから、明らかにズレてる方向に暴走できるんでしょ。国動かす人らが金に目がくらんでるから。こんな非常時に。…ってこんな非常時にワクチン未接種で衝動的に欧州に渡った私は感染しなかっただけ奇跡ってなもんで、偉そうなことは何も言えませんわ。
あの意味不明な義妹と、今後会うことがあるのかどうかはわからない。私とダニーロが別れたら確実に一生会うこともないだろうけれど、もう私は二度と彼女の痛みに寄り添うことはできない。彼女は私に羞恥心と罪悪感と不快感という深い爪痕を残した人物として私の中に記録されるであろう。
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