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片側顔面痙攣の手術_編集後記

さてさて、10編に渡って片側顔面痙攣の手術の記録を綴ってきました。手術から5ヶ月以上経った今、症状は完全に消失して、顔面痙攣を患っていたこと自体を忘れてしまうほど。心おきなく笑える、人の目をみてコミュニケーションを取れる幸せ。「あたりまえ」ってやつが、いかに幸福なのかを実感しています。

実は10編に渡って書いてきたこの記録は、9月にアメブロに書いたものを少し修正して転記したもの。9月の時点では、術後の症状として「後ろを振り向くときに多少つれ感というか、違和感がある」と最終回に書いているが、今はそれも全くない。

今あるのは、疲れた時や低気圧の日に、傷口が痛む。そんな時は特に、口の動きと連動して手術の傷が少しひきつれる。

片側顔面痙攣の手術で何が一番辛かったかって、記事に何度も書いているが、やはり激しい吐き気・嘔吐だった。この吐き気は、全身麻酔の影響で出るものだが、頭部の手術の場合に使える吐き気止めが弱いものしか使えないためとのことだった(これは入院中に看護師に聞いた話なのだが、具合が悪いときに聞いた話なので、もしかしたら聞き間違いがあるかも)。

術後に気を付けていることは特にない。医師にも術後の生活に制約はありませんと言われたし、術後2ヶ月後に20時間近いフライトでスイスに行った。今回この手術記を投稿するにあたって、コレステロールに気をつけるように言われていたことを思い出した。全く気をつけていない…。気をつけよう…。

特別な取り柄など何もない私だが、あなたは笑顔がいいと幼い頃から褒められていたのに、笑うと顔が歪み、目が潰れるようになってしまったことは私の心に影を作った。人の目を見て話せなくなり、痙攣が出そうになるととっさに目をそらして相手にバレないよう目を伏せるようになった。本を読んでいても目が激しく震えて集中できなかった。特に夜は一日の疲れが出るのか、痙攣が酷く気が散った。

7年ほどをかけてゆっくりと悪化していき、ここまできたら手術しかない!と思い切った。スイスに渡り長らく住む予定だったので、その前に手術を済ませておきたかった。頭を切る手術なので、それはやはり恐怖だったが、また以前のように人目を気にしないで笑える自分になりたかった。

手術にあたってくださった医師はもちろん、看護師さん、入院した病院の担当医のみなさんに心から感謝している。


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