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高校生は自己肯定感が低い??現役高校教師に実際のところを聞いてみた。

日本の子供は自己肯定感が低い。

昨今、この現状を問題視する声が多く上がっています。

図表1、2は、日本、米国、中国、韓国の4カ国の高校生を対象として、自己肯定感についての意識調査をした際の調査結果です。

図表1 自分自身についてのポジティブな質問

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図表2 自分自身についてのネガティブな質問

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国立青少年教育振興機構(2015年)『高校生の生活と意識に関する調査』

日本の高校生は、「私は人並みの能力がある」「自分は体力には自信がある」「自分は、勉強が得意な方だ」「自分の希望はいつか叶うと思う」と言う問いに対して、「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した者の割合が、4カ国中で最も低い。一方、「自分はダメな人間だと思うことがある」の問いに対して、「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した者の割合が高く、米中韓を大きく上回っている。
___国立青少年教育振興機構(2015年)『高校生の生活と意識に関する調査』

日本の学生の自己肯定感って本当に低いんですね...

図表1のようなポジティブな質問に対して、「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した生徒の割合は4カ国中、日本がもっとも低いです。

 一方で図表2の「自分はダメな人間だと思うことがある」と言う質問に対して「とてもそう思う」「まあそう思う」と回答した日本の学生は7割にも及ぶことが調査結果からわかります。

このような自己肯定感が低い状況を、高校生に一番近い立場で働く高校教師はどのように考えているのか。また、どのようなアプローチで生徒と向き合っているのか聞いてみたいと思います。

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【濱田剛志】1993年青森生まれ。県内有数の進学校へ入学。高校時代は硬式野球部キャプテン。早稲田大学で野球がしたいとの思いから3度にわたる壮絶な受験戦争をするも無念の敗走。地方の国公立大学に進学する。現在は青森県のとある地域で働く英語教師。担任を持ちながら野球部の監督もこなす多忙な日々を送っている。

今回インタビューさせていただくのは高校時代、部活も、クラスも一緒だった、濱田剛志です。筆者と同じ日に、同じ病室で生まれた運命感じちゃう境遇です(笑)

では、さっそく色々聞いてみたいと思います。

〜〜〜日本は自己肯定感が低いと言うことが取り上げられることが多くなってきたけど、現場からはどのように感じてる?

勤めている高校での話にはなるけど、自己肯定感は低いなと感じている。

理由として考えているのは自分の状況に負い目を感じてると言うこと。

〜〜〜自分の状況?

そう。大きく2つあって、1つは能力的な面

俺が勤めている学校は小さな町にあって、偏差値も低いし、スポーツでもあまり目立たない学校。地元からの入学者が多くて、ほとんどが小学校から同じ面子。

一方で、その地域でも勉強やスポーツができる子は町から出て、大きな市の学校に進学する。

だから自分の学校に通っている生徒は、学校で評価されがちな勉強、スポーツの側面で「どうせ自分なんて」と言う意識の生徒が大半。

もう1つは経済的な面。偏差値が低いことと関係があるかどうかはわからないけど、片親の生徒だったり、あしなが奨学金をもらう生徒もいたりで、経済的な面で負い目を感じている生徒も多い。

〜〜〜自分の状況に負い目を感じている生徒はどんな行動をとる傾向にあるの?

とても消極的だと感じている。何事に対してもポジティブな感情が湧かないから、チャレンジしないし、頑張ってみようとは思う人は少ない。

例えば就職先はほとんど県内だし、実家から通えるところで希望する生徒が多い。

あと普段の学校生活で感じるのは、コミュニケーションが下手だと言うこと。

〜〜〜コミュニケーションにまで影響するんだね...

おそらく、自己肯定感が低い=自分に余裕がない状態なのだろうと生徒を見て感じている。自分に余裕がないと言うことは、そもそも、他人の意見を聞いて、理解するような余裕もないわけで、そうするとコミュニケーションも難しくなってくる。

加えて感情表現もあまり上手くないから、SNSでのトラブルは結構起きる。

〜〜〜濱田はこのような現状を鑑みて、どんな対応をしてるの?

自分が受け持つ野球部では、とにかく、学校以外のコミュニティに参加するように促している。

例えば、ボランティア、近くの介護サービやイベント、祭りの手伝いとか。
あと、バイトにもチャレンジさせたりもする。

自己肯定感が低いのは”成功体験”が少ないからだと思ってる。

だから出来るだけ学校以外の場所で、いろんな人と関わりを持つことによって、新しい挑戦をすることによって、”成功体験”を積ませてあげられればと考えている。

〜〜〜実際に学校の外のコミュニティに送り出した生徒に変化はみられた?

挨拶とか、返事はすごい変わるし、意識できるようになる。前向きにもなるから、発言とか、行動とかにも良い意味で変化を感じている。

あと、ボランティアでもバイトでも同じだけど、人の話を聞かないと行動できないから、自然と傾聴力が育つ。
相槌、人の目をみるとか当たり前のことができるようになって帰ってくる。総じてコミュニケーション能力は上がっているなと思う。

〜〜〜今後、教師としてどんなことを意識していこうと考えているの?

やはりさっきもいったように、教師として、生徒に対して”成功体験”を得られる機会を多く作ってあげたい。

例えばゲームみたいにある程度のことをやればクリアできるみたいな、
分かり切ってることをできたとしても生徒の自己肯定感は上がらない。
試行錯誤、失敗、迷ったりして得た成功体験こそが自分の自信に繋がると思うから、そのためにいろんな機会を生徒に与えていきたい。


ー高校生の時、ここまで考えてくれる教師のもとで学べたらどんなに幸せだったでしょうか...(泣)
”成功体験”を積むことで行動やコミュニケーションに変化がみられると言うのは面白い発見でした。また、それを教師の立場から実践していると言うのも同年代としてさすがの一言です。

今回はお忙しい中お時間いただきありがとうございました!*










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