青年期ってなんだろう。身近なキャラクターに当てはめて考えてみた。
どうも! TOKEのみおです。
今回は”青年期とは何か”について考えみたいと思います。
ところで、中学生から高校生の子供を持つ親御さんで、こんな悩みを抱えている方はいませんか。
・子供が何を考えているのかわからない
・相談されるがどう対応して良いかわからない
この時期は非常に繊細な時期で、心も体も不安定です。
周囲の大人が彼らを理解し、サポートしてあげることで、彼らの今後の人生を良い方向へ導くことができると思います。
この記事では上記の悩みを抱える親向けに青年期とは何か、また、どのように彼らに接すれば良いのかをまとめていきます。
1.青年期とは何か
エリクソンによれば、おおよそ13歳から22歳ころ、中学生から大学生までの期間を青年期と定義しています。また、青年期に大人になるために解決しなければならないこととして、アイデンティティの基盤を固めることをテーマにあげています。
アイデンティティと言うと少しわかりにくいですが、自分が子供のころを思い出してみてください。
「自分はなんで生まれてきたんだろう」
「進路って言うけど、一体俺は将来なにをしたいんだ」
「自分の存在意義ってなんだろう」
学生時代、こんな問いを自ら投げかけた時期が少なからずあったと思います。
この問いに納得感を持って、自分はこんな人間だ、欠点もあるけど、それはそれでいいじゃないか。
長所も欠点も全て受け入れ、前に進んでいくことが、”アイデンティティの確立”です。
アイデンティティの確立を達成することが、大人になって自分の人生に満足感を持って生きることに繋がります。
しかし、アイデンティティを確立させるのは、簡単なことではありません。往往にして壁にぶつかるものです。これをアイデンティティの拡散と呼ぶこともあります。
2.『魔女の宅急便』キキの青年期の葛藤
青年期におけるアイデンティティの基盤が固まっていく過程が、ストーリーとしてうまく表現されているのが『魔女の宅急便』です。
この作品をキキの感情の起伏に焦点を当ててストーリーを分解してみます。
⑴ 一人前の魔女になる旅へ
これまで魔女と言うことで特別扱いされていたキキは初めて降り立った街で、魔女に対しての冷たい反応にショックを受けてしまう。
⑵ おソノさんとの出会いと宅急便サービスの開始
街でパン屋を営むおソノさんと出会い下宿。箒で物を運ぶ宅急便サービスを開始します。荷物の配達を通じて人の役に立てる喜びを感じ始めている。
⑶ 仕事での挫折から、魔法が使えなくなる
俗に言う「ニシンとかぼちゃのパイ」事件。老夫婦が孫の誕生日に毎年送っているパイを、トラブルがありながらなんとか焼いて、届けるのだが、「あたしこのパイ嫌いなのよね」と言い放ち、ドアを閉める。仕事がうまく行かず、また、トンボとの約束にも間に合わず。風邪を引き、目を覚ますと魔法が使えなくなっていた。
⑷ 自分を向かい合う〜ウルスラの古屋へ
落ち込むキキを訪れた絵描きのウルスラに連れられ、彼女の古屋へ泊まりに行く。そこでキキは悩みを吐露し、また、ウルスラから「ジタバタするしかない」とアドバイスを受け、街へと戻っていく。
⑸ トンボ救出劇を経て、みんなに認められる
ウルスラを訪れた翌日、老夫婦に呼ばれたキキはたまたまみたテレビで、飛行船にぶら下がるトンボを発見する。急いで家を飛び出し、道であったおじさんからデッキブラシを借りて、飛び、トンボを救出することに成功。
この救出劇をへて、「落ち込んだりもしたけれど、私はげんきです」と前向きな言葉で物語を締め括っている。
以上の5つのシーンのキキの感情曲線はおそらくこんな感じだと思います。
青い矢印:アイデンティティの拡散
赤い矢印:アイデンティティの確立
新しい街で修行をするところから始まり、様々な出来事、人との出会い、成功体験を経て、物語内では、ありのままの自分を肯定的に捉え、キキ自身、納得感を持って前に進めています。
このようなアイデンティティの確立への過程と拡散の過程が繰り返すことは自然なことであり、これを繰り返すことで成長していくとエリクソンは述べています。
しかし、現実世界では物語のように、アイデンティティの回復がなされる訳ではありません。
つまずきから立ち直れず、心の病に発展するケースもあります。
3.青年期の子供との向き合い方
では青年期の子供に対し、どのように向き合っていくべきなのでしょうか。
繰り返しにはなりますが、青年期は自らの存在、自分とは何かを見つける時期です。
この大事な問いの答えは親御さんが見つけてあげるのではありません。青年期の少年少女自身が自分自身で見つけるものです。親が子供の将来について価値観を押し付けてはいけません。心構えとして、子供に任せることを念頭に置いてください。ただし、まだまだ青年期は未熟な時期です。望ましくないような集団に属してしまうことや、法に触れるようなことに巻き込まれるようなこともあります。ここはしっかりと修正してあげましょう。
また、周囲と比べることをせず、行動、事実、努力、意思決定を尊重し、声に出して褒めてあげましょう。
勉強でいい成績をとる。部活動でレギュラーになる。偏差値の高い高校、大学に入る。いい企業に内定する。これらが人生に置いて幸福をもたらすとは限りません。このありきたりな物差しで子供を測り、周囲との差異で評価するのはやめましょう。
努力した過程や、結果を、子供なりに考えて導き出した考えを、一人の親として、受け止め、「頑張ったね」「いいね」と言ってあげてください。
絶対受け止めてくれる人がいるという安心感こそが、親として子に提供できる最大の愛だと思います。
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