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星が流れる夜に

今夜、何食べよう?
明日、何着よう?

そういうことを、少しだけ煩わしいと思いつつ、ぼんやりと考えている

それがどれだけ幸せなことかと思い至った時、じわりと空が滲んだよ

あの方に、明日は来ない
あの方にも、もう会えない
挨拶する暇も無い、突然のお別れ
談笑していた数分後の突然の沈黙
さっきまでの穏やかな喧騒、ざわめきは
暗く慌ただしいものに変わる


一緒に過ごした空間には、微笑みの印象が残ったまま

心にこびりつく、やるせなさをもて余す

数多の星が流れる夜を
ぼんやりと眺めながら歩く
一駅分の道のりの寒さと静けさ

今夜、あれ食べなきゃ
明日、あれしなきゃ

明日、私には朝が来る
その前にこの闇を見つめて、そして夜に抱かれて眠ろう
じわり
まぶたが熱くなったよ


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mion
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