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養育費と、悲しい執念
ひぇー
面会に行くと、母が言った。
私の元夫の田舎は災害の被災地となっているのだが、
あの人の故郷、皆さんご無事なの?
皆さん、あの人のした事ご存知なのかしら?と
あの人のした事。
それは相手が私達にして来た、数多の訴訟、嫌がらせ、干渉。
そして判決が出てもなお未払いの、婚姻費用、養育費。
支払いを逃れるための退職。
私は答えた。
相手の親や親戚に知らせて、
誰かに助けて欲しいと思ったことはあるよ。
そうは言っても、夫婦問題は親戚には関係無いことだから。
弁護士さんにも、おすすめしないと言われたじゃない。
母は言った。
親戚に何か言ったら、名誉毀損で私達に損害賠償を起こすとか、あの人は言っていたものね。
要は怖いのね。
私はもう長くはないでしょう。
今、私が一人であちらの親戚に連絡しようかと考えてる。
私がこの世からいなくなれば、
いくら訴訟マニアでも訴えては来られない。
(実際は、損賠の被告となると、死亡後は相続人が訴訟を引き継がなくてはならないらしい。)
私は一矢報いたいの。
娘と孫にこんな酷いことされて。
少なからず、いえ多いに、私達の暮らしまで影響があった。
あの人は、自分の育ったコミュニティでは
こんな無茶苦茶は出来なかったはずよ。
地縁が濃いところだと聞くし
親や親戚が知ったら、あの人は許されないでしょう。
おめおめと帰省なんてできないはず。
鉄面皮め。
仰々しい物言いに少し笑いつつ、
母の気持ちがまずは有り難かった。
それにしても。
離婚した当人以外も、ここまで憎み、恨み、
後悔させてやると執念を燃やすようになるとは。
実際わたしは、出て行く前にそう思ったのだ、
相手に後悔させてやる。
娘が一番幸せであったはずの赤ちゃん時代、
幼児期を、めちゃくちゃにしたことを。
それが今、母まで呑み込んでいる。
そして
私も娘に、こんな姿を見せてしまったのか。
娘の”お父さんに会いたくない”発言は数回目だが、
次第に言葉は少なく、
表情は硬く冷たくなっていっている。
他のお父さん方のように応援して欲しいと言っていた習い事も、
相手が見に来ていると、今は無言で拒否感を示す。
みんな、ごめん。
悲しいね。
病床の母には、こんなことはもう忘れて欲しいと願った。
相手は十分報いは受けている。
自身の精神疾患を野放しにし、
人の気持ちはお構いなし、
自身のしたいようにだけした結果、
自身の手で、娘、家庭を失った。
いくら横槍を入れても、理屈を並べても、
娘の父親への信頼は、もう取り戻せないだろう。
未払い分の婚費、養育費は、
娘が生きていく権利。
誤魔化されはしないし、
放棄もしない。
ただ、私の闘いは、家族にはもう見せない。
私一人で、私の決めた時に取り立てる。
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