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【旅の記憶2】断食取り止め、奈良の靴下



善は急げ。
私は1週間の滞在予定で、まず飛行機を予約した。

しかし夫(元夫)は、
これはあなたには無理ではないか、と言った。
精神的にさらに参ってしまうのではないか。
ホテルのような施設ではないのだし、と。

確かに
断食道場の決まりはかなり厳しく、
建物は相当に古めかしく、
検索してみると“これは…”と声が出た。
最近で言うならリトリートとかサロンのような、
所謂“癒し”の要素は一切感じられず、
まさに道場の趣き。

ここに縋って起死回生できるかも、
そう思っていた私は、
気持ちをくじかれたように感じた。
しかし、反対を押し切ってまで行くのはためらわれた。
元夫とは、まだ信頼関係があった。

飛行機はどうしようか。
断食の日程を終えたら、大仏様を拝みに行こうと思っていたのだ。
この際、ゆっくり行ってみようか。
私は奈良に行ったことがなかった。

私の奈良のイメージは、ある漫画の舞台。
厩戸皇子が
これより先の我が望み すべてかなうなら この矢よ当たれ!
というあの物語。

今年の大河ドラマでも、“大鏡”の競べ弓の場面があった。
どこかでこれを見た!と叫んだ一人は、私。
山岸涼子さんが大鏡を参考にされたのか。

それから、半世紀以上前の母が
修学旅行の短い自由時間、
東大寺から興福寺まで走り、
阿修羅像を見て来たところでもあった。
10代の女の子が、走って見に行く仏像とは。


そして、その頃ある人に貸して貰った本に
奈良は靴下の生産が日本一の場所だと買いてあった。
行きたい、行こう。

数年前から休業中とのこと。
注意書が、とても味わい深い。


旅の始まり










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